畳数で選ぶと失敗!?賢いエアコンの選び方。効率的な使い方も解説!
公開日:2022年07月08日 最終編集日:2022年07月08日
目次
エアコンを選ぶときに何を基準に選んだらよいか、わからない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、エアコン選びの基準やポイント、省エネエアコンについて詳しく解説します。
室内で快適に過ごすためにも、エアコン選びの参考にしてみてください。
1. エアコンを選ぶ基準とは?
エアコンを選ぶにあたって、カタログや畳数、消費電力などから選択される方も多いのではないでしょうか?
エアコンの設置目安となる畳数について正しく理解していないと、室内に適したエアコンを選択することが難しくなります。
室内に見合ったエアコンを選択するためにも、エアコンに関する正しい知識を身に付けましょう。
1.1 エアコンカタログの見方
エアコンカタログの見方をお伝えします。
エアコンカタログには、「能力」や「畳数の目安」、「消費電力」が冷暖房それぞれに分かれて記載されています。
「能力」について詳しく見ていきましょう。
エアコンカタログに記載されている「能力」とは、表に記載されている冷房もしくは暖房の標準的な時間あたりの熱量を表わしています。
実際の冷暖房能力の範囲の中間的な能力を表わすものは、定格能力と呼ばれており、6畳の暖房は2.5㎾、冷房は2.2㎾と表から理解することが可能です。
エアコンは最小運転から最大運転まで変動しながら稼働するものであるため、能力のカッコ部分には差があります。
例えば、暖房の場合は、「0.2〜4.1」と記載されており、冷房のケースでは、「0.3〜2.8」となっています。
畳数が大きくなればなるほど、能力の㎾数も大きくなる傾向にあります。
1.2 畳数表示は無断熱の家が基準になっている
エアコンカタログなどに記載されている畳数の表示は、無断熱の家が基準となっています。
畳数表示は、1964年に制定されてから変化していないため、58年も前の基準で作られていることになります。
当時は、室外の影響を受けやすい建物ばかりでしたが、現在の建物は外気の影響を受けにくい造りになっていることが多いです。
必要な冷暖房能力は、賃貸マンションか戸建て住宅かの違いだけでなく、日当たりなどの立地条件や建築物の構造によっても異なります。
畳数表示は変わっていないため、畳数表示のみを信頼してエアコンを選択すると後悔することになりかねません。
住宅の気密性能や断熱性能は大幅に向上したにも関わらず、畳数表示と必要能力の関係が見直されていない点は覚えておきましょう。
1.3 「畳数の目安」には注意!
エアコンカタログには、「畳数の目安」が記載されていますが、鵜呑みにはせず、自分で判断する必要があります。
現在住んでいる部屋が7畳の場合、「畳数の目安が6畳〜7畳」と記載のあるエアコンを選ぶ方も多いかもしれません。
先述の通り、「畳数の表示は無断熱の家が基準」となっているため、畳数表示と一致している訳ではありません。
「畳数の目安が6畳〜7畳」と記載されているからと言って、6畳〜7畳の範囲なら大丈夫という意味ではない点に気を付けてください。
エアコンの畳数が、6畳〜9畳と記載されている場合、木造の家は6畳を選択し、鉄筋の家は9畳を選択することをおすすめします。
これは、木造は密閉具合が低く、鉄筋は密閉度合いが高いなど家の構造による違いが影響しています。
古民家のような木造の建物の場合は、畳数と照らし合わせながらエアコンを検討しても問題ありませんが、新しい家の場合だとパワーが強すぎる可能性もあるでしょう。
「畳数の目安」だけで判断することは避けるようにしましょう。
1.4 「能力」は幅が大きいほど能力が高い
エアコンの能力表示の見方を解説します。
エアコンカタログには、能力の㎾数とカッコで数字が表示されていることが多いです。
例えば、暖房の場合の㎾数の下に「(0.2〜4.1)」と表示されている場合、最低数値と最高数値を表わしていることになり、その差が大きいほど能力が高いことを示しています。
エアコンを選択するときは、外気温が低い時にエアコンがどれくらいの能力を発揮できるかを表わした「低温暖房能力」の数値にも着目してみてください。
この㎾数が大きいほど外気温が低い時でも高いパワーを発揮してくれるということになります。
1.5 「消費電力」はエアコンを使う時に消費する電力
エアコンカタログでもよく見かける「消費電力」は、エアコンを使う時に消費する電力です。
例えば、暖房が稼働しているときの能力が2.5㎾の場合、540W消費することになります。
冷房が動いているときの能力が2.2㎾のケースでは、560W消費しているということです。
2500Wの暖房能力を540Wで引き出していることになり、消費電力の約4.6倍もの熱を室内にもたらすことになります。
消費電力のW数の下にカッコで記載されている数字は、最小出力運転時と最大出力運転時の消費電力数が示されています。
暖房の場合は、消費電力540Wの下に記載されている「(170〜1,245)」という数字です。
エアコンの「消費電力」と「能力」の関係性をご理解いただけたかと思われます。
2.エアコンを選ぶ際のポイント
エアコンに関する専門知識がないと、家電量販店のスタッフに相談するかエアコンカタログで確認するしかありません。
エアコンの種類が多くて、どのエアコンを選んだらよいかわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
エアコンの選び方のポイントを見ていきましょう。
2.1 畳数表示は現在の住宅には対応していない
先述の通り、エアコンの畳数は、現在の住宅に対応していません。
家電量販店の担当者に相談すると、エアコンを設置する室内の畳数相当か、それ以上のエアコンを選択するようにとアドバイスをもらった経験がある方もいることでしょう。
畳数以上のエアコンを選択すると、燃費が悪くなる可能性があります。
まるで渋滞にはまってしまった自動車と同じように全く進まないにも関わらず、エンジンがかかっている状態です。
エアコンをかけているけれど、室内温度が変わっていないということになります。
適したサイズよりも大きいエアコンを選択してしまうと、初期費用がかかり、ランニングコストもかかる悪循環になってしまうため、畳数に合ったエアコンを選択するべきです。
エアコンの畳数の選び方は、カタログの数字に惑わされないようにし、住宅の状況に合わせて適正なものを選択するようにしましょう。
2.2 家の性能に合ったエアコンを選ぶ
エアコン選びの際のポイントは、家の性能に合ったエアコンを選ぶことです。
家の性能は、「家の構造」や「建物の断熱性能」、「部屋の向き」、「窓の大きさ」が挙げられます。
「家の構造」は、木造か鉄筋コンクリート造なのかによって、選択するエアコンの容量が異なります。
家の構造によって、通気性の良さや室内と室外の気温差は違ってくるため、自分の住んでいるところの構造を確認しておきましょう。
「建物の断熱性能」は、建物によって異なります。
断熱性能の等級は1〜5まであり、数字が大きくなるほど断熱性能が高くなります。
自分の家が古くて等級が1の場合は、エアコンの畳数で選択しても問題ないでしょう。
「部屋の向き」、「窓の大きさ」によって、室内と室外の気温差が大きくなります。
季節が夏で部屋の向きが南向きや東向きの場合、午前中から日光が差し込みやすく窓が大きいほど外気の影響を受けやすいです。
エアコンの冷房が効きにくい可能性があるため、畳数相当のものだと涼しく過ごせるでしょう。
家の性能に合ったエアコンを選択するためにも、自分の家がどのような構造をしていて窓の大きさはどれくらいかを確認しておくことをおすすめします。
家の性能を確かめた上で、家電量販店のスタッフに相談すると、より適切なアドバイスを貰うことができます。
2.3 暖房の数値を目安にして選ぶ
エアコンを選ぶときは、暖房の数値を目安にすることをおすすめします。
多くのエアコンは、冷房よりも暖房の方が適用畳数が少ない傾向にあるため、エアコンの効率を考えると暖房の数値で選ぶことがポイントです。
2.4 設置する部屋によってエアコンの種類を変える
部屋によってもエアコンを使う頻度は異なります。
設置する部屋によってエアコンの種類を変えることも検討してみてください。
例えば、リビングは家族皆が集まり、滞在する時間も多い部屋だと言えます。
エアコンの使用率が高い部屋のため、素早い立ち上がりと快適な温度を一定に保つ機能を持ち合わせているエアコンが求められます。
子ども部屋や客間は、使用頻度が低い部屋と言えるため、最低限の機能を持っているエアコンが良いでしょう。
寝室も寝るときだけに利用することから使用頻度は低いですが、エアコンの稼働時に静かで健康を妨げないエアコンが向いています。
設置する部屋の使用頻度がどれくらいかを考えながら、エアコンを選択するようにしてみてください。
3. 省エネエアコンとは?
省エネエアコンとは、エネルギーを効率よく使うものであり、省エネルギーに関する情報の表示が義務付けられています。
エアコンカタログに省エネ基準達成率という表記を見かけたことがある方もいらっしゃることでしょう。
エアコンの形態や機能などによって定められた省エネ目標基準に対してどれくらい達成しているかを表わしています。
その他にも省エネエアコンの性能をどこで判断すれば良いかを詳しく解説していきます。
3.1 省エネの性能はどこで判断すればいいの?
エアコンカタログに掲載されている「AFP(通年エネルギー消費効率)」の数字が判断の目安になります。
「AFP(通年エネルギー消費効率)」は、1のエネルギーを何倍にできるかというエアコンの性能エネルギーを表わしたものです。
AFP(通年エネルギー消費効率)」の数字の値が大きいほど、エネルギー消費効率が優れている省エネエアコンになります。
3.2 省エネエアコンの魅力
エアコンは家電の中でも電気代や電気使用量が大きい傾向にあります。
最新の省エネエアコンになればなるほど、電気代や電気使用量を抑えることが可能な点が魅力的です。
エアコンに付いている機能によっては、さらに節電や節約に期待できます。
どのような機能がついていると便利かをご紹介します。
4. 付いていると便利!エアコンの機能
エアコンに付いていると便利な機能は、「人感センサー搭載機能」や「フィルター自動洗浄機能」です。
「人感センサー搭載機能」とは、部屋の中にいる人を感知し、室内の温度や湿度、風量や風向きなどを細かく制御するものです。
効率的に空調を行うことができるため、省エネに期待することができます。
「フィルター自動洗浄機能」は、自動でフィルターを掃除し、埃やゴミを除去してくれる機能です。フィルターが汚れていると、空調効果が下がり、電力消費量が上がってしまいます。
他にも、「先読み運転機能」など、エアコンの種類によって搭載されている機能が異なるため、エアコンの最新モデルを確認してみてください。
5. 効率的なエアコンの使い方
エアコンを使用する季節になると電気代が気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
効率的にエアコンを活用すると、電気代が節約できるだけでなく、快適な空間で過ごすことができます。
季節ごとの効率的なエアコンの使い方を見ていきましょう。
5.1 夏のエアコンの使い方
外から帰宅すると、室内が暑すぎて汗だくになってしまうとお困りの方も多いでしょう。
まずは、エアコンの電源を入れる前に窓を開けて室内換気を行います。
扇風機やサーキュレーターを窓に向けて活用すると、効率的に換気を行うことが可能です。
エアコンの風向きを上にして、最初は強風で部屋を冷やすようにします。
部屋が涼しくなったら、自動設定がおすすめです。
室外機の置き場所にも注意してください。
すだれや植栽で日陰を作るようにすると節電効果が高まります。
5.2 冬のエアコンの使い方
冬のエアコンの使い方は、設定温度が重要です。1度下げるだけでも節約することができます。
冬のエアコンの設定温度は、環境省では20度が推奨されています。
あたたかい空気は上の方にたまるため、エアコンの風向きは下向きにしましょう。
厚手のカーテンを設置したり断熱シートを窓に貼るなどして室内の温度を下げない工夫もおすすめです。
冬は乾燥しやすい時期のため、加湿器と併用しながらエアコンを活用するようにしてください。
5.3 電気代の計算方法
電気代の計算方法を具体例とともに解説します。
期間消費電力量×(使用時間÷1000)×電気代の単価=電気代という計算式になります。
期間消費電力量:717kWh、使用時間:1時間、電気代の単価:27円の場合の電気代の計算をしていきましょう。
717kWh×(1時間÷1000)×27=19.4円となり、期間消費電力量717kWhで1時間エアコンを稼働した場合、19.4円かかるということです。
使用しているエアコンも同じように計算してみると電気代を求めることができます。
6. まとめ
エアコン選びの基準やポイント、省エネエアコンについて解説しました。
エアコンを選ぶときには、建物の立地条件や構造などを考慮する必要があります。
家電量販店のスタッフやエアコンカタログの畳数だけで判断することなく、自分で適したエアコンを調べる必要があります。
室内に適したエアコンを効率的な使い方をすることで、環境に優しいだけでなく、節約にも繋がることでしょう。