タワーマンションの寿命はどのくらい?何年住める?寿命を迎えたらどうなるの?
公開日:2022年10月05日 最終編集日:2022年10月04日
目次
- 1. 法定耐用年数と物理的な寿命は同じではない
- 2. マンションの寿命に影響を与える要因とは
- 3. タワーマンションと一般的なマンションの寿命は同じ?
- 4. タワーマンションは寿命を迎えたらどうなるの?
- 5. 築20年以上のヴィンテージタワーマンションを紹介
- 6. まとめ
販売が好調で都心を中心に建設が続くタワーマンションですが、その建物の高さから寿命がいつまで持つのか気になる人も少なくないでしょう。タワーマンションに限らず建築物には寿命があります。購入前に寿命を知り、どのくらいの期間住むことができるのかを把握することは重要です。
この記事ではこれからタワーマンションの購入を検討している方向けに、一般的なマンションと比較しながらその寿命を分かりやすく解説します。マンションを選ぶときの参考になりますのでぜひ最後までお読みください。
1. 法定耐用年数と物理的な寿命は同じではない
マンションなどの建築物に限らず一般的な製品などにも法定耐用年数というものがあります。ただし法定耐用年数を迎えたタイミングで物理的な寿命を迎えるわけではありません。
この最初の項目ではマンションの法定耐用年数と物理的な寿命との違いを確認していきましょう。
1.1 マンションの法定耐用年数とは
鉄筋コンクリート造マンションの法定耐用年数は47年です。しかし、これはその耐久性を年数で表しているわけではありません。法定耐用年数は減価償却費を計算する上で必要な指標であり、その資産価値を正しく算出するために法律で定められた年数のことです。
一般的には年数の経過とともに対象の資産価値は下がっていき、最終的に法律で定められた耐用年数に達すると同時にその資産価値は税務上ゼロとして扱われます。つまり法定耐用年数は「定められた年数 = マンションに住める期間」ではなく、あくまで減価償却計算に必要な指標になります。
ちなみに普通自動車の法定耐用年数は6年、パソコンは4年、一般的な金庫は20年です。このように各資産によってそれぞれ決まった法定耐用年数が定められています。
1.2 マンション寿命の考え方
マンションが寿命を迎えるときには、主に以下の3つの原因によることがほとんどです。
- 物理的な原因による寿命
- 機能的な原因による寿命
- 経済的な原因による寿命
それぞれの原因が同じ程度で同時に起こるということはほとんどありませんが、少なからず関係し合って寿命を迎えます。
1.3 物理的な寿命
物理的な寿命というのは、経年劣化によってマンションが構造上の問題を抱えたことを意味します。
具体的にはマンションの躯体である鉄筋の錆やコンクリートのひび割れなどです。これらを原因とし、建造物としての安全性が担保できなくなった時にマンションは寿命を迎えたことになります。
1.4 機能的な寿命
マンションが構造上の問題を迎える前に機能的な寿命を迎えることも少なくありません。
分かりやすい例は水道などの配管です。配管が経年劣化し使えなくなると住居としての機能が果たせません。このような機能不全を起こし、何らかの理由でそれが解消できないときには機能的寿命を迎えたことになります。
1.5 経済的な寿命
マンションを維持存続させるためには経済的に健全であるかどうかも非常に重要です。経済的に窮地に陥ってしまったマンションは住居としての安全性や機能性を保っていても存続できずに寿命を迎えることもあります。
例えば築年数の経過したマンションの場合、現在の生活様式や入居希望者の需要に対応できずに空室が多くなり、維持管理に必要な管理費や修繕費が得られず破綻するようなケースです。
具体的には上層階に行くのにエレベーターがなかったり、防犯設備が整っていないなどが挙げられます。このように不便で安全性に不安のあるマンションは不動産市場で不人気となり、買い手や借り手がつかずに結果的に財政が破綻して取り壊すしか選択肢がなくなるということがあります。
1.6 マンション寿命はメンテナンス次第で優に100年を超える
国土交通省の調査によって鉄筋コンクリート造のマンションの平均寿命は68年であることが分かっていますが、メンテナンス次第ではその寿命を100年以上にすることも可能です。特に近年のマンションは建築部材の品質や施工技術が向上していますので、もともと高い耐久性にしっかりとしたメンテナンスを加えることでその寿命はより伸ばしやすいと言えるでしょう。
配管の点検や修理、外壁の再塗装、屋上の再防水処理などメンテナンス項目は多岐に渡りますが、自動車やバイクなどと同様にこまめに点検修理を行うことで長く使用することができます。
2. マンションの寿命に影響を与える要因とは
マンションの寿命に影響を与える主な要因には以下の3つが挙げられます。
- 立地
- 耐震性能
- 管理状態
これらは物件を選ぶときに注意すべきポイントとも重なりますので、それぞれを詳しく確認していきましょう。
2.1 立地
立地はマンションの寿命に大きな影響を与えます。例えば海辺に近い場所に建っているマンションを想像すると分かりやすいでしょう。
海の近くのマンションは海風によってサビやすく、塩害による劣化が進みやすい傾向にあります。その他にも近くに高い建物があり、日当たりが悪いマンションもカビが発生しやすく傷みやすいのが特徴です。
このようにマンションの建っている場所の環境によっては寿命が短くなってしまうこともありますので、物件を選ぶときには注意する必要があります。
2.2 耐震性能
マンションの耐震性能は地震に強いというだけでなく、構造そのものの頑丈さにも関係するため、建物そのものの寿命にも大きく影響します。
建築基準法によって定められている耐震基準は最低限満たすべき地震への構造上の耐性になりますが、旧耐震基準、新耐震基準、現行耐震基準の3種類があります。
最近の耐震基準であるほど耐震性能が高くなりますので、安心して住めると同時に寿命も長い傾向にあります。その他にも免震構造や制震構造などもあり、地震に対する耐性に関しては特徴が異なります。これらに関する詳細を知りたい方は関連記事「耐震基準」「耐震等級」「耐震構造」の意味と違いについて解説!を確認してみてください。ちなみにピロティ構造と呼ばれる「1階部分が柱だけの空間で駐車場スペースなどになっている建物」は一般的に地震に弱く、過去の大きな地震で崩壊した物件も少なくありません。
ピロティ構造以外の建物でも、頻繁に起こる中・小規模の地震で建物にダメージが蓄積され、寿命に影響することは十分考えられます。地震によるダメージをできる限り軽減することができれば長寿命を期待することができますので、マンションを選ぶときにはその耐震性能もよく確認すると良いでしょう。
2.3 マンションの管理状態
先ほどマンションはメンテナンス次第で寿命が100年を超えることも可能とお伝えしましたが、マンションの管理状態はそれに大きな影響を与える要素の一つです。日々の清掃や手入れといった細かなメンテナンスはもちろん、大規模修繕も計画的に行うことができるしっかりとした財務管理体制が整っているマンションは長い寿命が期待できるでしょう。
マンションの寿命を長くするには適切な管理は不可欠です。したがってマンションを選ぶときには、管理会社や管理組合がしっかり役割を果たしているかもチェックするようにしましょう。
3. タワーマンションと一般的なマンションの寿命は同じ?
ここまではタワーマンションだけでなく、一般的なマンションにも共通する寿命についての内容をお伝えしました。この項目ではもう少し詳細な内容を補足するため、両者の寿命の違いについて解説していきます。
3.1 法定耐用年数はタワマンも一般的なマンションも同じ
タワーマンションは一般的に「地上20階建て(高さ60m)以上の超高層マンション」のことを指します。この規模のマンションは建築基準法で「超高層建築物」に分類されることから通称として「タワーマンション」と呼ばれていますが、法定耐用年数は一般的なマンションと同じ47年です。
ただ前述したように法定耐用年数は実際の寿命を表しているわけではありませんので注意しましょう。実際に一般的なマンションの寿命とタワーマンションの寿命は異なる傾向にあります。
3.2 タワマンの寿命は一般的なマンションよりも短い傾向にある
日本初のタワーマンションは1976年に埼玉県内に22階建てで建設された「与野ハウス」と言われています。与野ハウスはまだ現役ですが、そんな日本初のタワーマンションでも完成してからまだ50年も経っていません。
したがってタワーマンションの実際の寿命を知ることができるデータが揃うのは今後になりますが、一般的にタワーマンションは普通のマンションよりも寿命が短い傾向にあると言われています。
その主な原因として挙げられるのはタワーマンションの修繕費不足です。例えば寿命を伸ばすための大規模修繕に関して言えば、タワーマンションそのものの歴史が浅く事例も少ないことから正確な修繕費の算出が難しく、さらに住民からの修繕積立金や一時金の回収率の低さもあり、必要な修繕費が不足しがちであるという問題が生じています。
もし修繕費不足で工期を伸ばすと建物の劣化は進み、それにかかる費用は時間とともに高額になります。
このようなスパイラルに陥ってしまうと住民からの修繕費の徴収はより難しくなり、最終的には大規模修繕を断念せざるを得ないことが、一般的なマンションよりもタワーマンションの寿命の方が短いと言われる理由です。
4. タワーマンションは寿命を迎えたらどうなるの?
次に寿命を迎えたタワーマンションはどうなるのか、区分所有者にはどのような選択肢があるのかを解説します。
4.1 区分所有者の負担で建て替える
最初にお伝えするのは、区分所有者の負担で寿命を迎えたタワーマンションを建て替えるという選択肢です。建て替え後も慣れ親しんだ土地に住むことができますので検討する価値のある選択肢と言えます。
ただし、建て替えにかかる費用は高額になり、さらに区分所有者の8割以上の同意を得る必要があることから実際にこの方法が選択されることは稀です。
4.2 区分所有者の負担0円で建て替える
状況によっては区分所有者の負担なく建て替えが可能になるケースもあります。具体的には建て替え時に大幅に戸数を増やし、それを販売して得たお金を建て替えの費用に充てるという方法です。
この方法が上手くいけば本来は区分所有者が負担すべき費用を捻出することができますが、増やした戸数が予想どおりに売れるようなマンションに建て替える必要があります。したがって立地の良さなどはもちろん、しっかりとした販売契約や戦略などが非常に重要です。
4.3 マンションを取壊し更地にした土地を売る
寿命を迎えたマンションを取り壊して更地にし、それを売却するのも選択肢の一つです。
ただし全住民の退去が必要であること、さらに解体にかかる費用がかさんで売却益を圧迫するなど、実行に移すにはそれなりの障害があります。
4.4 デベロッパーにマンションごと売却する
最後の選択肢はデベロッパーに寿命を迎えたマンションごと売却するという方法です。
売却により得たお金は区分所有者で分け合いますが、建物そのものの価値は非常に低く、解体費用が売却金額から差し引かれるため期待するような金額で売れることは非常に稀であると言われています。
5. 築20年以上のヴィンテージタワーマンションを紹介
では最後に「築20年以上でメンテナンスがしっかり行われているヴィンテージタワーマンション」を3つ紹介します。
今後長い期間にわたって住み続けられることが期待できる優良物件ですので、ぜひマンション選びの参考にしてみてください。
5.1 元麻布ヒルズフォレストタワー
最初に紹介するのは2002年5月に完成した元麻布ヒルズフォレストタワー(東京都港区元麻布)です。
このタワーマンションは大規模ディベロッパーとして有名な森ビルのプロジェクトの一つで、フォレストタワーのほかフォレストテラスイースト、フォレストウエストの3つの建物で構成される総戸数222戸の巨大レジデンス群として知られています。
大樹をイメージした外観が圧巻で、スカイデッキやコンシェルジュサービスなど共用設備やサービスも充実し、今も人気のタワーマンションです。
- 元麻布ヒルズフォレストタワー 物件一覧
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5.2 六本木ヒルズレジデンス
次に紹介するのは六本木ヒルズレジデンス(東京都港区六本木)です。
この六本木ヒルズレジデンスも先ほどと同じ森ビルが手がけており、あの超高層オフィスビル「六本木ヒルズ森タワー」のある複合エリアの一角に位置しています。
高級タワーマンションの代表格で充実した設備とサービスを提供しているのはもちろん、生活圏内が東京の中心地という好立地な点も魅力と言えるでしょう。
仕事とプライベートをアクティブに行いたい人におすすめの日本を代表するハイクラスタワーマンションです。
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5.3 青山パークタワー
最後に紹介するのは総戸数314戸の青山パークタワー(東京都渋谷区渋谷)です。
青山パークタワーは不動産業界のリーディングカンパニーである三井不動産レジデンシャルが手がけたパークマンションシリーズの一つであり、グッドデザイン賞も受賞した資産性の高いタワーマンションになります。
完成当時から現在に至るまで表参道・渋谷エリアにある高級マンションのランドマーク的存在であり、そのハイクオリティな住まい環境で20年以上に渡って住人に高い満足感を提供し続けてきました。
都会の中心にあるにも関わらず洗練された空間を演出していること、また代々木公園や明治神宮などの緑豊かな場所へのアクセスが良いことも魅力です。
- 青山パークタワー 物件一覧
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青山パークタワーの売買・賃貸情報を豊富な写真・概要と共に詳しくご紹介。都心の住まい探しは高級不動産専門のシンシアにお任せください。青山パークタワーの所在する渋谷区のマンション相場価格と賃料の査定も承っております。
6. まとめ
今回は一般的なマンションとタワーマンションの寿命についてお伝えしました。マンションの寿命はその環境やメンテナンスによって変わります。
ぜひ今回の記事を参考にしていただき、長寿命のマンション選びに役立ててみてください。
シンシアは一般的なマンションだけでなくヴィンテージタワーマンションや高級賃貸マンションなど幅広い物件紹介が可能です。
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