マンションに床暖房は必要?後付は可能?床暖房のメリット・デメリットを分かりやすく解説!

公開日:2022年11月15日   最終編集日:2022年11月15日

マンションに床暖房は必要?後付は可能?床暖房のメリット・デメリットを分かりやすく解説!
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目次

寒い時期になると、床暖房を導入したいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか?床暖房は、ファンヒーターやストーブとは異なり、部屋の空気を汚すことなく、足元を温めることができます。
今回は、床暖房の種類やメリット・デメリットについて詳しく解説します。マンションへの床暖房後付けについて検討されている方も、ぜひ参考にしてみてください。

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1. 床暖房の構造と種類

床暖房の構造と種類

床暖房は、足元を温めてくれるものであり、構造や種類については知らない方も多いです。床暖房の構造や種類について学ぶと、床暖房にかかる費用や暖かさの違いに驚かれることでしょう。
床暖房は、「温水式床暖房」と「電気式床暖房」の2種類があります。どちらも室内に設置されているコントローラーで操作を行うため、停電になった場合は操作不能となる点は注意してください。それぞれの構造や特徴について詳しくお伝えします。

1.1 温水式床暖房

「温水式床暖房」は、ガスや電気、灯油で温められたお湯を床暖房パネルに循環させる方式の床暖房です。
マンションの「温水式床暖房」は、お湯にするための熱源としてガスを利用することが多いです。タワーマンションでは、オール電化を採用しているところも増えているので、ヒートポンプ技術を駆使してエコキュートでお湯を作るケースもあります。


「温水式床暖房」の構造は、フローリングの下に潜水マットや浸水パイプが敷かれており、その下に、合板や防音下地材、吸音材、スラブとなっています。「温水式床暖房」は、施工費や熱源機などの部材を準備する必要があり、初期費用が高い傾向にあります。
「温水式床暖房」は、暖まるまでの時間がかかり、30分から1時間は必要です。立ち上がるまで、エアコンと併用すると良いでしょう。

1.2 電気式床暖房

「電気式床暖房」は、床の仕上げ材に電気を通して暖める方式の床暖房です。
「電気式床暖房」の構造は、フローリングの下にコネクターと繋がったパネルヒーターが敷かれています。スイッチを付けてから温度の上昇が速い特徴があり、電気代が高くなる傾向にあります。
短時間にスイッチのON/OFFを繰り返すようなライフスタイルをお過ごしの方に向いているでしょう。また、小さい面積から設置することが可能なので、部屋の小さいお家におすすめです。

2. 床暖房のメリット

床暖房のメリット

床暖房は寒さが苦手な方の救世主のような存在です。床暖房は、エアコンやストーブなどとは違うメリットがあります。床暖房のメリットについて詳しく見ていきましょう。

2.1 部屋全体が温かい

床暖房は部屋全体が温かい利点があります。ヒーターやエアコンの場合は、特定の場所しか暖まりません。
広い部屋でヒーターやエアコンを付けているにも関わらず、寒い経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?暖かい空気は、下よりも上に留まりやすい傾向にあるため、床暖房を付けると下の暖かい空気が上にいき、部屋全体が温かくなります。

2.2 足元が温かい

床暖房は足元が温かいメリットがあります。寒い季節になると、手や足の先が冷えて困っている方も多いです。人間は、首、手首、足首の3つの首を温めると、温かさを感じやすいため、重点的に温めることができる床暖房は寒い時期に最適です。
ヒーターやエアコンだと、足を重点的に温めるのは難しいでしょう。足先が冷えている方は、靴下を重ね履きしている方もいらっしゃいますが、床暖房だと靴下を履いていなくても温かく過ごすことができる点は魅力的です。

2.3 安全性が高い

床暖房は、火災の危険性が低いので、安全性が高いです。火を使わないことから空気の汚れを心配する必要がなく、ペットを飼っている家庭や小さなお子様がいる家庭にも安心です。
火を使用する暖房器具や電気式ヒーターは火災の心配があります。万が一、地震が発生したときに火を使うタイプの暖房器具が倒れてしまうと火事になってしまう可能性があります。
その他にも、火を使用する暖房器具や電気式ヒーターの周辺に燃えやすい素材のものがあると危険です。火を使わずに、暖かく過ごしたい方は床暖房がおすすめです。

2.4 メンテナンスが基本的には不要

床暖房は、メンテナンスが基本的には不要なところもメリットと言えます。床暖房の設備は、フローリングの下に設置されているので、掃除をしなくても大丈夫です。
フローリングの掃除をするときに、暖房器具を移動させる必要がありません。床暖房だと、フローリングを掃除するときにスムーズに行うことができるでしょう。
暖房器具は、冬の季節になると収納スペースから出してくるケースが多いです。その他の季節は片付けていることが多いので、収納スペースが必要ですが、床暖房だと収納しなくても済みます。収納スペースの必要がなく、収納から暖房器具を出す手間が必要ない点も魅力的です。

3. 床暖房のデメリット

床暖房のデメリット

床暖房はメリットばかりのイメージをお持ちの方も多いですが、デメリットもあります。
床暖房の設置を検討されている方は、欠点も知っておくと困らずに済みます。床暖房のデメリットを見ていきましょう。

3.1 設置コストがかかる

床暖房は、設置コストがかかるところがデメリットと言えます。「温水式床暖房」も「電気式床暖房」もどちらを設置するとしても工事するために、初期費用が必要です。
Panasonicの家庭用ヒートポンプ式温水床暖房システムの具体的な例をご紹介します。
8畳のお部屋に設置する場合は、部材費だけで746,600円かかります。14畳のリビング・ダイニングに設置する場合は、944,400円です。
床暖房の設置面積などによって費用は異なりますが、初期費用が高額になる点は忘れないようにしてください。

3.2 メンテナンス・トラブル時が面倒

床暖房は、メンテナンスやトラブルが発生したときに面倒です。先述の通り、床暖房はフローリングの下に設備を設置するため、メンテナンスやトラブルの時には、フローリングを取り除いて修理することになります。
エアコンやヒーターとは異なり、床暖房の場合は、少しのメンテナンスでもフローリングを剥がすなど大きな工事をしなければなりません。


温水式床暖房の場合は、定期的なメンテナンスが必須です。循環している温水が減った時は、補給しなければなりません。寒冷地にお住まいの方は、水が凍らないよう不凍液の交換や補充が必要です。
定期的なメンテナンスを怠ると故障の原因になります。故障すると費用がかかるので、メンテナンスを忘れずに行うようにしましょう。

3.3 温まるのが遅い

床暖房は、温まるのが遅い点がデメリットです。寒い時期になると、早くお部屋を暖めたいものです。
エアコンやヒーターと比較すると、先述の通り、床暖房はスイッチを付けてから、温まるまで30分から1時間かかるケースもあります。
床暖房の種類によっては、タイマーの設定ができるものもあるので、帰宅時や早朝の時間帯にタイマー機能を活用すると過ごしやすいでしょう。

4. 床暖房の「電気代」と「ガス代」の費用の違いは?

床暖房の「電気代」と「ガス代」の費用の違いは?

床暖房の「電気代」と「ガス代」の費用の違いを知りたい方もいらっしゃるのではないでしょうか?床暖房を使用するときのかかる費用について学びたい方もいるかもしれません。
「温水式床暖房」と「電気式床暖房」のランニングコストなど費用について詳しく解説します。

4.1 温水式床暖房の費用

温水式床暖房の費用は、1日8時間利用したとして、毎月約3000円から8000円となっています。Panasonicの温水式床暖房である「フリーほっと温すいW」の商品を例に具体的な費用を見ていきましょう。
パナソニックヒートポンプ式温水暖房機を使用しており、外気温約7度、室温約20度で1日8時間稼働させた場合、毎月3,900円となります。
「ガス」の床暖房の場合は、東京ガスによると、1日8時間稼働させた場合、毎月2,800円です。
床暖房の費用は、設置する部屋の大きさによって異なりますが、ガスの方が安いです。

4.2 電気式床暖房の費用

電気式床暖房の費用は、1日8時間利用したとして、毎月約3000円から約10,000円です。
Panasonicの温水式床暖房である「フリーほっと」の商品の費用は、床の温度を控えめの25度で、ランニングコストは毎月約3,300円です。床の温度を上げて30度にすると、ランニングコストは毎月7,300円となります。
電気式床暖房と温水式床暖房を比較すると、温水式床暖房の方がランニングコストがかかりません。

5. 床暖房を設置するのは全部屋?一部の部屋のみ?

床暖房を設置するのは全部屋?一部の部屋のみ?

床暖房は、マンションの全部屋に設置することも一部の部屋のみに設置することもできます。床暖房を設置するにあたって、全部屋に設置するか一部の部屋のみにするか迷われている方や床暖房の設置を検討されている方は、使用時間や家族構成などライフスタイルに合わせて選択することがポイントです。

5.1 床暖房を全部屋に設置した場合

床暖房を全部屋に設置する場合は、床暖房を取り付けるための初期費用や毎月のランニングコストを考えると、温水式床暖房がおすすめです。
家族がそれぞれの部屋で長時間過ごすライフスタイルの方は全部屋床暖房が良いでしょう。家の中で温度差ができにくくなり、ヒートショックを防ぐことに繋がります。
ヒートショックは、血圧の急変動によって身体に負担となり、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす可能性があります。特に高齢者や基礎疾患をお持ちの方は注意しなければなりません。
床暖房が全ての部屋にあると、寒い冬も快適に過ごせるでしょう。

5.2 床暖房を一部の部屋に設置した場合

キッチンだけの場合やトイレだけの場合など、小さなスペースだけ床暖房を設置することも可能です。一部の部屋に床暖房を設置するときは、電気式床暖房がおすすめです。
電気式床暖房は、長時間使用するのではなく、短時間の使用をすることがコストを抑えるコツになります。

5.3 間取り図で見るリビングダイニングの床暖房の位置

自分が住むところの間取り図を見る機会は少ないものです。間取り図で見るリビングダイニングの床暖房の位置は、リビングダイニングのところに長方形の床暖房のマークが付いています。この床暖房のマークの場所に、床暖房が設置されます。
床暖房を導入するときは、間取り図の確認を行うようにしましょう。

6. マンションに床暖房は後付けできる?

マンションに床暖房は後付けできる?

マンションにお住まいの方で床暖房を後付けしたいと思われている方もいるかもしれません。一軒家で床暖房を後付けする場合とは異なり、マンションで床暖房を後付けした場合、退去するときに問題にならないか心配です。
後付けの費用や施工期間を費用と共にお伝えします。

6.1 マンションでも床暖房の後付けは可能

床暖房を後付けはすることは基本的に可能です。しかし、マンションによっては床の変更が禁止されている物件もあるので、管理規約を確認しなければなりません。
築年数が古いマンションの場合は、床暖房にフローリングを張り替えるにあたって、騒音トラブルになる可能性があるからです。


管理規約を確認するときは、自分で行うようにしましょう。床暖房の施工業者に全てを任せてしまうと、管理規約を確認せずに施工してしまう可能性があり、依頼したことを後悔する可能性があります。
マンションで電気式床暖房の設置をする場合は、各住戸ごとの電力使用可能量に関する制限もあるので、気を付けましょう。

6.2 床暖房を後付けする場合はフローリングの遮音等級の確認が必要!

マンションに床暖房を後付けする場合は、フローリングの遮音等級の確認が必要です。マンションで床暖房の後付けが承認されているけれど、フローリングの遮音等級が「L-45からL-55」のフローリングを使用するなど制約を設けているケースがあります。
現在、使用しているフローリングの上から床暖房を設置する方法もあるので、信頼できる施工業者と相談しながら行うようにしてください。

6.3 床暖房後付け工事の費用相場

床暖房の後付け工事の費用がどれくらいか気になっている方も多いです。後付け工事の費用相場は、中古マンションの電気式床暖房工事とフローリング張り替え工事をする場合、約60万円から約75万円です。マンションのリビングを電気式床暖房にして、フローリングを張り替える場合の目安は、約115万円から約140万円となります。
部屋の広さによって、金額に大きな差があるので、見積もりを依頼するようにしましょう。

6.4 床暖房後付け工事の施工期間

床暖房の後付け工事は、寒くなる時期までに完了させたいとお考えの方も多いです。施工業者探しから、施工完了まで約2ヶ月ぐらいの期間が必要です。「直張り」の場合は、1日から2日、「張替え」の場合は、4日から5日かかるので、施工期間はお部屋が使用できなくなる点を覚えておきましょう。

7. まとめ

床暖房の種類やメリット・デメリットについて詳しく解説しました。床暖房には、「温水式床暖房」と「電気式床暖房」の2種類があり、それぞれの特徴や費用も異なります。
マンションでの床暖房を検討されている方は、管理規約を確認するようにしましょう。

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