住宅ローンの団体信用生命保険(団信)とは?仕組みや種類、加入時の注意点を詳しく解説!

公開日:2023年04月26日   最終編集日:2023年05月26日

住宅ローンの団体信用生命保険(団信)とは?仕組みや種類、加入時の注意点を詳しく解説!
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目次

住宅ローンを組むにあたって、団体信用生命保険(団信)という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。団体信用生命保険(団信)は、金融機関や住宅ローンの種類によって数多くの種類があります。
今回は、団体信用生命保険(団信)の特徴や仕組み、種類について詳しく解説します。団体信用生命保険(団信)に加入するときの注意点もお伝えするので、住宅ローンを組む方は参考にしてみてください。

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1. 住宅ローン契約時に加入する団体信用生命保険(団信)とは?

住宅ローン契約時に加入する団体信用生命保険(団信)とは?

住宅ローンを契約するときに団体信用生命保険(団信)に加入しなければなりません。団体信用生命保険(団信)とは何か、その仕組みはどうなっているのかについて見ていきましょう。

1.1 団体信用生命保険(団信)とは何か

団体信用生命保険は、「団信」と呼ばれています。住宅ローンの返済期間中に債務者が亡くなったり、高度障害状態で返済するのが難しくなったときに保険金で住宅ローンの残高が完済される保険が団体信用生命保険(団信)です。


万が一、住宅ローンの債務者が返済期間中に死亡し、保険金で住宅ローンの残高を完済した場合、住宅ローンの返済はなくなります。
一般的に、民間金融機関で住宅ローンを組むときは、団体信用生命保険への加入が義務付けられているケースが多いです。

1.2 団体信用生命保険の仕組み

団体信用生命保険の仕組みは、先述の通り、住宅ローン契約者が死亡または高度障害状態になったときに、保険会社が住宅ローンを借りている金融機関へ保険金が直接支払われるものです。
団体信用生命保険の保障期間は住宅ローンの返済期間と同じであるため、団信が適用され、金融機関に保険金が支払われると契約終了となります。
注意しなければならない点は、団体信用生命保険の適用は、自動で行われるわけではないことです。団信が適用されているかどうかを確認し、自分で手続きを行う必要があります。

2. 団体信用生命保険の種類と保障内容

団体信用生命保険の種類と保障内容

団体信用生命保険の種類によって、保障内容が異なります。数多くの種類があり、特約を付ける場合、金利が上乗せされます。特約の種類によって、上乗せ金利にも差があるでしょう。
団体信用生命保険の中でも「通常の団体信用生命保険」や「3大疾病保障付き団信」、「8大疾病保障付き団信」、「全疾病特約付き団信」、「がん保障特約付き団信」の5種類についてご紹介します。

2.1 通常の団体信用生命保険

特約なしの通常の団体信用生命保険は、住宅ローンの契約者が死亡したり、高度障害の状態となったりして返済が困難な状況になった場合に保険金が支払われます。高度障害の状態は、生命保険会社が指定する所定の状態に該当するものです。

2.2 3大疾病保障付き団信

3大疾病保障付き団信は、「ガン」や「脳卒中」、「急性心筋梗塞」のいずれかを発症し、所定の状態になった場合に保険金が払われるものです。
フラット35に付帯できる「新3大疾病付機構団信」の保障内容を見ていきましょう。

3大疾病保障付き団信の保障まとめ

フラット35に「新3大疾病付機構団信」を付帯する場合、フラット35の借入金利に加え、0.24%加算されることになります。保険金の支払い条件は、商品や金融機関によって異なるので、加入前に確認することが重要です。

2.3 8大疾病保障付き団信

8大疾病保障付き団信は、3大疾病保障付き団信の「ガン」や「脳卒中」、「急性心筋梗塞」に加え、「糖尿病」や「高血圧」、「肝硬変」、「慢性膵炎」、「慢性腎不全」が含まれます。これら生活習慣病を含む8つの病気を発症し、住宅ローンの返済ができなくなったときに保険金が支払われます。
対象となる病気や条件は、3大疾病保障付き団信のときと同様に、金融機関や商品によって異なるでしょう。

2.4 全疾病特約付き団信

全疾病特約付き団信は、全ての病気や怪我の保障が付いているものです。
例えば、「ガン」や「脳卒中」、「急性心筋梗塞」の三大疾病に加え、「糖尿病」や「高血圧」、「肝硬変」、「慢性膵炎」、「慢性腎不全」の5つの疾患も含まれます。
つまり、3大疾病保障付き団信や8大疾病保障付き団信の内容が網羅されたものになります。しかし、精神障害は含まれないため、注意してください。


詳しい保障内容や条件は、金融機関によって異なるため、調べる必要がありますが、病気やケガで働けなくなった場合は、住宅ローン返済が不要になります。また、働けなくなった状態が一定期間以上継続した場合には、住宅ローンの残高は0円になる可能性もあります。
3大疾病保障付き団信や8大疾病保障付き団信との違いは、保険料の上乗せをすることなく利用できる点です。保険料を多く払うほどではないけれど保障は付けておきたいという考えの方に向いています。

2.5 がん保障特約付き団信

がん保障特約付き団信は、住宅ローンの返済期間中に、がんと診断された場合に住宅ローン残高の半分か全てが保障されるものです。消化器や内臓、呼吸器などさまざまな部分のがんが保険金の支払い対象となります。
がんと診断されたのが生まれて初めてではない場合や上皮内がんは対象外となるケースもあるので、注意してください。


がん保障特約付き団信は、住宅ローン金利への上乗せになることが多いです。
がん保障特約付き団信の上乗せ金利の例を見ていきましょう。

がん保障特約付き団信の追加金利別の保障内容

生涯でがんに罹患する確率は約2人に1人と言われています。不安な方はがん保障特約付き団信を検討してみてください。

3. 団体信用生命保険に加入する際の注意点

 団体信用生命保険に加入する際の注意点

団体信用生命保険に加入すると、住宅ローンの返済期間中に死亡したり、病気をしたりして支払えなくなったときの万が一のケースに備えられます。
しかし、全ての人が団体信用生命保険に加入できる訳ではありません。また、内容を理解していなかったために保障を受けられなかったというケースも考えられます。
団体信用生命保険に加入する際の注意点を知り、後悔しないように選びましょう。

3.1 健康状態によっては加入できないことがある

団体信用生命保険に加入するにあたって、健康状態によっては加入できないことがあります。
住宅ローンを組む場合、団体信用生命保険への加入が義務付けられているので、健康状態などで加入できなければ、住宅ローンを借りられなくなってしまいます。
糖尿病や高血圧などの持病や手術などの有無などが診査に影響します。もし、健康状態に不安をお持ちの方は、健康状態の条件が緩和された団体信用生命保険を確認してみてください。

3.2 契約内容は加入後には変更できない

契約内容は、団体信用生命保険への加入後に変更できません。団体信用生命保険への加入後に、「特約を付けておけばよかった」、「特約は必要なかったから解除したい」など後悔するケースもあるかもしれません。
団体信用生命保険は住宅ローンの返済期間中、ずっと関係してくる内容になるので、慎重に選ぶ必要があります。万が一、住宅ローンが支払えない状況になったとき、住宅を手放さなければならない状態になるケースもゼロではありません。
団体信用生命保険に加入する前に、保障内容が自分に合っているかをしっかりと確かめておきましょう。

3.3 住宅ローン借り換え時には新たな団信への加入・審査が必要

住宅ローンの借り換え時には新たな団信への加入や審査が必要です。今まで加入していた金融機関の団体信用生命保険の契約を解除して、住宅ローンの新たな借入先の金融機関で団信に加入することになります。
年齢が上がり、手術歴があったり、健康診断に問題があったりと健康状態が以前と変わっている場合、団信に加入できないケースもあります。
住宅ローンを借り換えるときは、団信も新しく加入するということを忘れないようにしましょう。

3.4 所得控除の対象外である

団信は、所得控除の対象外です。一般的な生命保険は、所得控除の対象となり、確定申告で税金が戻ってくるケースがあります。
所得控除が適用される生命保険料は、「保険金受取人が保険料の払込をする人か配偶者、親族」と決まっています。一方、団信の保険金受取人は契約者ではなく、金融機関となるので、所得控除の対象外です。

4. 団体信用生命保険の選び方の3つのポイント

団体信用生命保険の選び方の3つのポイント

団体信用生命保険には、さまざまな種類があるため、どのように選んだらよいかわからないとお困りの方も多いです。
団体信用生命保険に加入するにあたって、調べておく内容は、「保障内容」や「金利優遇の有無」、「免責事項」などが挙げられます。
団体信用生命保険の選び方の3つのポイントをご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

4.1 ①十分な保証内容か

団体信用生命保険を選ぶときは、十分な保証内容かを確認する必要があります。
先述の通り、団体信用生命保険にはさまざまな種類があり、一般的な団信だと住宅ローンの契約者が死亡、高度障害の状態のときに保証対象となりますが、それでは不十分かもしれません。
けがや病気をしてしまったときに働けない状態となり、収入が減少してしまう可能性もあるでしょう。死亡以外にも住宅ローンが支払えなくなってしまうケースがあります。


保証内容が広い団信に申し込みをしようとすると一般的に上乗せ金利を支払うことが多いですが、無料で付帯する疾病保障もあります。金融機関は、サービスを差別化するために独自の疾病保障を付けているものもあるでしょう。
例えば、「がんになると住宅ローン残高が0円になる」や「一定期間以上入院すると住宅ローン残高が0円になる」などが挙げられます。


疾病保障が基本付帯される金融機関の団信だと保険料は0円のため、付帯する疾病保障を調べることをおすすめします。
万が一の事態に陥ったときに、住宅を手放さなくても済むよう保証内容が十分かをしっかりと確かめましょう。

4.2 ②金利優遇の有無の確認

特約付きの団信に加入するにあたって、上乗せ金利が発生する代わりに住宅ローンの金利が優遇されるケースがあります。
金利優遇される団信に加入すると、保障範囲が狭い団信と同じ負担額で充実した保証内容となる場合もあるでしょう。
例えば、がんと診断されたときに、住宅ローン残高の50%が保証されるプランだと上乗せ金利なしで利用できる金融機関もあります。追加の保険料を支払わずに保障を充実させることができるものもあるので、金利優遇の有無の確認をおすすめします。

4.3 ③免責事項を確認する

団信には、免責事項が定められており、該当すると保険金が支払われない可能性があります。
例えば、「告知内容に間違いがあった場合」や「短期間で自殺した場合」、「故意で高度障害状態になった場合」などが挙げられます。契約書類の詳細を見落とさないようにしましょう。

5. まとめ

団体信用生命保険(団信)についてや仕組み、種類、注意点について解説しました。
住宅ローンを組むときは、団体信用生命保険への加入が必須のところが多いため、事前にどのような種類の団信に加入するかを決めておくようにしましょう。金融機関によっては、上乗せ金利なしで保障を充実させられるケースもあります。
一度、団信に加入すると保証内容などを変更するのは難しいため、後悔しないようにしなければなりません。自分にあった団体信用生命保険に加入できるように、保証内容はしっかりと調べるようにしましょう。

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