<2023年>省エネ住宅で補助金を受けるためには?「住宅省エネ2023キャンペーン」がスタート

公開日:2023年03月07日   最終編集日:2023年04月10日

<2023年>省エネ住宅で補助金を受けるためには?「住宅省エネ2023キャンペーン」がスタート
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目次

新築の住宅を注文する際や、中古物件等を購入する際は何かとお金がかかるものです。
購入を検討している方や、リフォームを考える方の中には「何かお得になる制度はないだろうか」「税金の補助を受けてお得にしたい」と考える人も多いのではないでしょうか。
住宅購入を検討している方にとって見逃せないのが省エネ住宅の普及です。省エネ住宅を取り巻く環境は昨今大きく変化をしています。
そこで本記事では「そもそも省エネ住宅って何?」「何をするとお得になるの?」という方へ向けて、解説をしていきます。本記事を読み、住宅購入やリフォームを検討している方は是非理解を深めてください。

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1.省エネ住宅とは

省エネ住宅とは

省エネ住宅とはエネルギー消費を抑えた快適な住宅を指します。住宅購入を検討する際は誰でも快適さを求めるでしょう。経済産業省資源エネルギー庁によると、以下4点を兼ね備えた住宅を省エネ住宅と定義しています。


1.快適さ
2.経済的
3.健康的
4.耐久性


経済産業省資源エネルギー庁では、省エネ住宅の実現のため断熱・日射・気密の3つの対策を柱としています。そして断熱や日射を図る明確な基準も設けられています。
そこで、以下では省エネ住宅の基準や種類、そして省エネ住宅を取り巻く世の中の動きを解説していきます。

1.1 省エネ住宅の基準

省エネ住宅の基準ですが、「住宅の省エネ基準」が存在し、その基準を上回る「低炭素建築物の認定基準」「住宅トップランナー基準」が定められています。
「住宅の省エネ基準」では、日本全国を気候に応じて8つの地域に分け、地域毎に基準値を定めています。
住宅のエネルギー性能を評価する軸としては、以下2つの軸を用いて行われます。


1.住宅の窓や外壁などの外皮性能を評価する基準
2.設備機器等の一次エネルギー消費量を評価する基準


1について、住宅の外皮性能は外皮(天井や屋根、床など熱の境界となる部分)部位の面積の合計に対し、断熱性能を示す「外皮平均熱貫流率UA」と日射遮蔽性能を示す「冷房期の平均日射熱取得率ηAC」をそれぞれ求めて算出します。
各地域区分により基準となる数値が設けられており、基準値を上回り高い値を出せる住宅は、断熱性や日射遮蔽に優れた「エネルギー効率の良い家」と言えるでしょう。


2は、家庭内設備機器のエネルギー消費量を評価している基準です。
評価対象となる住宅において、設計を踏まえて共通条件の下に設定した一次エネルギー量が、基準エネルギー量を下回ることを求められています。

1.1 省エネ住宅の基準

引用:住宅の省エネルギー基準|IBECs(一般財団法人 住宅・建築SDGs推進センター)

1.2 省エネ住宅の種類

省エネ住宅と一言に言っても、多くの種類があるのはご存知でしょうか。代表的な省エネ住宅の種類を解説していきます。

  • 性能向上認定住宅
    建築物省エネ法35条に掲げられた基準をクリアしている住宅です。対象となる建築物のエネルギー消費性能だけでなく、適切な資金計画や建築物エネルギー消費性能向上計画の適合も踏まえて決定します。

  • 低炭素住宅
    低炭素住宅は上記エネルギー性能だけでなく、節水やエネルギーマネジメントなどの取り組みを2つ以上選択することが必要です。また、資金計画の適切さだけでなく、都市の低炭素化促進の基本方針に沿ったものであることが求められます。

  • ZEH
    ZEH(ゼッチ)は「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略語です。大幅な省エネだけでなく、創エネにも力を入れて、実質的にエネルギー消費量をゼロ以下にすることが求められる住宅です。

  • LCCM
    LCCMは「ライフ・サイクル・カーボン・マイナス」住宅の略語です。建設時や運用時を含め、出来るだけCO2削減に取り組み、年間のCO2収支をマイナスにすることを求められる住宅です。

  • 認定長期優良住宅
    長期優良住宅とは、耐震性や省エネルギー性、劣化対策など複数項目における基準をクリアした住宅を指します。

1.3 省エネ住宅の義務化

建築物におけるエネルギー消費量は、国全体の3割を占めています。建築物分野における省エネ対策の強化を目指し、2022年6月に建築物省エネ法が改正されました。
2025年4月に施行が予定されているため、これにより原則全ての建築物に省エネ基準の適合が求められることとなります。

1.3 省エネ住宅の義務化

引用:国土交通省|省エネ基準適合義務化

省エネ基準への適合検査も行うこととなっており、基準を満たせない場合や必要書類を揃えられないと、着工や使用開始が遅れる可能性も示唆されています。

2.「住宅省エネ2023キャンペーン」とは

「住宅省エネ2023キャンペーン」とは

省エネ住宅について上記で触れたように、政府は建築業の省エネ化を推進しています。
なかでも、国土交通省・経済産業省・環境省の3つの機関が合同で推進している「住宅省エネ2023キャンペーン」は見逃せない支援制度の一つと言えます。
「住宅省エネ2023キャンペーン」は、住宅省エネ化推進に向けた、3つの補助事業の総称であり、対象となる補助事業は、予算の大きい順に以下の3つとなります。


* こどもエコすまい支援事業(予算1500億円、国土交通省)
* 先進的窓リノベ事業(予算1000億円、経済産業省・環境省)
* 給湯省エネ事業(予算300億円、環境省)

それぞれの補助事業の詳細について、以下に解説をしていきます。

2.1 こどもエコすまい支援事業

こどもエコすまい支援事業は、子育て世代・若者夫婦世帯による省エネ住宅の新築や、リフォームする際の省エネ化を支えるための事業となります。
補助の対象として、以下の3つのシチュエーションで条件を満たせば補助が受けられます。


①注文住宅の新築
②新築分譲住宅の購入
③リフォーム


上記のうち、新築に係る①と②については、子育て世代か若者夫婦世帯に対象者が限られるので注意しましょう。
新築に係る条件の場合、以下の要件を満たすことが必要です。


1.高い省エネ性を持つ住居であること(ZEHやそれに準ずるもの、及び令和4年10月1日以降に認定申請をした長期優良住宅・低炭素住・性能向上計画認定住宅など)
2.住宅延面積が50㎡以上(諸条件あり)
3.土砂災害防止法に基づく土砂災害特別警戒区域に立地しないもの
4.都市再生特別措置法第88条第5項の規定により、当該住宅に係る届出をした者が同条第3項の規定による勧告に従わなかった旨の公表がされていないもの


上記条件を満たし、必要な申請を行うことで1戸あたり100万円の補助が受けられます。
当然ですが上記条件を満たすことを証明する必要があるため、申請を考える際は必要書類の整理を行うことが大切です。


一方、リフォームについては世帯要件は特段ありません。ただし、対象となる世帯が子育て世代に該当する場合、補助額が引き上げられる特例が存在するので、対象となる方は是非チェックしておきましょう。
リフォームの場合、上限金額は以下のように決められています。

2.1 こどもエコすまい支援事業

引用:国土交通省|こどもエコすまい支援事業について

また、対象となるリフォーム工事は以下の内容となっています。

対象となるリフォーム工事

引用:国土交通省|こどもエコすまい支援事業について

上記それぞれに、面積や大きさに応じて補助額の上限が決まっているので、詳細をしっかりとチェックしておくことをお勧めします。

2.2先進的窓リノベ事業

先進的窓リノベ事業は、経済産業省と環境省が主体となって行っている事業です。管轄省により正式名称は違います。
事業名からもわかるように、リフォームにおける窓の断熱改修に際して、一定の条件を満たすことで補助対象となります。補助金額については、工事内容に応じて5万円から200万円と幅が設定されています。5万円に満たない工事については、対象とならないので注意しましょう。
対象となるのは以下2つの条件を満たす方です。


1.窓リノベ事業者と工事請負契約を締結し、窓のリフォーム工事を行う方
2.窓のリフォーム工事を行う物件の所有者となる方


対象物件については、建築から1年以上経過していることと、過去に人が居住していた住宅であれば、戸建やマンション等問わず対象となります。
対象となる条件は、下図の工事に該当すること及び、5万円以上の補助額となることが要件です。工事内容毎に、熱貫流率の値や面積等を踏まえて補助金額が変わってきます。

2.2先進的窓リノベ事業

引用:先進的窓リノベ事業|対象要件の詳細【補助金の交付申請】

2.3給湯省エネ事業

給湯省エネ事業は、経済産業省が主体となって行っている事業です。高効率給湯器を購入することにより補助の対象となります。
戸建・集合住宅に限らず補助の対象となると同時に、リース利用の場合でも補助金対象となります。
補助額については、導入する高効率給湯器に応じて以下の定額を補助する形となります.
尚、台数についてもそれぞれに制限があるので下記を参考にしてください

2.3給湯省エネ事業

引用:事業概要|給湯省エネ事業【公式】

3.3つの補助金事業は併用可能

3つの補助金事業は併用可能

補助金事業について、従来は基本的に国が補助を出している事業については、省庁が違うと併用が不可となることが通例でした。
しかし、今回の3つの事業は併用が可能となっている画期的な制度となっています。ただし、補助対象が重複することは出来ないこと及び、国が行っている他の補助事業との併用が出来ないことが多いのは要注意ポイントです。


また、3つ併用可能となっていますが、実際はリフォームを対象としないと3つ全て補助金併用は出来ません。
補助対象の重複については、例えば「給湯省エネ事業」と、「こどもエコすまい支援事業」は内容が被る点がありますが、給湯器購入で補助を貰えるのはどちらか一つの事業のみとなります。

4. 住宅省エネ2023キャンペーンの申請方法・申請期間

住宅省エネ2023キャンペーンの申請方法・申請期間

住宅省エネ2023キャンペーンは、申請には期間が設けられています。
まず各補助の交付申請期間は共通して2023年3月下旬〜予算上限に達するまでとなります。つまり、事業によっては早々に終了してしまう可能性もあります。
また、3つの事業の申請手続きは原則として事業者が申請を行います。

申請手続き

引用:住宅省エネ2023キャンペーン総合サイト

5. まとめ

本記事では省エネ住宅の定義から、住宅省エネ2023キャンペーンの概要・各種補助の詳細について解説をしてきました。
いずれの事業についても、具体的な条件は細かく定義されています。自身の購入する物件やリフォームの補助対象については、詳しく調べる必要があります。


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