賃貸物件の連帯保証人は誰に頼むべき?頼まれたら?責任範囲とリスク

公開日:2023年05月11日   最終編集日:2023年06月09日

賃貸物件の連帯保証人は誰に頼むべき?頼まれたら?責任範囲とリスク
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目次

賃貸物件における連帯保証人とは、物件の借主の債務を連帯で保証する人のことです。
この記事では連帯保証人について、その概要や賃貸物件で必要な理由、保証人となれる人などについて解説します。また、2020年に行われた法改正によって連帯保証人制度にどのような変化があったのかという点も取り上げているため、ぜひ参考にしてください。

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1 賃貸物件を借りる際の連帯保証人とは

賃貸物件を借りる際の連帯保証人とは

賃貸物件を借りようとすると、連帯保証人を求められることがあります。
ここでは連帯保証人の概要やなぜ必要なのかといった点について解説します。これから賃貸物件を借りようとしている人は参考にしてください。

1.1 連帯保証人は借主と同等の債務を負う

賃貸物件における連帯保証人とは、賃貸物件を借りようとしている人の債務を連帯で保証する人のことです。連帯という名称の通り、連帯保証人となった人は、借主と同等の債務を負うこととなります。


例えば、借主が家賃を滞納してしまったときや設備を破損してしまい修理費用が必要になったときなどに、借主が支払いできない状態にあると連帯保証人が支払わなければなりません。この場合、貸主から連帯保証人へと連絡がいき、支払いを請求されることとなります。なお、連帯保証人に関しては、民法で定められたものであるため、法的な効力を伴う点が特徴です。

1.2 連帯保証人はなぜ必要なのか

賃貸物件の貸主にとって、一番のリスクは借主が家賃を支払わないことです。
家賃を滞納されてしまうと、貸主は収入を得られません。また、賃貸物件の維持・管理費用の捻出が難しくなるかもしれません。このようなリスクを回避するためにも、連帯保証人は必要不可欠です。


連帯保証人がいれば、万が一借主が支払いできない状態になったとしても、連帯保証人に支払ってもらうことができます。このような理由から連帯保証人の設定を必須としている物件は多くあります。

1.3 保証人との違い

連帯保証人と混同しやすいものに保証人がありますが、両者は異なるものです。
連帯保証人は先ほども説明しているように、賃貸物件の借主と同等の債務を負うこととなります。つまり、貸主から請求されると拒否をできないということです。


一方で、保証人は家賃滞納の支払い請求を受けたとしても拒否したり、ほかの対応方法を要求したりすることができます。例えば「借主にもう一度請求してください」や「私が支払うのではなく借主の財産を差し押さえる形で対応してください」といったことも可能です。
この点から、拒否ができない連帯保証人と比べると、大きな違いがあることがわかります。

2 賃貸物件の連帯保証人は誰に頼めばいい?

賃貸物件の連帯保証人は誰に頼めばいい?

これから賃貸物件を借りようとしている人の中には「誰に連帯保証人を頼めばいいのか?」と迷っている人もいるかもしれません。ここでは連帯保証人は誰に頼むことができるのか解説します。

2.1 連帯保証人になれる人

連帯保証人になれる人は、支払い能力を有していることです。
連帯保証人は、借主が家賃を支払えなくなったときに支払いを求められるため、一定以上の支払い能力が欠かせません。基本的には、現役で仕事をしている人であれば、収入が安定しており、支払い能力もあると考えられるため連帯保証人になれるでしょう。


また、借主と連帯保証人の関係については特にルールはありません。両親や兄弟、親戚などに依頼することはもちろん、血縁関係のない友人や知人に依頼することもできます。

2.2 親が定年を迎えてる場合や高齢の場合は?

親に連帯保証人になってもらいたくても、すでに定年を迎えている場合や高齢である場合などは「連帯保証人として認めてもらえないのでは?」と思うかもしれません。
しかし、定年していても高齢でも連帯保証人になることは可能です。


先ほども触れているように、連帯保証人になるためには支払い能力があることが条件となります。定年を迎えていても再就職をしている、高齢でも年金を受給して収入があるといった状況であれば連帯保証人として認められる可能性は十分にあるでしょう。
一方で、以下のようなケースでは親に連帯保証人になってもらえない可能性があるため注意してください。

  • 収入が賃貸物件の家賃に対して低い
  • 雇用形態が不安定
  • 家賃が高額

このような場合、再就職や年金だけは連帯保証人としての支払い能力を有していると認められないため、仕事をしている兄弟など、ほかの人を探さなければならなくなる可能性があるでしょう。

2.3 連帯保証人がいない場合は保証会社を使う

連帯保証人が見つからない場合、保証会社を使うこともできます。保証会社とは、連帯保証人としての役割を代行してくれる会社のことです。
連帯保証人を設定する場合、借主が家賃を支払えなくなると連帯保証人が代わりに支払うこととなりますが、保証会社を設定する場合、保証会社が立て替える形で支払ってくれます。


ただし、保証会社を利用するにあたっては、家賃に応じた保証料を支払わなければなりません。親がいない、兄弟がいない、友人や知人には頼みにくいなど、連帯保証人が見つからない人にとって保証会社は大きな助けとなるでしょう。
ちなみに物件によっては保証会社の利用を義務付けているケースもあります。


保証内容に関しては、保証会社によって異なるため、プラン内容をしっかりとチェックすることが大切です。例えば、家賃滞納時の家賃支払いだけでなく、原状回復費用の保証も行なっているケースもあります。


なお、物件によっては事前に利用する保証会社が決められており、自分で選べないケースもあります。そのため、保証料が高い保証会社を利用することになる可能性や、過去に家賃を滞納して支払いを代行してもらった保証会社を再び利用することになる可能性もあるでしょう。
特に後者の場合、家賃滞納をした事実を保証会社側が把握しているため、保証会社の審査に通りにくくなる恐れもあります。

3 賃貸物件の連帯保証人が負うリスク

 賃貸物件の連帯保証人が負うリスク

借主にとっては欠かせない連帯保証人ですが、連帯保証人になることでリスクを負うことになると認識しておく必要があります。ここでは、具体的にどのようなリスクを伴うのか解説します。

3.1 借主が滞納した家賃を請求される可能性がある

連帯保証人になる一番のリスクは、借主が滞納した家賃を支払うことになる可能性があることです。
家賃が高額だと、数十万円単位で請求されることもあるでしょう。支払うこととなる金額は決して安くはないため、連帯保証人を引き受ける際には、その点を考慮したうえで検討しなければなりません。


ちなみに、2020年4月の民法改正に伴い、連帯保証人が支払う金額の極度額(限度額)が賃貸借契約書に明記されることとなりました。そのため、事前に自分がどのくらいの金額を支払う可能性があるのか把握することができ、想定外の費用負担を回避できます。

3.2 物件の原状回復費用や損害賠償費用も責任範囲である

連帯保証人は、家賃だけでなく賃貸物件の原状回復費用や傷つけてしまったときの損害賠償費用なども支払わなければなりません。
例えば、借主が物件の設備を破損してしまったものの、損害賠償費用を支払えないときは連帯保証人に請求されることとなります。そのほかにも、借主が物件内でトラブルを起こしてしまい、何かしらの被害が起こると連帯保証人に負担がかかることもあるでしょう。

3.3 連帯保証人の意思では賃貸借契約を解除できない

連帯保証人は、賃貸物件の借主と同等の債務を負うこととなりますが、契約に関する決断を下すことはできません。
例えば、家賃を支払っていないからといって連帯保証人の意思で賃貸借契約を解除することは不可能です。これは、賃貸借契約はあくまでも物件の貸主と借主の意思に基づいて結ばれるものであるためです。


連帯保証人は当事者ではなくあくまでも第三者であるため、借主の同意なしに契約解除することはできません。そのため、借主が家賃滞納をしていると知っていても、契約解除ができないため、連帯保証人が支払う金額がどんどん膨れ上がる可能性があるでしょう。

4 【2020年民法改正】現在の連帯保証人制度

【2020年民法改正】現在の連帯保証人制度

2020年の民法改正に伴い、連帯保証人制度にはいくつかの変化が起こりました。具体的な変化は以下の通りです。

・連帯保証人が支払う極度額(限度額)が設定された ・借主から連帯保証人への情報開示が義務付けられた ・貸主から連帯保証人への情報開示が義務付けられた

1つめに関しては、先ほども少し触れていますが、借主が家賃を滞納するなどして連帯保証人が請求された際の支払い限度額が賃貸借契約書に明記することが義務付けられました。
極度額の明記がない契約書は無効となります。ただし、極度額に関しては明確な基準がないため、金額をいくらにでも設定できます。


しかし、極度額が高いと連帯保証人が見つからず賃貸借契約が結べない可能性があり、貸主にとってはデメリットとなるため、極端に高い金額が設定されるケースは多くないと考えられます。


2つめに関しては、賃貸物件の借主に連帯保証人へ自分の年収や貯蓄、負債といった各種財産情報の開示を義務付けたものです。
法改正が行われるまでは、情報開示義務がなかったため、年収や負債がどのくらいなのかわからず、連帯保証人にとっては大きなリスクを伴う状況でした。


情報が開示されることで連帯保証人となる人は事前に「この人の年収なら大丈夫そう」「この人は負債も抱えているからリスクがありそうだ」などしっかりと検討することができます。また、借主が事前に情報開示を怠っていた場合、連帯保証人の契約を取り消せる可能性もあります。


3つめに関しては、賃貸物件の貸主に借主に関する情報を連帯保証人へと開示することを義務付けたものです。
例えば、借主の家賃の支払い状況について連帯保証人から問い合わせがあると、貸主はそれに答えなければなりません。このような情報開示が行われることで早い段階で家賃の滞納を連帯保証人が把握でき、借主に支払いを促す、借主に資金的な援助をするといった対策ができるようになるでしょう。


もし貸主が連帯保証人への情報開示義務を果たしていないことが発覚すると、債務不履行が怒ったとしても連帯保証人に支払いを請求できない可能性があります。
法改正により、連帯保証人の負うリスクが軽減されたといえるでしょう。

5 まとめ

今回は、賃貸物件における連帯保証人制度について解説しました。
連帯保証人とは、賃貸物件の借主の債務を連帯で保証する人のことです。連帯保証人となると、家賃滞納などの債務を借主に代わって支払うこととなる可能性があります。
連帯保証人は両親や家族のほかに友人や知人に依頼することも可能です。また、支払い能力があれば、定年を迎えた人に依頼しても問題ありません。連帯保証人が見つからない場合は、保証会社を利用することもできます。

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