個人事業主でも賃貸物件を借りられるの!?入居審査をスムーズに通るポイントを解説!

公開日:2022年09月26日   最終編集日:2022年09月26日

個人事業主でも賃貸物件を借りられるの!?入居審査をスムーズに通るポイントを解説!
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目次

賃貸物件を借りるときに「入居審査」に通るかどうか一抹の不安を覚えたことがある人は少なからずいるでしょう。せっかく気に入った物件を見つけても入居審査に通らなければ借りることはできません。
そんなちょっと気になる入居審査ですが、一般的に個人事業主の場合は審査が通りにくいと言われています。
今回はその理由を解説するとともに、スムーズに入居審査に通るためのポイントなどもあわせてお伝えします。これから部屋探しを行う個人事業主の方はぜひ確認してみてください。

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1. 個人事業主の賃貸形態について

個人事業主の賃貸形態について

個人事業主が部屋を借りるときの賃貸形態は主に以下の2つの種類があります。

  • 個人契約
  • 個人事業用契約

どちらの形態で契約するかによって審査内容や厳しさなども異なりますので、まずはこの2種類の形態や両者の違いなどを確認していきましょう。

1.1 個人契約(住居用の契約)

個人契約とは個人の名義で住居用に部屋を借りる契約のことです。部屋を貸す側(貸主・オーナー)が法人か個人かは関係なく、借りる側(借主)が個人で「自宅」としてのみ使う目的の場合はこの個人契約となります。
ちなみに似た契約形態に「個人間契約」というものがありますが、内容が違いますので混同しないように注意しましょう。
個人間契約とは貸主と借主が知人同士などの場合に用いられることが多い契約形態で、不動産会社などを介さずに賃貸契約を交わすことです。賃貸借契約書も必須ではない個人同士での契約になりますので、今回の個人契約とは異なります。

1.2 個人事業用契約(事業用の契約)

もう一つの契約形態が個人事業用契約です。個人事業用契約は、借主は先ほどの個人契約と同様に個人名義ではありますが、個人事業主が仕事場として部屋を借りる契約のことです。
分かりやすい例はオフィスとして利用することですが、その他にも雇っている従業員の住まいとして利用するケースもこれに該当します。借主が法人格であれば法人契約となりますが、借主が個人事業主であればこの「個人事業用契約」という名称になります。

1.3 個人契約と個人事業用契約の違い

個人契約と個人事業用契約の違いは、借りる部屋を自宅(住居)として使用するか事業関連で使用するかの目的の違いです。これによって契約形態が異なりますが、その他にも入居審査で確認されるポイントや賃貸契約を結ぶ上で気を付けることなどにも違いがあります。

2. 個人事業主が審査に通りにくい理由とは?

個人事業主が審査に通りにくい理由とは?

冒頭でお伝えしましたが、個人事業主は入居審査に通りづらいという傾向があります。これにはいくつか理由がありますので、一つひとつチェックしていきましょう。

2.1 オーナーが個人事業主をNGにしている

一つめの理由はオーナー(貸主)が個人事業主に部屋を貸さないと最初から決めているケースです。
オーナーは個人事業主に部屋を貸さなくても一般的な会社員に貸すなど他にも選択肢はあります。万が一、部屋を貸した個人事業主の事業が経営不振になってしまうと家賃の回収ができなくなる恐れがあるため、そのリスクを最初から避けるオーナーは少なくありません。
その他にも以下のようなことを懸念して個人事業主に貸すことを嫌がるオーナーもいます。

  • 自宅用として個人契約しているのにも関わらずオフィスとして使われる
  • 人の出入りの多さからくる防犯上の問題
  • 騒音発生による他の入居者からの苦情

もちろん全てのオーナーが同じような考えを持っている持っているわけではありませんが、個人事業主に部屋を貸すことによって生じる可能性のあるリスクを避けるオーナーが一定数いるのは事実です。
この一定数のオーナーの存在によって個人事業主は入居審査に通らない、もしくは賃貸物件を契約しづらくなっています。

2.2 個人事業を始めて2年未満

個人事業を始めて2年未満の場合は特に審査に落ちやすいため注意が必要です。
理由は収入の証明を公的に行うことが難しいからで、2年未満の場合だと前年度の所得が住民税課税証明書や住民税納税証明書などの収入を証明する書類に反映されません。したがって収入に関する証明は自己申告となってしまい信頼性が低くなります。
ただし前年の詳細な売上記録や今後の売上見込み、またいざとなった場合でも家賃を払える十分な貯蓄が証明できる場合はオーナーも検討してくれることはあります。

2.3 収入証明書の金額が実収入より少ない

個人事業主の場合は節税対策のために所得を減らす会計処理を行うことは珍しくありません。
具体的には確定申告で可能な限り経費を計上したりすることですが、そうすると収入証明書に記載される収入は実収入より少なくなってしまいます。入居審査においては収入証明書が重要視されるため、場合によっては節税のしすぎが原因で結果的に審査に落ちてしまうということもあります。
節税対策も非常に大切ですが、賃貸物件を借りる予定のある方は入居審査時に提出する収入証明書のことも考慮して節税や確定申告を行うと良いでしょう。

3. 入居審査はここを見ている!審査に通りやすいポイント

入居審査はここを見ている!審査に通りやすいポイント

個人事業主が入居審査に通るにはそれなりのハードルがあることをお伝えしましたが、入居審査にはいくつかのポイントがあります。
そのポイントを押さえることで個人事業主でも審査に通る可能性は高まりますので、この項目で確認しておきましょう。

3.1 家賃の支払い能力(収入など)

個人事業主に限ったことではありませんが、入居審査で第一に確認されている点は家賃の支払い能力です。公的な収入証明書や確定申告の控えで十分な支払い能力があると判断されれば、審査結果に大きくプラスに働きます。
支払い能力を証明する書類は公的なものほど信頼性が高まるため理想ですが、2年未満の個人事業主など、何らかの事情で公的書類を用意できない場合は以下のような書類を用意すると良いでしょう。

  • 預金の残高証明
  • 取引先との業務委託契約書

その他にも直近の入金履歴でも審査してくれることもあります。ポイントは家賃を滞納してしまうのではないかというオーナーの不安を取り除くことですので、それが達成できる可能性があるものは準備しておくと良いでしょう。

3.2 個人事業主としての事業歴

個人事業主としての事業歴も入居審査では重要になります。基本的に長く事業を継続しているほど審査には有利に働くと言えるでしょう。
事業歴が5年程度の短い期間でも、取引先が豊富で収入が安定していることを証明できたり、前職の専門性や人脈を活かして仕事が順調であることをアピールできれば審査に通る可能性は高まります。

3.3 連帯保証人の有無

万が一の家賃滞納や未払い時に個人事業主に代わって賃料の支払いをしてくれる連帯保証人の有無も入居審査ではチェックされます。もちろん連帯保証人に対しても支払い能力の有無は確認されますが、それに問題がなければオーナーも安心でき、入居させてくれる可能性は高まるでしょう。
ちなみに連帯保証人とは別に家賃保証会社の利用も求められることは多いです。家賃保証会社にも審査はありますが、その時にも連帯保証人がいると有利に働きます。

3.4 人柄や服装

人柄や服装なども入居審査に少なからず影響しますので注意しましょう。賃貸物件の契約でオーナーと直接会うことはあまりありませんが、不動産会社の営業担当者とは何度か会うことは通常です。その担当者は入居希望者の様子をオーナーに伝えますので、そこで悪い印象が伝わってしまうと審査に落ちかねません。
これは家賃の支払い能力や収入面で問題がないときでも同様で、人柄を問題視されたり、あまりに非常識な服装だと入居後にトラブルを起こす可能性があると判断されることもあります。個人事業主というよりも一人の社会人としての立場をしっかりわきまえた常識ある服装や、しっかりとした受け答えと態度でコミュニケーションを取るように心掛けましょう。

3.5 過去の滞納歴

先ほど家賃保証会社の利用を求められることが多いとお伝えしましたが、家賃保証会社が行う審査では過去の金銭的な滞納歴がチェックされます。もしクレジットカードの引き落としなどの滞納歴があり、それを問題視された場合は審査に落ちてしまう可能性が高くなりますが、家賃保証会社にも「信販系保証会社・LICC系保証会社・独自系保証会社」といった種類があり、滞納歴などを含めた入居希望者の信用情報の確認項目は会社によって異なります。


したがって、利用する保証会社によって異なる審査結果が出ることは珍しくありません。もし過去に滞納歴がある場合は不動産会社の担当者に相談するようにしましょう。滞納していた状況や滞納先を踏まえた上で、審査に通りやすい家賃保証会社のアドバイスを得られるかもしれません。
家賃保証会社について詳しく知りたい方は、関連記事「賃貸保証会社(家賃保証会社)とは?審査基準と費用について詳しく解説」で詳細を記載していますので確認してみてください。

3.6 事業用の契約で確認されていること

個人事業用契約の場合は事業規模や売上も入居審査で確認されることがあります。必要となる書類も異なり、事業の安定性や継続性に関して審査されますので個人契約よりも厳しくなることが一般的です。
ただ株式会社における資本金にあたる「元入金」の額が十分であったり、経営状況も順調で他に問題がなければそれほど審査に不安に感じる必要はありません。

4. 個人事業主が賃貸物件を借りる際に必要な書類

個人事業主が賃貸物件を借りる際に必要な書類

ここでは個人事業主が賃貸物件を借りるときに必要な書類について、「入居審査に必要な書類」と「契約時に必要な書類」を分けて解説します。

4.1 入居審査に必要な書類

まず入居審査に必要な書類は以下のようなものが一般的です。


4.1 入居審査に必要な書類


その他にも貯蓄額が分かる預金通帳や残高証明書、また連帯保証人の情報などを求められる場合がありますので、どんな書類が必要かは不動産会社の担当者に都度確認するようにしましょう。
また収入証明書は確定申告書の控えが一般的ですが、他の種類の書類を求められることもありますので、それも同様に事前に確認することをおすすめします。

4.2 契約に必要な書類

入居審査を通過したあと、実際に賃貸契約を結ぶときは以下のような書類が必要になることが一般的です。


4.2 契約に必要な書類


実際に賃貸借契約書にサインや押印をしたりしますので、印鑑も持参するようにしましょう。ちなみに個人契約でも個人事業用契約でも賃貸契約の名義は個人事業主の個人名義になります。したがって入居審査と契約時に必要な書類は会社員が契約するときと多きな違いはありません。


ただし所得を証明する書類に違いがあったり、事業計画書や売上規模が分かる書類、またWebサイトの情報なども追加で求められることがあります。
入居審査と契約時に必要な書類に関しては物件やオーナーごとに異なりますので、スムーズに審査と契約を進めるためにも必要書類は事前に確認し、求めに応じて追加できるようできるだけ早く提出するようにしましょう。

5. 賃貸物件を事務所として借りる場合の注意点

賃貸物件を事務所として借りる場合の注意点

では最後に賃貸物件を事務所として借りる場合の注意点について解説します。個人事業主が個人契約ではなく「個人事業用契約」で部屋を借りるときに知っておくべき内容ですのでぜひ確認してみてください。

5.1 住居用を無断で事業用として利用するのは絶対にNG!

まず最も気を付けるべきことは、住居用として契約した部屋を無断で事業用として利用しないということです。
契約が煩雑になるのを避けたり、事業用として契約できない可能性があるからという理由で事実を偽って住居用で契約し、実際は事業用として利用することは契約違反になります。


通用、住居用として賃貸契約を行うときには「住居用」という使用目的が明記されます。これは住居用と事業用だと消費税の扱いなどが違ってくるため、家賃収入などの規模によってはオーナーが課税事業者となるケースがあるからです。
これはオーナーの不動産賃貸事業において非常に重要で大きな迷惑をかけてしまう恐れがあります。
その他にも前述したような防犯上や騒音などの問題も理由ではありますが、いずれにしても使用目的は正直に伝えて入居申し込み、また部屋の利用を行うようにしましょう。

5.2 「住居兼事務所」として利用する場合は事務所利用が可能か確認する

個人事業主は事業規模の比較的小さいことが多いことから、自宅と事務所を兼ねて一つの部屋を借り、経済的負担を軽減させたり通勤にかかる時間を節約したいと考えている人も多いです。
そんな時に便利なのが住居兼事務所として部屋を借りることですが、この場合も勝手な判断で部屋の一部を事業用として使用するべきではありません。理由は先ほどお伝えした無断で事業用として利用しないことと同じです。


ただしこの場合はオーナーに確認すれば問題なく住居兼事務所として使わせてくれる可能性はあります。
そもそも住居としての利用がメインであれば、例え同じ部屋で事業行為を行っていても「事業用利用」とは見なされません。一般的に住民票の住まいがその場所で生活するスペースや家具があり、実際にそこで暮らしている場合は住居利用がメインと見なされます。


したがって他の入居者に迷惑を掛けたりするような行為がないと判断できれば、オーナーも住居兼事務所としての利用を許可してくれる可能性は高いです。ただ内緒でそのような使い方をし、あとからオーナーが知った場合は印象は悪くなり、最悪の場合は契約違反で退去を求められる可能性はゼロではありません。
住居兼事務所として利用したい場合は、まず偽りなくその旨を伝え、迷惑がかからないことを理解してもらうことが大切です。

5.3 敷金が高くなる可能性がある

個人事業用契約を結べる賃貸物件を探すことができた場合、その敷金には注意しましょう。
これは事業用として利用する場合、敷金が高く設定されることが少なくないからです。
業種や従業員の人数などにもよりますが、事業用利用の場合は人や物の出入りが通常よりも頻繁になることが想定されます。そうすると自然と部屋の傷み具合も大きくなりますので、それを加味して敷金は高く設定されます。
敷金は部屋を借りる時の初期費用の一部ですので、個人事業用契約で部屋探しを行う場合はある程度多めに予算を見積もっておくと良いでしょう。

5.4 部屋の使い方等の契約内容を確認する

個人事業用契約でも住居兼事務所としての利用でも、部屋の使い方に関しては契約内容をしっかり確認しておく必要があります。
非常識な利用方法はもちろん避けるべきですが、特定の使い方が禁止事項として定められていることがあるからです。
例えば調理を伴う営業行為であったり、夜間の営業、また度を超えた電気、水道の利用などが挙げられます。その他にも住所をWebサイトへ公開したり、看板を掲げたりする行為などが禁止されていることもあります。
具体的な禁止行為は物件によって異なりますので、まずは契約書をよく確認すること、また不明な点があれば契約前に不動産会社の担当者などに質問しておくことが大切です。

6. まとめ

今回は個人事業主として生計を立てている人が賃貸物件を借りるときの入居審査について解説しました。
個人事業主だからといって入居審査が通らず賃貸物件を借りることができないというわけではありません。ただ普通の会社員よりも気を付けたり知っておくべきポイントがいくつかありますので、ぜひ今回の記事を参考にしていただき部屋探しの役立ててみてください。


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