洗濯物や布団はどこに干すの?一般的なマンションとは違うタワーマンションのベランダ事情とは?
公開日:2022年11月22日 最終編集日:2023年01月17日
目次
- 1 一般的なマンションと何が違う?タワーマンションのベランダ事情とは
- 2 タワーマンションの窓やベランダで注意したいポイント
- 3 ベランダに干せない洗濯物や部屋の換気はどうしてる?
- 4 タワーマンションの窓掃除はどうやるの?
- 5 タワーマンションのベランダ事情は安全性を高めるため!
- 6 もし火災が起きたら?ベランダがないタワーマンションの避難経路とは
- 7 まとめ
この記事では、一般的なマンションと比較したタワマンのベランダ事情を解説しています。タワマンと普通のマンションでは何が違うのか、住む時にはどのような点に注意しなければならないのかなど、チェックポイントは少なくありません。
タワマンに住みたいけど、ベランダがどうなっているのか気になる人、タワマンの購入を検討している人はぜひ参考にしてください。
1 一般的なマンションと何が違う?タワーマンションのベランダ事情とは
タワーマンションのベランダ事情は、一般的なマンションとはさまざまな面で異なります。ここでは、具体的に何が違うのか解説します。住み始めてから後悔しないためにも、違いをしっかりと覚えておきましょう。
1.1 そもそもベランダがない
タワマンの場合、そもそもベランダが設置されていないケースが一般的です。これは、高層階からの落下を防ぐという意味合いに加えて、風の影響を回避するためだと思われます。
高層階になると、風が強くなるため、ベランダに出るだけで風にあおられてしまい落下などの危険があります。ベランダに出ること自体がリスクを伴う行為になりかねないため、そもそもベランダが設置されていないのです。
1.2 窓が少ししか開かない
タワマンによってはベランダのようなスペースが設置されているケースもありますが、室内とベランダをつなぐ窓が少ししか開かない仕様になっているケースも珍しくありません。このような場合、ベランダは住人が使用するためのものではなく、工事の際などに足場として使用することを想定して設置されていると考えられます。窓が少ししか開かないと、外に出ることはできませんが、窓を開くことで室内を換気することができます。
1.3 網戸が設置されていない
タワマンにベランダがある場合でも、網戸が設置されていないケースが一般的だといえます。これは、網戸は非常に軽量であり、風の影響で飛ばされる可能性があるためです。
網戸は虫の侵入を防ぐ役割もありますが、高層階になるとそもそも虫自体が発生するケースが少ないため、網戸がなくても問題なく生活できると考えられます。どうしても網戸を設置したい場合は、管理組合に確認してください。
1.4 一般的なマンションに比べて制約が多い
タワマンは、一般的なマンションに比べると安全面から制約が多い点が特徴です。例えば、ベランダがあったとしても、ベランダに洗濯物を干すことができない、ガーデニングは禁止されているなどです。ベランダで野菜や花を育てたいと考えている人もいるかもしれませんが、風による落下の可能性などから禁止されているケースは少なくありません。
もし禁止されていないとしても、タワマンのベランダでガーデニングを行う際は周囲への配慮が欠かせません。
2 タワーマンションの窓やベランダで注意したいポイント
ここでは、タワマンの窓やベランダを使用する際の注意点を紹介します。タワマンならではの注意点も多いため、購入を検討している人はぜひ参考にしてください。
2.1 洗濯物や布団が干せない
繰り返しの説明となりますが、タワマンの場合ベランダがあっても洗濯物や布団が干せない決まりになっているケースがあります。ベランダに干せない理由は、高層階の場合風が強くなるため洗濯物や布団が飛ばされてしまう恐れがあるためです。また、布団が落下して人に直撃すると命を落とす可能性もあるでしょう。
そのほかにも、タワマンの景観を保つために洗濯物や布団が干せないルールを敷いているケースもあります。一般的にタワマンは高級なイメージを持っている人が多く、高級感を保つことが建物にとって重要です。しかし、布団や洗濯物など生活感のあるものが見えてしまうと高級感が損なわれる恐れがあるでしょう。実際に、タワマンによっては高層階だけでなく低層階や中層階でもベランダに洗濯物や布団を干せないケースもあります。
2.2 網戸がないと虫が入ってくる
一般的なマンションの場合、窓には網戸が設置されていますが、タワマンの場合風で飛ばされる恐れがあることから設置されていないケースがほとんどです。そのため、虫が侵入しやすくなってしまいます。夏は特に蚊やコバエが多いため、注意しなければなりません。
2.3 ベランダがないと窓の外側が掃除できない
ベランダがあれば、ベランダに出て窓の外側の掃除をすることができますが、ベランダがないとそういった掃除もできません。そのため、例えば雨や強風の影響で窓が汚れたとしてもそのままで生活しなければなりません。
タワマンの場合、清掃業者に外側の窓の掃除を依頼しているケースが一般的で、定期的に掃除はしてもらえますが、すぐに掃除したい時などには対応できない可能性があります。
2.4 強風で勢いよくドアが閉まることも
ベランダがついているタワマンの場合、強風の影響でベランダへとつながるドアが勢いよく閉まることがあります。場合によってはドアに指を挟んで大怪我をする可能性もあるため、こちらも注意しなければなりません。
3 ベランダに干せない洗濯物や部屋の換気はどうしてる?
洗濯物や布団をベランダに干せない場合どのように対応すればいいのでしょうか。また、窓が開かない場合の換気方法が気になる人もいるでしょう。ここでは、タワマンの洗濯物や部屋の換気の扱いについて解説します。
3.1 サンルーム
ベランダに洗濯物が干せない場合、サンルームに物干しスペースが用意されていることがあります。サンルームという名前の通り、日当たりがいいため洗濯物や布団もしっかりと乾かすことができます。
3.2 浴室乾燥機
タワマンによっては、浴室乾燥機が完備されているケースも多く、そこに洗濯物を干すことができます。高級マンションの場合、ハイグレードの設備が設置されていることが多いため、ベランダが使えなくても心配する必要がありません。
3.3 布団乾燥機
布団に関しては、布団乾燥機で対応することができます。自分で用意することもできますが、タワマンによっては布団乾燥機が設置されている物件もあります。乾燥機があれば、自分の好きなタイミングでいつでも布団を乾かすことができます。
3.4 乾燥機付き洗濯機
浴室乾燥機以外にも、乾燥機付き洗濯機を利用することで、洗濯物を乾かすことができます。予算や機能面のニーズなどに応じて、自宅にあった乾燥機付き洗濯機を選びましょう。
3.5 宅配クリーニング
タワマンに住んでいる人の中には、宅配クリーニングを利用している人もいます。宅配クリーニングは、インターネットや電話で申し込むと、キットが送られてくるため、そこに洗濯物や布団などを入れて宅配便で送るだけでクリーニングしてもらえます。コインランドリーやクリーニング店に自分で直接行くのは面倒に感じる人もいるかもしれませんが、宅配クリーニングであればそういった手間が省かれます。
3.6 24時間換気システム
タワマンによっては、24時間換気システムを備えているため、そのシステムを活用して洗濯物などを乾かすことができます。近年のタワマンは高気密・高断熱になっていることもあり、24時間換気システムはほとんどの建物で設置されています。
4 タワーマンションの窓掃除はどうやるの?
ここではタワマンの窓掃除はどのように行えばいいのか解説します。タワマンの魅力の1つは眺めの良さですが、窓が綺麗でなければ眺めを楽しむことはできません。タワマンの購入を検討している人はぜひ参考にしてください。
4.1 マンション全体で定期的に清掃業者による窓拭きが行われる
タワマンの場合、清掃業者と契約しているケースが一般的で、業者が定期的に窓掃除を行います。業者にもよりますが、数ヶ月に1回程度の清掃が一般的でしょう。
清掃業者による窓掃除の方法は大きく分けてゴンドラとブランコに分けられます。ゴンドラとは、箱型の乗り物のことであり、マンションの専用設備として屋上に設置されます。
ブランコは屋上からロープを垂らしてブランコと呼ばれる板に乗って窓掃除を行うことです。ブランコを使用するために、マルカンと呼ばれている設備が設置されている必要があります。
4.2 清掃費用は管理費に含まれる
清掃業者との契約は、マンションの管理組合が委託契約を結ぶケースが一般的であるため、清掃費用は管理費に含まれるケースが多くなっています。委託費用だけで100万円/月を超えるケースもあるなど、決して安くはないため、これからタワマンを購入しようとしている人は管理費用がどのくらいかかるのかチェックしておくことをおすすめします。
4.3 人目が気にならない高層階もこの日だけは要注意!
窓掃除が行われるときに注意しなければならないのが、清掃員が室内を見る可能性があることです。例えば、窓掃除の日を把握していなかったために、散らかった状態の部屋を見られてしまい恥ずかしい思いをすることがあるかもしれません。清掃業者が窓掃除を行う場合は、具体的な作業日時を確認しておきましょう。
5 タワーマンションのベランダ事情は安全性を高めるため!
タワマンのベランダ事情が一般的なマンションと異なる理由は、安全性を高めるためです。ここでは、安全を確保するためのポイントを紹介します。
5.1 管理規約に定めがなくても安全への気配りを!
管理規約に明記されていなくても、タワマンに住む場合は周囲への配慮を忘れないようにしましょう。例えば、ベランダでガーデニングをする場合、手すりより上に物を置かない、プランターや鉢はベランダの内側におく、台風が接近しているときは室内に移動させるなどです。マンションは自分だけのものではないということを肝に命じておきましょう。
5.2 小さな子どもの転落事故にも注意が必要!
子どもがいるご家庭でマンションに住む場合、子どもの転落事故に注意しなければなりません。子どもの場合、高層階だと高いところにいるという恐怖を感じにくいという傾向があるとされており、好奇心から身を乗り出した結果落下してしまうこともあります。
特に気をつけなければならないのが、足がかりになるものがベランダにあるケースです。ベランダでガーデニングをしているとプランターや鉢が足がかりになることがあるかもしれません。
6 もし火災が起きたら?ベランダがないタワーマンションの避難経路とは
万が一火災が発生した場合、ベランダがないタワマンはどのように避難するのでしょうか。ここではタワマンの避難経路について解説します。
6.1 ベランダがあっても避難ハッチがない!
タワマンの場合、ベランダがあったとしても避難ハッチがないケースが少なくありません。これは、避難階と11階以上の階に関しては避難器具の設置が不要とされているためです。
一方で、地階の場合、地上へ避難する必要があるため、避難器具が設置基準として定められています。
6.2 非常階段
タワマンの場合、非常階段を使った避難が基本となります。ただし、例えば地上40階や50階など高層階になると、地上まで降りるのに時間がかかります。そのため、後述するように地上ではなく屋上へと避難することもあります。
6.3 ヘリポート
タワマンによっては、地上ではなく、屋上のヘリポートに避難することもあります。屋上まで避難した後は、救急隊のヘリコプターなどで救助してもらい、安全な場所へと移動します。
6.4 非常用エレベーター
タワマンのような高層建物での火災に備えて非常用エレベーターが設置されているケースもあります。高層階で火災が発生した場合、はしご車が消化活動に使われますが、はしごは最長30〜40mまでしか届かないため、高層階まではカバーできません。
非常用エレベータはそのようなときに、救助隊員がマンションの内部から消化活動を行う際に活用されます。また、足の不自由な人や小さい子ども、高齢者など、自分の足で避難するのが困難な人が非常用エレベーターを利用することもあります。
6.5 日本の高層マンションは一定の火災対策が義務付けられている!
タワマンに対しては、消防法によって一定の火災対策が義務付けられていることもあり、万が一火災が発生しても大きな被害となる可能性は低いと考えられます。また、住戸内のカーテンや絨毯は燃えにくい防炎物品に指定されているものを使うことが義務付けられています。
6.6 火災以外にも地震や台風、万が一に備えて避難経路の確認を!
火災などのトラブルが発生しないに越したことはありませんが、万が一の時に備えて、避難経路を確認しておきましょう。火災が発生するとエレベーターが止まる可能性があり、避難階段や非常エレベーターを覚えておく必要があります。
7 まとめ
今回はタワマンのベランダ事情について解説しました。タワマンの場合、ベランダがそもそもない、あっても使用できない、使用方法が限られているなど、一般的なマンションのベランダ事情とは大きく異なります。
タワマンの購入を検討している場合、ベランダの有無、ベランダがある場合は利用規約などをチェックしておきましょう。また、子ども連れの場合、子どもの落下にも注意しなければなりません。