マンションを贈与する場合の名義変更の流れとかかる費用を解説!
公開日:2024年01月20日 最終編集日:2024年01月18日
目次
マンションを贈与する予定の方もいるでしょう。マンションを贈与してもらった方もいるかもしれません。マンションを贈与してもらう場合、名義変更の手続きが必要です。
今回は、マンションを贈与する場合の名義変更の流れを解説します。名義変更をするのにかかる費用もお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。
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1. マンションの名義変更とは?
マンションの名義変更は、マンションの所有者が変わったときに行う手続きです。名義変更が必要なケースは、「生前贈与」や「相続」、「不動産売買」、「財産分与」が挙げられます。マンションの名義変更や名義変更が必要なケースを詳しく見ていきましょう。
1.1 登記簿に記載があるマンションの所有者の名義を変更すること
マンションの名義変更は、登記簿に記載があるマンションの所有者の名義を変更することです。マンションを取得したら、不動産の所有者を証明するために不動産登記の手続きを行う必要があります。
マンションの名義変更の手続きは、法務省法務局で行います。不動産の所有者は、法務省法務局の登記簿で氏名や住所などの情報が管理されており、所有者に変更があった場合は名義変更が必須です。名義変更が済むと、固定資産税などの名義人も新しい所有者に変わります。
名義変更が必要な場合を詳しく見ていきましょう。
1.2 名義変更が必要な場合①生前贈与
生前贈与するときは、名義変更が必要です。生前贈与とは、生前に本人の意思で配偶者や子供などに引き渡すことです。生前贈与によって名義変更をするときの手続き方法は、不動産売買と似ています。
生前贈与を行うと、自分の意思を伝えられて、相続時のトラブルを避けられるでしょう。生前贈与は、贈与税がかかる可能性があります。贈与税とは、個人から贈与により財産を取得したときにかかる税金であり、1年間に受けた贈与の金額が110万円を超える場合は贈与税の対象です。
一定の金額までの贈与は贈与税が控除される特例があります。例えば、「相続時精算課税制度の特例」や「夫婦間の居住用不動産贈与の特例」などが挙げられます。「相続時精算課税制度の特例」とは、60歳以上の祖父母や父母から20歳以上の子供や孫に贈与する場合、2,500万円までは贈与がかからない控除です。
「夫婦間の居住用不動産贈与の特例」は、婚姻関係が20年以上ある夫婦間で居住用の不動産の贈与が2,000万円まで贈与税がかからない特例です。生前贈与を行うときは、特例を活用するようにしてください。
1.3 名義変更が必要な場合②相続
相続をするときも名義変更が必要です。相続は、突然やってきて、心の準備ができないものです。
遺産相続という形でマンションを引き継ぐ場合は、マンションの所有者がおらず、相続人が名義変更の申請を行う必要があります。マンションを相続によって取得する場合、相続人の間で遺産分割協議をして、遺産分割協議書を作成します。
遺産分割協議書は、全ての相続人が実印を押さなければならず、相続人全員が納得できるようにするのがポイントです。
相続によるマンションの名義変更に申請期限はありません。登記が面倒で放置している方もいるかもしれません。相続トラブルが複雑になる可能性もあり、早めに名義変更するのをおすすめします。
1.4 名義変更が必要な場合③ 不動産売買
不動産売買によって、所有者が変わり、名義変更が必要です。一般的に不動産売買を行うときは、仲介業者が介入します。仲介業者が司法書士の手配もしてくれるため、自分で司法書士を探す必要がありません。
不動産の費用を支払い、物件の引き渡しのときに名義変更をします。名義変更に必要なものは、住宅ローンを利用するかどうかによって変わってきます。
現金で購入する場合は、印鑑や住民票、本人確認証が必要です。住宅ローンを利用する場合は、実印や印鑑証明書を準備しなければなりません。名義変更で必要なものは仲介業者が教えてくれるでしょう。
1.5 名義変更が必要な場合④財産分与
財産分与は、名義変更が必要になります。財産分与とは、夫婦が共同生活中に築いた財産を離婚するときに分配することです。財産分与請求権は、離婚してから2年以内と決まっています。
財産分与で名義変更を行うケースは、「夫婦が共有名義でマンションを所有していた場合」や「家の所有者をAさんからBさんに変更」などが挙げられます。
マンションを購入するにあたって、住宅ローンを組む人も多いです。住宅ローンを支払い続けられる能力のある人が名義人になります。
名義変更でマンションを所有したいとお考えの方もいるかもしれませんが、住宅ローンを支払う能力がない場合は住宅ローンの借り換えができず、名義変更も不可です。
財産分与で名義変更するのに、離婚をした日付や不動産を渡す合意をした日付など離婚に関する資料が必要になるでしょう。入籍していない場合は、離婚とはならないので、財産分与にはならず、売買か贈与になります。
2. マンションの名義変更はいくらかかる?
マンションの名義変更は無料ではできません。書類を取得する費用や税金にかかる費用が必要になります。それぞれいくらかかるのかを具体的に見ていきましょう。
2.1 書類の取得費用
書類を取得するのにかかる費用は、合計で数千円です。一つの書類を取得するのに約300円から約750円かかります。
名義変更するにあたって、何の書類を準備したらよいかわからないとお困りの方もいるでしょう。法務局で名義変更するのに準備する書類は、6つです。
1. 住民票
2. 固定資産評価証明書
3. 印鑑証明書
4. 戸籍謄本
5. 除籍謄本
6. 登記簿謄本
住民票や固定資産評価証明書、印鑑証明書、戸籍謄本、除籍謄本の取得場所は、市役所で入手可能です。登記簿謄本を取得する場合は、法務局に行きましょう。
相続による名義変更なのか、財産分与による名義変更なのかなど、名義変更の理由によっても集める書類は異なり、事前に必要となる書類を確認するようにしましょう。
2.2 税金
マンションの名義変更は、税金がかかります。マンションの物件価格や名義変更の理由によっては、高額になる可能性があるでしょう。マンションの名義変更でかかる税金は4つあります。
1. 不動産取得税
2. 不動産譲渡所得税
3. 登録免許税
4. 贈与税
マンションの名義変更でかかる税金の一つ目は、「不動産取得税」です。「不動産取得税」とは、土地や建物を取得したときにかかる税金であり、不動産売買の物件取得者や生前贈与で物件を取得する人が対象です。不動産取得税の費用は、「課税標準額×税率」で計算できます。
二つ目は、「不動産譲渡所得税」です。「不動産譲渡所得税」は、マンションを譲渡したときに発生します。不動産売買の売主や財産分与で名義を渡す人が対象です。不動産譲渡所得税の金額は、「収入金額-(取得税+譲渡費用)-特別控除額」で計算します。
三つ目は、「登録免許税」です。「登録免許税」とは、登記をするのにかかる税金です。名義変更するときは、所有権移転登記が行われるため、登録免許税を納めなければなりません。登録免許税は、固定資産税評価額に一定の税率をかけて算出します。登録免許税の対象者は、不動産売買でマンションを取得する人や相続によって不動産を取得する人、生前贈与で不動産を取得する人、財産分与によって不動産を取得する人です。
四つ目は、「贈与税」になります。「贈与税」の対象者は、贈与によってマンションの所有者になる人です。「贈与税」は、先述の通り、贈与額が110万円を超える場合は、超えた費用に税金がかかり、特例が適用されるかを確認しましょう。
3. マンションの名義変更の流れ
マンションの名義変更の流れは、「生前贈与」や「相続」など名義変更のケースによって異なります。名義変更の流れを「生前贈与」と「相続」それぞれ詳しく見ていきましょう。
生前贈与の場合、名義変更に必要な書類を集めます。次に、贈与をする人と贈与される人が合意の上で契約を行います。法務局で名義変更の手続きをしたら完了です。
相続の場合は、名義変更に必要な書類を集め、相続する人を決めます。生前贈与の場合と同じく法務局で名義変更の手続きが可能です。法務局で名義変更の申請をしてから1週間から2週間で完了します。
4. まとめ
マンションを贈与する場合の名義変更の流れを解説しました。マンションを贈与する場合は、「生前贈与」や「相続」、「不動産売買」、「財産分与」のケースが考えられ、名義変更の費用も必要です。高額な税金がかかる場合もあるので、適用される控除があれば活用しましょう。