マンションの間取りにあるサービスルームとは?納戸や普通の部屋との違いと様々な使い方
公開日:2023年04月21日 最終編集日:2023年04月20日
目次
マンションの間取りに記載されている「サービスルーム」とは、法律上居室として認められない部屋のことです。
この記事では、サービスルームの概要やメリット・デメリットなどについて解説しています。また、サービスルームの具体的な活用方法も取り上げているため、マンションを探している人、サービスルームの活用方法を知りたい人はぜひ参考にしてください。
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1 マンションの間取りにあるサービスルームとは
マンションの間取りを見ていると、「サービスルーム」という場所があることがあります。ここでは、このサービスルームの概要について解説します。
1.1 サービスルームの定義
サービスルームとは、居室としての条件を満たしていない部屋のことです。
居室の条件は建築基準法によって定められており、採光のための窓の大きさが床面積に対して7分の1以上でなければなりません。
また、窓の大きさが床の7分の1以上であったとしても、窓の前に光を遮ってしまうものがあると居室とはならず、サービスルームとして扱われます。一見すると居室のように見える場合でも、サービスルームとなっているケースは少なくありません。
1.2 サービスルームと納戸との違いとは?
間取りを見ると、サービスルーム以外にも、納戸と呼ばれる場所もあります。サービスルームと納戸は名前が違うだけで、基本的には同じものと考えてください。
つまり納戸も法律上では居室の条件を満たしていないということです。どのような用途を想定しているかによって呼称が異なると考えられます。
サービスルームの場合、条件こそ満たしていないものの、通常の居室と同じように使用する、収納部屋にする、趣味の部屋・書斎にするなど用途はさまざまです。
一方で、納戸は物置のイメージを抱く人が多いのではないでしょうか。実際に、納戸と書かれている場合、比較的小規模スペースであるケースも少なくありません。
いずれにしても、サービスルームでも納戸でも特に大きな違いはなく、住人の好きなように使えます。間取りでSと書かれていたらサービスルームを、Nと書かれていたら納戸のことを指しています。
1.3 サービスルームと普通の部屋との違いとは?
先ほども説明しているように、サービスルームと普通の部屋(居室)の違いは、法律上の条件を満たしているかどうかです。
採光のための窓の大きさが床面積に対して7分の1以上でなければならず、窓の前を遮るものがあり、光が入ってこなければサービスルームとなります。
一方で、サービスルームと普通の部屋の間に、部屋の広さに関するルールはありません。
例えば同じ6畳でも条件次第で普通の部屋になるケースもあれば、サービスルームになるケースもあります。
なお、サービスルームは、普通の部屋と同じように見えても、電話回線やエアコン、テレビといった専用のコンセントや端子が必要になる設備を設置できないケースがあるため注意してください。
2 マンションのサービスルームのメリット
マンションにサービスルームがあることで、住人はさまざまなメリットがあります。ここでは、具体的にどういったメリットがあるのか解説します。部屋探しの最中である人はぜひ参考にしてください。
2.1 同じ部屋数の物件より家賃が安い
サービスルームはさまざまな用途がありますが、法律上では居室とはならないため、同じ部屋数の物件よりも家賃が安い傾向にあります。
例えば、1LDK+サービスルームと2LDKはどちらも部屋数は同じですが、1LDK+サービスルームの方が安くなります。少しでも家賃を抑えたい人にとってはサービスルーム付きの部屋が向いているでしょう。
2.2 日光の影響を受けにくい
サービスルームは、窓がないもしくはあったとしても光が入ってきにくい造りとなっているため、室内は日光の影響を受けにくくなっています。ギターやドラムといった音楽機材、絵画、植物など、日当たりを考慮しなければならないものを保管するのに適しているでしょう。
2.3 収納スペースなど幅広い用途で使用できる
サービスルームによっては、居室と変わらないほどの広さがあるケースもあり、収納にも活用できます。一般的なウォークインクローゼットや物入れよりも広いため、服や本をお店のように並べるといったこともできるでしょう。そのほかにも、書斎として活用する、子どもの遊び部屋として使うこともできます。
3 マンションのサービスルームのデメリット
サービスルームには、メリットの一方でデメリットもあります。ここでは具体的にどういったデメリットがあるのか解説します。メリット・デメリットの双方を理解した上でサービスルーム付きの部屋に住むのかどうか検討してください。
3.1 居室にはある設備がない場合がある
サービスルームの場合、居室についている設備がないケースがあります。
例えばエアコン用のコンセントやテレビの端子、照明器具を使うためのコンセントなどです。設計段階で居室と同じ設備をつけないように行政指導を受けているケースもあります。
どの設備がついていて、何がないのかは物件によっても異なるため、詳しくは各不動産会社や販売会社に確認するようにしましょう。
3.2 換気がしづらく湿気がたまる
マンションのサービスルームは、窓がないもしくは窓が小さいため、換気をしにくいというデメリットがあります。
換気ができないと必然的に湿気もたまりやすくなるため、カビが発生しやすいほか、埃がたまりやすいといった点に注意しなければなりません。冷暖房を使えない場合は、扇風機などを使って室内をうまく換気する必要があります。
4 マンションのサービスルームの活用方法を紹介!
マンションのサービスルームの活用方法はさまざまです。ここではどういった使い方ができるのか、活用方法の例を紹介します。実際にサービスルームを使用する際の参考にしてください。
4.1 書斎・仕事部屋として使う
サービスルームは、書斎や仕事部屋として使うことができます。
近年ではテレワークが普及したため、自宅で仕事をする人も多いのではないでしょうか。仕事自体はリビングなどでもできますが、書斎や仕事部屋を用意することで集中して仕事をすることができます。
ただし、サービスルームによってはコンセントや冷暖房設備の設置が難しい可能性もあるため、注意してください。
4.2 子供の遊び場・ゲストルームとして使う
子供の遊び場やゲストルームとしてサービスルームを活用することも可能です。
マンションにもよりますが、サービスルームの中には一般的な居室と同じくらいの広さを持つものもあります。そのような部屋であれば、子供のおもちゃを収納するだけでなく、遊ぶスペースを作ることもできるでしょう。
また、来客時には宿泊スペースとして活用することもできます。電気設備や日当たりの悪さなどのデメリットはありますが、宿泊時に寝るだけであれば、大きな問題にはならないでしょう。
4.3 収納部屋として使う
広さのあるサービスルームであれば、収納部屋としても活用できます。
例えば、衣類や家電、本を収納するといったことができるでしょう。ダウンやコート、マフラー、扇風機や暖房のような季節ものの家電や衣類は使用しない時期の収納場所に困るものです。サービスルームがあればそのようなものも簡単に収納できます。
もちろん、普段着を収納するスペースとしても活用可能です。収納部屋としてのみ使用するのであれば、多少圧迫感があっても問題ありません。大きな本棚やタンスを設置し、大容量の収納スペースを用意することもできます。
4.4 趣味部屋として使う
窓がない・小さいために光が入ってきにくいサービスルームは、何かに集中するのにぴったりな部屋です。そのため、趣味に取り組む部屋として活用することもできます。
自分が収集しているものを飾る部屋にする、プラモデルを組み立てる作業部屋にする、趣味の映画を見るためにシアタールームにするといったこともできるでしょう。
5 まとめ
今回は、マンションのサービスルームの概要、納戸や普通の部屋との違いなどについて解説しました。
サービスルームは、法律上居室として認められない部屋のことです。マンションによっては納戸と呼ぶこともあります。サービスルームによっては居室並みの広さを備えているケースもあるため、収納部屋や書斎、趣味の部屋、子供の遊び場などさまざまな活用方法が可能です。
ただし、日当たりが悪い点、湿気がたまりやすい点、コンセントや冷暖房設備が使いにくい点などには注意してください。