抵当権とは?メリット・デメリットと抹消手続きを詳しく解説!

公開日:2023年10月31日   最終編集日:2023年10月31日

抵当権とは?メリット・デメリットと抹消手続きを詳しく解説!
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目次

抵当権とは、金融機関などの債権者が土地や建物などの不動産を担保として、優先的に弁済を受けられるようにする権利のことです。
この記事では、抵当権の概要や設定するメリット・デメリットなどについて解説しています。また、抵当権の抹消手続きの方法や手続きをしなければならない理由なども取り上げているため、ぜひ参考にしてください。

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1. 不動産の「抵当権」とは?

不動産の「抵当権」とは?

ここでは不動産における抵当権とはなんなのか解説します。抵当権という言葉を耳にしたことはあるものの、どういったものなのか理解していないといった人はぜひ参考にしてください。

1.1 抵当権とは

抵当権とは、金融機関などの債権者が土地や建物などの不動産を担保として、優先的に弁済を受けられるようにする権利のことです。
例えば、住宅ローンを利用する場合、事前に土地や建物を担保にしておくことで、ローンの返済が滞ったときにその担保物件から弁済を受けることが可能となります。


具体的には、担保に入れた物件を競売にかけて売却し、その代金をローンの返済にあてるという形です。ローンを組む際に抵当権の設定を求められるのは、このような理由からです。
ちなみに、中には抵当権を設定しない住宅ローンもあります。ただしそのような住宅ローンは借入可能額が少ないほか、融資期間も短く、金利も高いといった特徴があるため注意してください。

1.2 担保と弁済

抵当権を理解するうえで大切なのが、担保と弁済がなんなのか把握しておくことです。
担保とは、ローンの返済ができなくなったときに、返済を確保するために事前に債権者に提供しておくものです。
住宅や土地といった物的な担保のほか、保証人を用意する人的担保があります。物的な担保はそれを競売にかけることで得た代金を返済にあてます。また、人的担保はローンを契約した本人が返済できないときに本人に代わって返済することとなります。
金融機関がお金を貸し出す際には、万が一の事態を想定して担保を設定するケースが一般的です。抵当権による担保の場合そのまま使い続けることができます。


弁済とは、債務を履行し、債権を消滅させることです。例えば、住宅を購入するために住宅ローンを組んでいる場合は、このローンを返済することが弁済となります。金融機関などお金を貸した側で抵当権をつけた側のことを抵当権者と言いますが、弁済が行われない場合、抵当権者は裁判所に申し立てて担保に入れた不動産を競売にかけてお金を回収することとなります。

2. 抵当権を設定するメリット

抵当権を設定するメリット

抵当権を設定することは、以下のようなメリットをもたらしてくれます。

  • 住宅ローンを利用できる
  • 無担保のローンよりも金利を抑えられる
  • 無担保のローンよりも借りれ上限額が増える

先ほども説明しているように、お金を貸す側である金融機関は万が一の事態に備え抵当権の設定を求めます。つまり、抵当権を設定しないとローンを利用できないということです。
そのため、抵当権を設定することで高額な借り入れが可能になるというメリットがあります。ちなみに、土地や建物に抵当権を設定する住宅ローンを有担保ローンといいます。


なお、無担保でも住宅ローンを利用できるケースもあります。ただし、担保がない分返済が滞ったときに金融機関が被る被害額が大きくなる恐れがあることから、金利が高くなります。また、借り入れ上限額も限られてしまうため、住宅を購入するのに必要な金額に届かない恐れがあるでしょう。


抵当権を設定することで、これらの点は解消されます。ちなみに、借入上限額が増え、借り入れ額を増やすとなると、当然ながら返済額も増加します。ただし、抵当権を設定した住宅ローンは無担保のローンよりも長期間の返済に対応しているケースが一般的であるため、結果的に毎月の返済額を抑えることも可能です。

3. 抵当権を設定するデメリット

抵当権を設定するデメリット

メリットの一方で抵当権を設定することには、さまざまなデメリットも伴います。具体的には以下のような点です。

  • 抵当権の設定に費用がかかる
  • 差し押さえのリスクを伴う
  • 住宅を売却しにくくなる恐れがある

抵当権の設定を行うにあたっては、登録免許税や手続きを代行してくれる司法書士への報酬など各種費用がかかります。どのくらいの金額が必要になるかはそれぞれ異なりますが、10万円単位のお金が必要になることもあるでしょう。


また、ローンの返済が滞ると抵当権を設定した物件が差し押さえられ競売にかけられる恐れがあります。最悪の場合、住宅を手放すこととなるため返済が滞らないように注意しなければなりません。
そのほかにも、住宅を売却しにくくなるリスクもあります。これは住宅ローン返済を終えたにも関わらず、抵当権の抹消手続きを行っていない場合です。抹消手続きがされていないため、抵当権が残った状態となり、買い手が見つかりにくくなるというものです。

4. 根抵当権との違いとは?

抵当権と混同しやすいものに根抵当権がありますが、両者は異なるものです。根抵当権とは、融資を受ける企業が利用するものであり、限度額を決めたうえでその範囲でお金を借りられる抵当権のことです。住宅を購入する際に設定する抵当権とは、性質も用途も異なるものとなっています。


企業は一年を通して融資と返済を繰り返しながら事業活動を行います。そのような中で毎回抵当権を設定し返済を終えた後に抹消するというのは手間がかかるため、根抵当権が用いられています。

5. 抵当権の抹消するには?

 抵当権の抹消するには?

先ほども触れていますが、ローンの返済を終えた後は抵当権の抹消をしなければなりません。ここでは抵当権の抹消とはなんなのか、抹消するにはどうすればいいのか解説します。

5.1 抵当権の抹消とは

抵当権の抹消とは、その名の通り物件などに設定された抵当権が消滅したことを登記することです。「抵当権抹消登記」や「抹消登記」とも呼ばれる登記登録の1つとなっています。登記に関する手続きということもあって、申請は法務局で行います。


抵当権が残っていたとしても、すでに住宅ローンを返済しているのであれば効力はないため、住宅が差し押さえられたり競売にかけられたりすることはありません。しかし、他の人から見ると住宅ローンを返済したかどうかは分からず、抵当権が残ったままに見えてしまいます。抵当権がすでに消滅していることを明示するためにも、抵当権の抹消手続きを行わなければならないのです。

5.2 抵当権の抹消は自分で行う

抵当権の抹消は、抵当権設定者である債務者つまり住宅ローンを利用している人が行わなければなりません。抵当権の設定を求めたのが金融機関側だとしても、抹消手続きは自分で行うこととなるため注意してください。


手続きは法務局で登記簿に抹消した旨を登記することで行えます。手続きを行うにあたっては、登録免許税が発生することを覚えておいてください。税額は不動産1件あたり1,000円です。そのため、例えば土地と建物それぞれに抵当権を設定した場合、抹消するには2,000円が必要となります。


ちなみに、抹消手続きは司法書士に代行してもらうことも可能です。ただし、その場合別途費用がかかるため注意してください。手続き自体は決して難しいものではないため、自分で行ってもいいでしょう。

5.3 抵当権の抹消の手続き方法

抵当権を抹消する場合、以下の流れで手続きを行うこととなります。

  • 金融機関から送られてきた抵当権に関する書類を確認する
  • 管轄の法務局がどこなのか調べる
  • 必要書類を準備する
  • 法務局もしくは法務局のWebサイトから登記申請書を入手し、記入する
  • 法務局に行って申請する
  • 手続き完了

なお、抵当権の抹消にあたって必要となる書類は以下の通りです。

  • 弁済証書
  • 登記済証もしくは登記識別情報
  • 登記事項証明書
  • 委任状

これらの書類は、金融機関から住宅ローンの返済を終えた後に送られてきます。また、金融機関側が用意した司法書士に手続きを代行してもらうのか確認する書類も含まれているため、自分で行うのか代行してもらうのか返答するようにしてください。

6. まとめ

今回は、抵当権の概要について解説しました。抵当権とは、金融機関などの債権者が土地や建物などの不動産を担保として、優先的に弁済を受けられるようにする権利のことです。
抵当権の例としては、住宅ローンの利用が挙げられます。抵当権を設定することで、住宅ローンの借り入れが行いやすくなるほか、金利を抑えられる、借り入れ上限額を増やせるといったメリットを享受できます。また、住宅ローン返済後には、抵当権を抹消しなければならないため、手続きを忘れないようにしてください。

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