家賃の値上げを言われたら拒否や交渉はできる?対処方法とポイント

公開日:2023年09月20日   最終編集日:2023年09月15日

家賃の値上げを言われたら拒否や交渉はできる?対処方法とポイント
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目次

賃貸不動産を借りる上での最も重要な判断材料の1つが「家賃」である人は少なくないと思います。仮に家賃が気に入って入居した物件でも家賃が増額される可能性はあります。当然ながら、家賃の増額請求は非常に困ります。人によっては生活費にも困る場合も出て来るはずです。
それでは、家賃の増額請求が来た時には大家の言う通りに増額されるのでしょうか。今回は、家賃の増額はできるのか、拒否や交渉は可能なのかについて取り上げます。

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1. そもそも家賃は簡単に増額できるのか

そもそも家賃は簡単に増額できるのか

家賃は物件を借りる段階で提示されますが、最終的に決まるのは契約書です。そして、家賃の増額通知は契約内容の一方的な変更とも見えますが、その状況であっても、大家は家賃増額が簡単にできるのでしょうか。

1.1 法的には増額が可能

結論から言うならば、家賃の増額は法的にも認められています。仮に大家から家賃増額の通知が来たとしても、違法行為とは限りません。
しかし、家賃増額が法的に認められるからと言っても、その通知に応じる義務が発生する訳ではありません。上手に対応すれば家賃増額を避けることが可能なのです。


家賃の増額を避けるためには、家賃に関しての法律がどうなっているのかを知ることが非常に大切となります。不動産に関する法律は、とにかく面倒くさいものですが、損失を避けるためにも知っておくべきです。

1.2 基本的には貸主と借主の合意が必要

賃貸不動産の家賃の増額は、基本的には貸主と借主との合意が必要です。貸主の所有物ではありますが、貸主の一存では決められないのです。
一般の商取引の場合には、売り主は自社の都合に合わせて値段を上げることが可能です。


しかし、賃貸不動産の場合はそのような商取引とは異なります。貸主が家賃の決定権の全部を握っている訳ではありません。借主にも権利は認められていて、貸主の増額通知に同意しない限り、家賃増額は成立しないのです。

1.3 合意が無くても家賃の増額請求が可能な場合

前述のように、家賃の増額には借主の合意が必要です。しかし、家賃増額請求の全部について合意を必要とすると、実質的には増額が不可能となってしまいます。不動産経営に支障が出る場合もあるでしょう。


そのため、借主の合意が無くても家賃の増額請求が可能な場合が認められています。ただし、認められるためには条件を満たすことが必要です。主な条件としては次の3点が挙げられます。


  • 物件の価値が上がり、固定資産税をはじめとする負担が増えたとき
    物件の価値が上がり、固定資産税をはじめとする負担が増えた時は合意なしでも家賃の増額請求が可能となります。
    具体例としては、物件の近くに鉄道が敷かれた場合です。便利な路線の駅ができれば、その土地の人気も上がり、価値も上昇することでしょう。その場合には不動産の価値が上がるので、固定資産税をはじめとした不動産経営の負担が増えてしまいます。場合によっては経営を破綻させかねません。
    借主の合意なしで家賃の増額請求が可能となることは経営にはプラス要因です。貸主は経営の破綻から守られるのです。

  • 周辺の同等物件と比較して家賃が安すぎる場合
    周辺の同等物件と比較して安すぎる場合も増額請求は可能です。前述のように鉄道などが物件の近くに敷かれ、利便性の高い駅ができたとしたら、その土地の人気は上がります。
    そして、その土地に新しく賃貸不動産が出来た場合には、家賃が高くなる可能性が出てきます。
    その場合には今までの家賃が、他の物件に比べて安くなる現象が起こり得ます。そのとき、大家は家賃の増額請求が可能となります。もしかすると、周辺の同等物件くらいまでは請求が来るかも知れません。

  • 物件の価格上昇や経済状況が変動した時
    物件価格が上昇したときや経済状況が変動したときも家賃の増額請求は可能です。
    例えば、インフレが進むと貨幣価値が落ちてしまい、社会全体のモノの値段が上がります。賃貸不動産の場合もこの余波を受けてしまい、支出が多くなって経営が困難になります。
    その場合は収入のアップがどうしても必要となり、家賃の増額請求が可能となるのです。

2. 家賃が値上げされるタイミングとは

家賃が値上げされるタイミングとは

家賃の値上げが持ち上がるのは契約更新のときが多いようです。法的には家賃の増額請求のタイミングは決まってはいません。そのため、貸主はいつでも家賃増額を切り出すことは可能ですが、区切りとして増額提案されることが多いです。
ただ、あくまでも法的にはタイミングが決まってはいないので、突然増額の通知が来ることもあり得ます。

3. 家賃の値上げに対して拒否・交渉はできる?

家賃の値上げに対して拒否・交渉はできる?

前述のように家賃の増額は借主と貸主の合意によって可能となります。大家から家賃の増額請求が来る条件は限られます。
しかし、経済状況の変動など、誰が見ても仕方ないと判断する状況では貸主も強気で増額請求をしてくるかも知れません。その場合、借主は拒否や交渉はできるのでしょうか。

3.1 拒否や交渉は可能

原則的には拒否や交渉は可能です。家賃増額はあくまでも合意の元に行われます。また、交渉も可能です。
例えば10%の増額を通達して来た場合、5%に交渉することも可能です。ただし、法的に守られていると言っても、大家とは長く付き合わなければいけません。相手のことも考慮し、歩み寄る姿勢も大切です。

3.2 家賃の値上げの通告を受けた時の対処法

賃貸不動産の貸主は全員が法的な知識を持っているとは限りません。「借主との合意が必要」であることを知らずに迫って来る可能性も十分にあり得ます。では、具体的にはどのような対処法があるのでしょうか。


  • 家賃値上げの理由をしっかりと聞く
    第1に挙げられることは「家賃値上げの理由をしっかりと聞く」ことです。大家としても家賃増額については理由を挙げて来るので、それが適切なものかをこちらとしても判断しなければいけません。仮に適切で無い場合には交渉に移れば良いのです。
    また、仮に貸主の言い分を聞かないで拒否だけをするならば、やはり反感を買うことになり、その後の生活にも支障を来たします。
    大家としても値上げの理由をしっかり伝えれば、話し合いに応じてくれる可能性が高くなります。まずはしっかりと理由を聞きましょう。

  • 周囲の家賃相場を調べる
    次に挙げられるのが「周辺の家賃相場を調べる」ことです。物件の家賃が周辺の家賃相場と同レベルであれば、家賃の増額幅を縮める交渉もできるかも知れません。

  • 供託する
    家賃の通告で交渉が決裂した場合、大家は現状の家賃の受け取りを拒否をされ立場が不利にもなり得ます。その場合は家賃を供託すれば、家賃を支払ったことになります。立場が危うくならないので安全です。

4. 大家さんに交渉するときのポイント

大家さんに交渉するときのポイント

賃貸契約は法的に守られなければいけません。しかし大家さんも人間です。話し方にも気をつけるべき点があるのです。ここでは、大家さんと交渉するときのポイントを挙げてみます。

4.1 根拠となる資料を見せてもらう

まずは根拠となる資料を見せてもらいましょう。例えば、周辺地域の物件との家賃の相違や、経済状況の変化などです。口頭ではなく、資料の方がいいでしょう。

4.2 感情的にならない

家賃の話となると、双方の利害関係が衝突する可能性があります。悪い場合には感情的になり過ぎてしまい、争いにもなりかねません。
仮にそのようになった場合には、家賃の交渉で優位に立ったとしても、その後の生活にも支障を来たし得ます。話を進めるに当たっては、感情的にならないように気をつけましょう。

4.3 選択肢を広げて検討する

家賃の交渉は「勝つか負けるか」のような2択に思えるかも知れませんが、結果を2択にするだけでなく、選択肢を広げて別な妥協点を探すことも十分に必要です。
例えば、家賃を上げる代わりに更新料を値引きするとか、部屋の設備をグレードアップしてもらうなど、家賃アップに釣り合う交換条件は意外とあるものです。
選択肢を広げるのも大切です。1つの答えに凝り固まらず、柔軟に対応しましょう。

5 まとめ

賃貸不動産の家賃増額通知が来た場合について取り上げました。家賃に関係するルールや対処方法もイメージできたことでしょう。
家賃交渉は決して一方的な話ではありません。家賃に関する知識が交渉においては重要です。通達が来ても冷静に対応できるよう勉強しておくと良いでしょう。

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