住宅ローン控除を受けるための年末調整の手続き方法と必要書類を詳しく解説!
公開日:2023年11月17日 最終編集日:2023年11月16日
目次
住宅ローン控除とは、住宅ローンを使用した場合、年末時点における住宅ローン残高の0.7%が所得税から差し引かれる制度のことです。
この記事では、住宅ローン控除の概要について解説しています。また、控除を受けるために必要な年末調整を行うにあたって必要な書類についても取り上げているため、興味のある方はぜひ参考にしてください。
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1. 住宅ローン控除とは何か
ここでは住宅ローン控除とはなんなのか、その概要について解説します。また、控除を受けるために満たしていなければならない条件についても取り上げているため、利用したいと考えている人はぜひ参考にしてください。
1.1 住宅ローン控除とは
住宅ローン控除とは、年末時点における住宅ローン残高の0.7%が所得税から差し引かれるされる制度のことです。納めた税金の一部が戻ってきます。また、戻ってくるお金が所得税だけで還付しきれなかった場合、住民税から差し引くことも可能です。
なお、住宅ローン控除は正しくは「住宅借入金等特別控除」といいます。また、「住宅ローン減税」と呼ばれることもあるため、このような名称を耳にしたときは、住宅ローン控除のことを意味していると理解してください。
住宅ローン控除は、2022年4月に改正が行われたことで、適用される期間や借入限度額が以下のようになりました。
- 控除割合:ローン残高の0.7%
- 適用期限:2025年まで
- 借入限度額(入居時期が令和4年~5年の場合):新築などであれば住宅の環境性能等に応じて、3,000万円~5,000万円、中古住宅であれば環境性能等に応じて2,000万円・3,000万円
- 控除期間:新築住宅などは原則13年、既存住宅は10年
1.2 住宅ローン控除を受けるための条件
控除を受けるためには、以下のようないくつかの条件があります。自宅が適用条件に合致しているかどうかチェックしてみてください。
- 住宅を取得してから6ヶ月以内に入居しており、なおかつ控除を受ける年の12月31日まで継続して居住している
- 納税者本人の総所得金額が3,000万円以下である
- ローンの返済期間が10年以上残っている
- 中古住宅の場合、購入物件が耐火建築物は25年以内、耐火建築物以外の物件は20年以内の建物である
上記の条件を満たしている必要があるため、利用にあたっては注意してください。
2. 住宅ローン控除の適用には年末調整が必要
控除を適用するには、年末調整を行わなければなりません。年末調整とは、源泉徴収された税額の1年間の合計金額と年税額を一致させるために行う精算手続きのことです。ここでは、年末調整について解説します。
2.1 1年目は確定申告をする
控除を受ける場合、1年目に関しては確定申告をしなければなりません。ここでいう1年目とは、居住を開始した日の翌年の2月から始まる確定申告期間に確定申告をする場合のことです。その際には、以下のような書類が必要となります。
- 確定申告書
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
- 不動産の登記簿謄本
- 不動産の売買契約書もしくは工事請負契約書
- マイナンバーカードもしくは通知カードと本人確認書類
- 源泉徴収票
2.2 2年目以降は年末調整で住宅ローン控除を受ける
1年目は確定申告を行う必要がありますが、2年目以降は年末調整で控除を受けることとなります。年末調整を行うにあたっては、以下の書類を自身の勤務先に提出してください。
- 給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書
- 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
3. 年末調整で手続きする際の手続き方法
ここでは年末調整で手続きを行う際の具体的な方法について解説します。どのような書類が必要なのか、書類はいつ送られてくるのか、どういった流れで行うのか、などについて解説しているため、ぜひ参考にしてください。
3.1 年末調整に必要な書類一覧
先ほども触れていますが、年末調整を行う場合、以下のような書類が必要となります。
- 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
- 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(残高証明書)
なお、住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書は、ローンを借り入れている金融機関から送られてきます。もし書類が届かないようであれば、一度金融機関に確認してみてください。
また、給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書に関しては、確定申告を行なった年に、税務署から送られてきます。この時、控除期間が10年の場合、2年目分以降の9枚セットでまとめて送られてきます。この書類は毎年1枚ずつ提出することとなるため、紛失しないように管理方法に注意してください。
3.2 必要書類が送られてくる時期
年末調整に必要な書類は、以下のタイミングで送られてきます。
- 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書:10月中旬から1月初旬ごろ
- 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(残高証明書):10月下旬ごろ
なお、住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(残高証明書)に関しては、ローンを借り入れている各金融機関から送付されるものであることもあり、金融機関によってタイミングが若干異なる可能性があるため注意してください。具体的なタイミングがきになる場合は、各金融機関に問い合わせることをおすすめします。
3.3 年末調整の手続きの流れ
年末調整の手続きは以下のような流れで行います。
- 「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」に必要事項を記入する
- 勤務先から渡される年末調整の書類に「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」と「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(残高証明書)」を添付して提出すれば完了
なお、「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」の記入項目に関しては、申告書の下に記載されているため、それを転記する形で行います。また、国税庁のホームページに書き方が詳しく説明されているほか、税理士や税務署に相談することも可能です。
4. まとめ
今回は、住宅ローン控除の概要について解説しました。住宅ローン控除とは、住宅ローンを使用した場合、年末時点におけるローン残高の0.7%が所得税から差し引かれる制度のことです。控除を受けるためには、年末調整を行わなければなりません。年末調整の実施に当たっては、書類を用意する必要があるため、今回の内容を参考に手続きの準備を進めてください。