【2023年最新】すまい給付金の入居期限が延長!いつまでに申請すればいいの?申請方法とは?
公開日:2022年08月01日 最終編集日:2023年03月24日
目次
多くの人にとって一生に一度の大きな買い物と言えばマイホームでしょう。
マイホーム購入者は経済的負担を少しでも減らすために、住宅ローン減税をはじめとする国の補助制度を可能な限り活用することが大切と言われています。
今回この記事で取り上げる「すまい給付金」もそんな国の補助制度の一つです。
すまい給付金は令和3年12月31日までに引き渡され入居が完了した住宅が対象となるため、これから契約される方は給付対象外となってしまいます。
また申請も、住宅の引渡しを受けてから1年3ヶ月以内(最終期限:令和4年12月31日)であるため、給付対象の住宅であっても今後すまい給付金の申請をすることはできません。
一方で住宅ローン減税は税制改正された今も続いており、対象となる方が人が多くいます。
詳細に関しては次の項目以降で順を追って分かりやすく解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。
【関連ページ】
1. すまい給付金とは
まずはじめに「すまい給付金」について、以下の3つの項目に分けて解説します。
- 制度の内容
- 対象となる人
- 対象となる住宅
この3つは必要最低限知っておくべき内容になりますので、しっかり把握するようにしましょう。
1.1 すまい給付金とはどんな制度?
すまい給付金の実施背景には、近年の消費税率の引き上げが関係しています。
西暦(元号) | 消費税 |
~1989年3月(平成元年) | 0% |
1989年4月(平成元年)~ | 3% |
1997年4月(平成9年)~ | 5% |
2014年4月(平成26年)~ | 8% |
2019年4月(令和元年)~ | 10% |
すまい給付金が始まったのは消費税が5%から8%に上がったタイミングと同じ2014年(平成26年)の4月からです。2019年(令和元年)4月には消費税が10%に引き上げられましたが、その後の2021年(令和3年)12月までが住まい給付金の実施期間です。(※一部は令和4年12月まで実施)
消費税率が上がるとマイホーム購入者の負担も比例して大きくなるため、それを緩和させる目的ですまい給付金という補助制度が設けられました。例えば、同じ国の制度である住宅ローン減税は所得の多い人の方が恩恵を受けやすい仕組みになっています。しかし、すまい給付金は住宅ローン減税ではあまり恩恵を受けることができない収入層を対象にしている点が大きな特徴となります。
1.2 すまい給付金の対象者とは
すまい給付金は以下の全てに該当する人が対象になります。
- マイホーム購入者(不動産登記上の持ち分を持っている)
- 購入した住宅に自分で住んでいる
- ローンの償還期間が5年以上である
- 収入が一定の基準以下である(消費税10%の場合775万円以下※目安)
上記は金融機関で住宅ローンを利用する場合で、住宅ローンを利用しない場合は以下の全てに該当する人が対象になります。
- 50歳以上
- 収入が一定の基準以下である(消費税10%の場合650万円以下※目安)
収入に関しては、4人家族(夫・収入のない妻・中学生以下の子供が2人)をモデル世帯として算出した場合の夫の目安収入(年収)になります。
1.3 すまい給付金の対象となる住宅の要件
すまい給付金を受給するには、マイホームである「住宅」に関する要件も満たす必要があります。要件は新築住宅か中古住宅かによって異なり、それぞれ以下のようになります。
【新築住宅の場合】
- 消費税率引上げ後の8%もしくは10%が適用されていること
- 50㎡以上の床面積であること(一定の期間内に契約をした場合は40㎡以上でも対象となる場合有り)
- 施工中などに第三者機関による検査を受け「一定の品質」が確認されていること
住宅ローンを利用しない場合は、上記に加えフラット35S基準を満たす住宅であるという要件が加わります。
【中古住宅の場合】
- 消費税の課税対象であること(消費税が非課税となる個人間売買などは対象外)
- 50㎡以上の床面積であること(一定の期間内に契約した場合は40㎡以上でも対象となる場合有り)
- 建築基準法で定められている耐震基準を満たしていること
- 売買時などに第三者機関による検査を受け「一定の品質」が確認されていること
それぞれの要件はどれか一つではなく、全てを満たす必要がありますので注意しましょう。
2. すまい給付金の申請期限はいつまで?2022年末まで延長!
ここではすまい給付金の申請期限や、冒頭でお伝えした期限延長について解説します。
2.1 すまい給付金制度の実施期間
前述しましたが、すまい給付金は消費税引き上げに伴って創設された制度です。
従って以下のようにその実施期間が設けられています。
消費税率が5%から8%に上がったタイミングと同じ2014年(平成26年)4月1日から、2021年(令和3年)12月31日まで(※2019年4月からの消費税率は10%)
すまい給付金を受給するためには、マイホームが引渡しされ入居が完了した日がこの実施期間内である必要があります。ただし、この期間に該当していても5%の消費税率が適用されてマイホームを購入している場合は対象となりません。
分かりやすく言い換えると「8%もしくは10%の消費税が適用された住宅を購入し、かつ2021年(令和3年)12月31日までに入居が完了している人」がすまい給付金の実施期間に該当する人ということになります。
2.2 すまい給付金の入居期限が2022年末までに延長
前の項目ですまい給付金の実施期間における入居期限は、「2021年(令和3年)12月31日まで」とお伝えしましたが、この期限が1年延長され「2022年(令和4年)12月31日まで」となりました。ただしこれには以下の条件があります。
- 注文住宅の新築の場合は、2021年(令和2年)10月1日から2022年(令和3年)9月30日までに契約している
- 分譲住宅もしくは中古住宅の場合は、2021年(令和2年)12月1日から2022年(令和3年)11月30日までに契約している
上記の期間以外の場合は、もともとの「2021年(令和3年)12月31日まで」が入居期限になります。注文住宅の新築を建てる場合は少なくとも6カ月程度の期間が必要と言われていますので、入居期限が2022年(令和3年)12月までに延長されても、契約のタイミングによってはそれに間に合わないケースもありますので注意しましょう。
2.3 すまい給付金の申請期限
すまい給付金には、その支給対象となる契約期間や入居期限の他にも「申請期限」が設けられています。契約期間や入居期限などの全ての支給要件を満たしていても、この申請期限を過ぎてしまうと受給できませんので注意しましょう。
申請期限はマイホーム(住宅)が引き渡されてから1年以内です。ただし昨今のコロナ禍の影響を受けて、現時点では1年3カ月以内に変更されています。この変更は「当面の間」とされていますので、具体的にいつ以前の1年以内に変更されるかは今の時点では未定です。
3. すまい給付金の申請について
ここまではすまい給付金の内容を中心に解説しましたが、この項目では具体的な申請手続きについて説明します。
3.1 申請に必要な書類
すまい給付金を申し込むのに必要な書類は新築住宅と中古住宅とで異なります。
それぞれの必要書類は以下になりますのでご確認ください。
【新築の場合】
- 給付申請書
- 引っ越し後の新しい住民票の写し(原本・マイナンバーの記載のないもの)
- 登記事項証明書・謄本(原本※所有権保存登記されているもの)
- 個人住民税の課税証明書(原本)
- 工事請負契約書もしくは不動産売買契約書のコピー
- 住宅ローンの金銭消費貸借契約書のコピー
- 給付金振込用銀行口座の通帳のコピー
- 住宅瑕疵担保責任保険の付保証明書、建設住宅性能評価書、住宅瑕疵担保責任保険法人検査* 実施確認書の内のどれか一つのコピー
住宅ローンを利用しない場合は「住宅ローンの金銭消費貸借契約書のコピー」は不要ですが、フラット35S(2020年12月時点)基準への適合を確認できる書類(新築対象住宅証明書のコピー)などが別途必要になります。
【中古の場合】
- 給付申請書
- 引っ越し後の新しい住民票の写し(原本・マイナンバーの記載のないもの)
- 登記事項証明書・謄本(原本※所有権保存登記されているもの)
- 個人住民税の課税証明書(原本)
- 不動産売買契約書のコピー
- 中古住宅販売証明書(原本)
- 住宅ローンの金銭消費貸借契約書のコピー
- 給付金振込用銀行口座の通帳のコピー
- 既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書、既存住宅性能評価書(耐震等級1以上)、住宅瑕疵担* * 保責任保険の付保証明書、建設住宅性能評価書の内のどれか一つのコピー
住宅ローン利用がない場合は「住宅ローンの金銭消費貸借契約書のコピー」は不要です。
3.2 申請者はだれ?
すまい給付金の申し込みを行うのは、マイホームを購入し不動産登記して実際にその住宅に住む人です。住宅事業者などが代理で申請することも可能ですが、その場合は「すまい給付金代理受領得着の締結」などの手続きが別途必要になります。
3.3 申請方法
申請は必要な書類を揃え以下のいずれかの方法で行うことができます。
- すまい給付金申請窓口に必要書類を持参して行う
- すまい給付金事務局に必要書類を郵送して行う
これは代理申請の場合でも同様です。コロナ禍の影響で窓口業務は規模を縮小して対応しているため、窓口申請をする予定の方は事前に予約することをおすすめします。
3.4 申請の流れ
すまい給付金の申請から受給までの具体的な流れは以下のようになります。
1.給付申請書の入手
2.給付申請書に必要事項を記入
3.その他の必要書類の準備
4.すまい給付金申請窓口もしくは郵送で申請
5.すまい給付金事務局による審査
6.通知はがき(住まい給付金の振込みのお知らせ※郵送)の受け取り
7.指定した口座に振り込み支給
すでにお伝えしましたが、申請はマイホーム(住宅)が引き渡されてから1年3カ月以内に行う必要がありますので注意しましょう。
3.5 住宅ローン控除を利用する場合は一緒に申請すると良い
必要書類の中には普段はあまり聞きなれないものも含まれます。しかしそれらの書類の中には住宅ローン控除の申し込みを行うときにも必要となる書類も一部含まれますので、その申請と同じタイミングで一緒に書類を準備すると手間も省けておすすめです。
ちなみに必要書類の多くは個人情報が含まれていますので準備をしているときに紛失したりしないように十分注意しましょう。
4. すまい給付金はいくらもらえるの?
では最後にすまい給付金の額や税務処理について解説します。
4.1 最大50万円が給付
冒頭でお伝えしましたが、すまい給付金は最大で50万円が給付されます。給付金額の算出式は「給付基礎額 × 申請者の持分割合」です。
基礎給付金はマイホーム契約時の消費税率や年収、また住宅ローン利用の有無などによって異なります。収入は厳密には都道府県民税の所得割額というものが基準になりますが、以下の表のようにある程度収入を基にして基礎給付金の額を算出することが可能です。
【消費税8%適用】
収入(年収) | 基礎給付金の額 |
425万円以下 | 30万円 |
425万円超~475万円以下 | 20万円 |
475万円超~510万円以下 | 10万円 |
【住宅ローン利用・消費税10%適用】
収入(年収) | 基礎給付金の額 |
450万円以下 | 50万円 |
450万円超~525万円以下 | 40万円 |
525万円超~600万円以下 | 30万円 |
600万円超~675万円以下 | 20万円 |
675万円超~775万円以下 | 10万円 |
例えば消費税率10%でマイホームの名義が夫のみ(持分100%)、その年収が500万円の場合、先ほどの計算式に当てはめると給付金額は40万円となります。
給付基礎額 × 申請者の持分割合 = 給付金額 |
40万円 × 100% = 40万円 |
「夫80%・妻20%」などの形で夫婦で持分を分けている場合は、それぞれが申請を行う必要がありますので注意しましょう。
ちなみにこの割合で、夫の年収を500万円、妻の年収を300万円とした場合のそれぞれの給付金額は以下のようになります。
給付基礎額 × 申請者の持分割合 = 給付金額 | |
夫(年収500万円) | 40万円 × 80% = 32万円 |
妻(年収300万円) | 50万円 × 20% = 10万円 |
給付金額は夫が32万円、妻が10万円となり合計は42万円になります。
国土交通省が運営する「すまい給付金」の公式Webサイトではこの給付金額のシュミレーションが可能ですので、気になる方は確認してみてください。
4.2 給付金はどれくらいで振り込まれるの?
給付金額の他に気になるのは「どのくらいの期間」で振り込まれるかということです。通常は申し込みをしてから1カ月~2カ月程度ですが、前述したようにコロナ禍の影響で現在は3カ月~4カ月ほどの期間が必要になっています。
ただしこの期間もあくまで目安で、場合によってはそれ以上かかることもあります。受給予定の給付金の使用用途が決まっている方は、実際に振り込まれるまでの期間にも注意しましょう。
4.3 確定申告は必要?
すまい給付金は税務上「一時所得」として見なされます。この一時所得は課税対象になるため本来であれば確定申告が必要になりますが、50万円までは特別控除として税務処理することが可能です。
従って、すまい給付金の最大額である50万円を受給しても、その他の一時所得がない場合は確定申告の必要はありません。ただし、他に一時所得があり、すまい給付金と合算して50万円を超える場合には確定申告が必要になりますので適切に行うようにしましょう。
5. まとめ
今回はすまい給付金についてお伝えしました。
すまい給付金は、消費税率引上げによる住宅取得者の負担を緩和するために創設された制度です。
ただし令和3年12月31日までに引き渡しが完了した住居が対象となるため、今後、マンションなどの住宅購入を検討されている方は、住宅ローン控除の還付金についてご確認ください。