賃貸保証会社(家賃保証会社)とは?審査基準と費用について詳しく解説|高級マンションのケースもご案内

公開日:2022年01月26日   最終編集日:2022年06月29日

賃貸保証会社(家賃保証会社)とは?審査基準と費用について詳しく解説|高級マンションのケースもご案内
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目次

賃貸物件へ入居するときに、近年よく耳にするのが賃貸保証会社です。


ひと昔前までは、連帯保証人を立てることができない人々のための会社というネガティブなイメージがありましたが、現在ではその役割が広がり、社会的意義のある存在として認知されています。


今回は、その賃貸保証会社について分かりやすく解説すると同時に、審査基準や費用についてもお伝えします。


これから賃貸物件をお探しの方にとっては、知っておくべき重要な内容ですので、ぜひ最後までお読みください。

1. 賃貸における賃貸保証会社(家賃保証会社)とはそもそも何?

賃貸における賃貸保証会社(家賃保証会社)とはそもそも何?

賃貸保証会社は、賃貸物件の借主による家賃滞納などの金銭債務に備えて、家賃保証を行う会社です。そのため、家賃保証会社や、単に保証会社と呼ばれることもあります。


この項目では、賃貸保証会社の仕組みや連帯保証人との違い、また賃貸保証会社の利用が広く一般に普及していった背景などを解説していきます。

1.1 賃貸保証会社とは?その仕組み

一般的な賃貸物件では、契約時に賃料の支払いを担保し、その契約内容の信頼性を高めるために連帯保証人が必要です。


連帯保証人不在の契約を結んでしまうと、借主が家賃を支払わなかったときに、貸主は大きな金銭的リスクを負うことになってしまいます。


連帯保証人がいることで、そのリスクを回避し、未回収賃料が発生することを可能な限り防ぐことが可能になります。


これまでこの連帯保証人は、借主の親族などの身近な個人がなることが一般的でした。しかし、法人としてその役割と責任を引き受けるのが賃貸保証会社です。


分かりやすく説明すると、賃貸保証会社は、通常個人が引き受ける連帯保証人の代わりを務める会社と言うことができます。

1.2 連帯保証人との違い

連帯保証人と賃貸保証会社の大きな違いの一つは、既にお伝えしたように、個人か法人かということです。


賃貸保証会社は法人であるため、保証料と引き換えに借主の連帯保証人の役目と責任を引き受けます。そのため、連帯保証人と賃貸保証会社の違いは、連帯保証を引き受ける上での保証料の有無にあるとも言えます。


もう一つの大きな違いは、責任の範囲です。賃貸保証会社は、借主の金銭債務のみを保証しますが、連帯保証人はそれ以外の部分に関しても協力責任があります。


具体的には、借主が騒音問題や迷惑行為などを起こした場合に、連帯保証人は必要であれば借主に改善を促すよう協力が求められます。


これに関しては後半の「連帯保証人と保証会社の併用利用もある」の項目でも触れていますので、のちほど確認してみてください。

1.3 賃貸保証会社の利用必須が多くなった理由

近年は、賃貸保証会社の利用を必須とするケースが多くなっています。これは、賃貸保証会社のニーズが高まっている時代背景であること、そして貸主にとってメリットが多いということが主な理由です。


前者は、連帯保証人を頼める身近な人がいない、もしくはいたとしても高齢で審査基準を満たせないという連帯保証人不足の問題です。


これは、近年日本社会が直面している核家族化と高齢化という時代背景が関係していますが、賃貸保証会社が連帯保証人を引き受けてくれることで、この問題を解決することができます。


後者は、個人より法人に連帯保証人になってもらうほうが貸主としてはより安心でき、さらに自ら保証人審査などを行う手間がなくなるというメリットです。


加えて、連帯保証人をお願いできる人がおらず、本来であれば賃貸契約を結ぶに至らない人々に物件を貸す機会が増えるということも大きな要因のひとつと言えます。


これらが賃貸保証会社の利用必須が多くなってきている理由です。

1.4 賃貸保証会社の保証範囲について

賃貸保証会社の保証範囲は、会社やそのプランによって異なります。滞納した家賃に対しての保証が含まれることは一般的ですが、その他にも管理費や共益費、また更新料や原状回復費なども保証範囲に含むケースもあります。


保証範囲が広く、その内容が手厚くなるほど、保証料も高額になっていきます。保証範囲に関しては、賃貸保証会社との契約内容をよく確認し、把握することが大切です。

2. 賃貸保証会社を利用するには?審査が必要?

賃貸保証会社を利用するには?審査が必要?

既にお伝えしたように、最近は賃貸保証会社の利用を必須としている物件が増えていますが、借主は賃貸保証会社を利用するときには、当然ながら審査を受けなければなりません。


この項目では、その審査を含む賃貸保証会社を利用するときの全体の流れについて解説していきます。

2.1 保証会社申込書の記入

賃貸保証会社との契約と、賃貸物件の契約時に交わされる賃貸借契約は全く別物です。


そのため、賃貸保証会社を利用するときには、別途申し込みを行う必要があります。賃貸保証会社への申し込みは、指定された申込書によって行われます。


また、次の項目で説明する必要書類も申込書と一緒に提出することで、審査手続きが開始されますので、不備なく申込書に記入し、必要な書類をそろえることが手続きの第一歩です。

2.2 必要書類の提出

申込書と一緒に提出する主な書類は、身分証明書・在籍証明書・源泉徴収票などが挙げられます。目的は本人確認と賃料の支払い能力の有無などを審査するためです。


賃貸保証会社によっては、その他にも提出を求められる書類があることもあります。その場合は提出漏れのないようにしっかりと準備しましょう。書類の不備がある場合は、審査の手続きに進めなくなりますので、注意が必要です。

3. 保証会社利用時の費用は?

保証会社利用時の費用は?

賃貸保証会社を利用する際に知っておくべきことは、その費用や料金体系です。従来のような、身近な個人に連帯保証人を頼むケースでは必要のなかった部分ですので、相場などを含めてこの項目でよく確認していきましょう。

3.1 保証料の相場について

賃貸保証会社の利用にあたって必要な料金は、最初に契約するときの初回保証委託料(保証料)と、契約更新時の保証委託契約更新料(更新料)です。


それぞれの料金体系は、賃貸保証会社によって異なりますが、相場は初回保証委託料が賃料1カ月分の50%〜100%、保証委託契約更新料が年間1万円〜2万円程度になります。


契約期間は一般的に1年間で、年間更新という形を採用しているところが多いです。金額は目安にはなりますが、これから賃貸物件への入居を予定している方にとっては、入居にかかる初期費用の負担をある程度計算することができますので覚えておくと役立つでしょう。

3.2 賃貸保証会社は借主の方で選べる?

賃貸保証会社は、代理店経由でしか利用できないことが多く、借主が自由に賃貸保証会社を選べるケースはほとんどありません。従って、貸主や不動産会社が指定する賃貸保証会社を利用するようになることが一般的です。


理由としては、管理会社やオーナーの判断によって審査基準が異なるためです。


ただし、一つの賃貸保証会社が複数のプランを取り扱っていたり、貸主や不動産会社が複数の賃貸保証会社と代理店契約を結んでいるケースでは、貸主はその選択肢の中から選ぶことができます。

3.3 賃貸保証会社の料金は契約前に教えてもらう

賃貸保証会社を利用するときには、前述した初回保証委託料や保証委託契約更新料といった料金以外に発生する費用についてもしっかり把握する必要があります。


詳細は契約書に記載されていますが、分かりにくい場合は保証会社の担当者に直接確認すると、より安心できておすすめです。


初回保証委託料や保証委託契約更新料以外の費用は、主に家賃を滞納してしまったときに発生します。


賃貸保証会社は、借主が滞納した家賃を一時的に立て替えて貸主に支払ってくれますが、賃料の支払い義務があるのはあくまで借主であることには変わりありません。


その立て替えられた家賃は借金のような金銭債務になり、契約書に記載されている一定の利息が発生します。その他にも手数料などが発生するケースもありますので、どんな費用負担の可能性があるのかは、事前にしっかり確認するようにしましょう。


ちなみに、実際に賃料を滞納せざるを得ない状況になった場合は、できるだけ早く連絡をし、支払日の調整など、誠実な態度と対応を行うことが大切です。


一度の滞納で大きな問題に発展することはあまりありませんが、悪質なケースや繰り返される場合は、契約解除に向けた手続きを進められることもあります。

4. 保証会社は会社によって審査基準が違う?

保証会社は会社によって審査基準が違う?

賃貸保証会社を利用するときに、審査を通過できるのかどうかは気になるポイントです。賃貸保証会社によって審査基準は異なりますが、以下は共通する基本的な審査項目になります。

  • 職種
  • 収入
  • 雇用形態
  • 勤続年数
  • 年齢
  • 借主の信用情報
  • 家賃比率(収入に対する家賃の割合)
  • 物件の所在エリア

上記の中で、賃貸保証会社によって異なる判断基準を取るのが、借主の信用情報です。賃貸保証会社によって審査に利用する信用情報は異なります。


ここからは、それを分かりやすく理解するために、賃貸保証会社の種類や特徴、その審査基準などについて解説していきます。

4.1 保証会社の種類

賃貸保証会社と言われている会社は、以下の3つの種類に大別することができます。

  • 信販系保証会社
  • LICC系保証会社(協会系保証会社)
  • 独自系保証会社

4.1.1 信販系保証会社の特徴

信販系保証会社の大きな特徴は、審査にあたって信販系の信用情報を利用する点です。信販系の信用情報とは、CIC(指定信用情報機関)やJICC(日本信用情報機構)が取り扱っている情報のことを指します。


具体的には、クレジットやローンなどを利用したときの契約内容や返済・支払状況、利用残高など、個人の信用取引に関わる取引事実を客観的に表した情報です。

4.1.2 LICC系保証会社(協会系保証会社)の特徴

賃貸保証会社のなかには、LICC(一般社団法人全国賃貸保証業協会)に加盟している会社があります。LICCに加盟している賃貸保証会社の特徴は、その協会が保有する代位弁済情報(家賃情報)を審査に利用している点です。


主に、氏名や生年月日などの個人情報や、保証対象物件住所・保証開始日・入金額・代位弁済残高などの建物や保証内容に関する情報がベータベース化され共有されています。

4.1.3 独自系保証会社

独立系保証会社とは、前述した信販情報やLICC系の情報を利用することなく、独自で収集、蓄積した情報を用いて、信用審査を行う賃貸保証会社のことです。


独自性が高いのが特徴で、信販系やLICC系の審査とは異なる審査結果が出ることも少なくありません。

4.2 それぞれの審査基準

既にご説明したとおり、信販系・LICC系・独自系の3つの賃貸保証会社が参照する借主の信用情報には違いがあります。この違いによって審査の厳しさが異なり、同じ借主でも利用する賃貸保証会社が異なれば、違った審査結果となることも少なくありません。


一般的には、信販系保証会社の審査基準が最も厳しく、次いで、LICC系保証会社(協会系保証会社)・独自系保証会社という順番になります。


信販系保証会社では、幅広い範囲の過去の信用取引実績も審査するため、必然的に審査は厳しくなる傾向にあります。つまり、過去のローンやクレジットカードなどで、支払いの遅延や滞納があると審査に影響が出ます。


LICC系保証会社の場合は、加盟している賃貸保証会社間で過去の家賃滞納などの情報が共有されるため、クレジットカードやローンなどの信用取引実績に問題がなくても、家賃滞納があれば審査結果に影響が及びます。


一方、独自系保証会社は、過去の信用取引情報や他の賃貸保証会社が共有する情報を利用しないため、審査は比較的緩くなる傾向があります。


そのため、信販系やLICC系で審査が通らなかった場合でも、独自系保証会社では承認されたというケースは少なくありません。

5. 高級マンションの賃貸保証会社利用のケース

高級マンションの賃貸保証会社利用のケース

ここまでは、一般的な価格帯の賃貸物件への入居に関する賃貸保証会社の利用についてお伝えしましたが、高級賃貸マンションへの入居するケースでは、一部事情が異なる部分もあります。

5.1 信販系の保証会社利用が多い

高級賃貸マンションでも、賃貸保証会社の利用を必須とするケースは増えてきています。一般的な価格帯の賃貸物件との違いは、利用する賃貸保証会社に信販系保証会社が指定されるケースが多いことです。


高級賃貸マンションはその賃料が高額になるため、審査も厳しくせざるを得ないという背景がその理由に挙げられます。


ただし、度を越えた厳しい審査が行われるというわけではなく、あくまでその物件に見合った適切な審査が行われますので、過剰に心配する必要はないと言えるでしょう。

5.2 連帯保証人と保証会社の併用利用もある

高級賃貸マンションの場合は、賃貸保証会社の利用とは別に、連帯保証人も必要とするケースが見られます。ちなみに、これは既にお伝えしたように高級賃貸マンションだけに限ったことではなく、一般的な賃貸物件で同様に連帯保証人を求められるケースは少なからずあります。


その理由は、賃貸保証会社は借主の金銭債務に関してのみ責任を負っているのに対し、連帯保証人はそれ以外の部分に対しても一定の協力責任を負っているからです。


具体的には、騒音や迷惑行為などの借主が起こすさまざまな契約違反や住まいのトラブルへの対処などが挙げられます。そのような問題が発生した時に、連帯保証人はできる限りの協力を行い、借主に改善を促すことが求められます。


特に高級賃貸マンションにおいては、一般的な価格帯の賃貸物件よりも、質の高い環境を担保する必要があるため、そのような万が一の事態を想定し、連帯保証人を求めるケースが多くみられます。

6. まとめ

今回は賃貸保証会社についてお伝えしました。知識として知っておくと役立つだけでなく、これから賃貸物件を探す予定の方にとっては、物件探しや契約の手続きをよりスムーズに進められるようになると思います。


また、賃貸保証会社の利用は、貸主だけではなく、借主にとってもメリットがあり、万が一のときには助けにもなります。特に、家賃などの金銭に関するトラブルは、貸主との信頼関係にも悪影響を及ぼす恐れがありますので、しっかり内容を把握し、必要に応じて適切な利用をしましょう。

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