資産価値が高いマンションとは?資産価値が「落ちる」マンションと「落ちない」マンションの違いと特徴

公開日:2022年09月16日   最終編集日:2022年09月16日

資産価値が高いマンションとは?資産価値が「落ちる」マンションと「落ちない」マンションの違いと特徴
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目次

マンションの資産価値とは、マンションが財産としてどのくらいの価値があるか評価したものです。資産価値が低いマンションは売却するときや賃貸として貸し出すときになかなか成約せずに困ってしまう恐れがあります。
この記事では、マンションの資産価値の概要や資産性の高いマンション、低いマンションの特徴、資産価値を把握するための方法などについて解説します。マンションを探している方はぜひ参考にしてください。

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1. マンションの資産価値とは?

マンションの資産価値とは?

マンションの資産価値とは、マンションを財産として見た場合どのくらいの価値を持っているのかを評価したものです。マンションの資産価値は、大きく分けて「売却価値」と「収益価値」から構成されています。
売却価値とは、マンションを購入したときの価格と比べてどのくらいの高さで売ることができるかを示すものです。また、収益価値とは、マンションを賃貸にすることでどのくらいの家賃収入が得られるかを示すものです。それぞれの要素について詳しく解説します。

1.1 売却価値

売却価値は、マンションがどのくらいの金額で売れるのかを示す指標です。
マンションは耐用年数が長いこともあり、築20年の物件でも比較的高額で売却できる可能性があります。耐用年数とは、建物の減価償却年数、つまり価格がゼロになるまでにかかる具体的な年数のことです。
耐用年数は法律によって決められており、鉄骨コンクリート造の建物であれば47年となっています。耐用年数47年であれば、仮に新築で購入して築20年の段階で売却したとしてもまだ耐用年数の半分以上が残っていることとなるため、売却できる可能性は十分にあるでしょう。


また、売却価値はマンションの立地が大きく影響します。一般的にマンションは戸建て住宅よりも条件がいい場所に建てられているケースが多く、資産性も高くなっています。
マンションを購入するときは「一生住み続ける」と考えている人もいるかもしれませんが、子どもが独立したため小さい部屋に住みたい、老後はのんびり過ごすために地方に引っ越すことにしたなど、将来的に住み替えに伴い売却する可能性は十分に考えられます。そのため、売却価値までしっかりと確認してマンションを選ぶことが大切です。

1.2 収益価値 "マンションは一戸建てよりも「収益価値」が高いと考えられる

収益価値は、マンションを賃貸に出すことで家賃収入がどのくらい得られるかを示すものです。マンションは、一戸建てと比べて収益価値が高いとされています。
実際に、住むために購入するのではなく、賃貸物件として貸し出して家賃収入を得るためにマンションを購入する人は少なくありません。特に分譲マンションを賃貸として貸し出す場合、一般的なマンションを賃貸として貸し出すよりも家賃を高額に設定できるとされています。
資産形成を目的としてマンションを持つ場合、マンションの資産価値、特に収益価値は非常に重要なものです。

1.3 マンションの資産価値の推移

マンションの資産価値は一定ではありません。新築時点から比べると10年、20年と時間が経つにつれて一般的に資産価値は低下します。
これは古い部屋よりも新しい部屋に住みたいと考える人が多く、需要と供給のバランスから資産価値が落ちるというものです。なかでも資産価値は新築〜築10年までの下落幅が最も大きいとされています。また、築20年以降は急激に価値が下がることはなくなり、落ち着いてきます。

2. マンションの資産価値が重要な理由

マンションの資産価値が重要な理由

マンションの資産価値はさまざまな理由から重要なものだといえます。マンションを購入したときには想定していなかったことが起こる可能性もあるでしょう。ここでは、なぜマンションの資産価値まで確認することが大切なのか解説します。

2.1 ライフスタイルの変化による売却や住み替え

マンションを購入する段階では、「一生この部屋に住み続ける」と考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、その思いがずっと続くとは限りません。
例えば、子どもが独立して夫婦二人暮らしになると部屋が広すぎるため引っ越したいと考える可能性があるでしょう。また、転職することになり引っ越しが必要になるケースも考えられます。


こういったライフスタイルの変化によって住み替えや売却を選択する可能性はゼロではありません。いざ購入したマンションを手放すとなったとき、資産価値がないためになかなか売却できないといった事態に陥ると次のスタートをきることもできなくなります。
購入段階ではどうしても購入価格や設備、間取りなどに目がいってしまいますが、売却する可能性まで見据えておくことが大切です。

2.2 転勤や介護などにより一時的に賃貸にだす

マンションは、自身が住むだけでなく賃貸に出すことで家賃収入を得ることも可能です。
例えば、海外赴任によって一時的に部屋を離れる、親の介護のためにしばらく実家に戻るといったときなどが考えられます。
いざというときに賃貸に出せるようにするためにも、資産価値は非常に重要なものです。資産価値の低いマンションだと、賃貸に出してもなかなか貸出先が見つからない可能性があります。

2.3 自宅を担保にお金を借りる

近年では、家を担保にしてお金を借りるケースも少なくありません。購入段階では「家を担保に出すなんて考えてない」という人でも、急に資金が必要になる可能性があります。
また、家を担保にして老後資金を借りる人もいます。老後はできるだけ子どもの世話になりたくない、迷惑をかけたくないと考える人にとって家を担保にお金を借りることは現実的な選択となるでしょう。
お金を借りる場合、資産価値によって借りられる金額に違いが出て来る可能性があります。将来に備えるためにも、購入するときは資産価値をしっかりとチェックする必要があるでしょう。

2.4 相続税対策になる

マンションを持つことは相続税対策にもなります。相続税は、相続税評価額が増えると税率が高くなる累進課税の税金です。
相続税評価額とは、土地であれば路線価を、建物であれば固定資産評価基準に基づいて自治体が決める固定資産税評価額をベースとして算出されるものです。
なぜ、マンションを持つことが相続税対策になるのかと言うと、建物や土地は現金に比べて相続税評価額が低いためです。現金で1億円を相続すると、1億円がそのまま相続税評価額となりますが、マンションなどの不動産の形で1億円の資産を相続すると相続税評価額が5000万円以下になることもあります。

2.5 相続後の処分に困らない・迷惑をかけない

資産価値が高いマンションは、比較的売却しやすいため、将来相続したときでも処分に困りません。もし資産価値が低くなかなか売却できないとなると、さまざまな不利益を被ることとなります。
例えば、土地に対しては固定資産税がかかります。また、マンションの場合修繕積立金の支払いが必要となるため、所有している限り支払わなければなりません。


時間が経過するにつれてどんどん売却が難しくなるため、資産価値が低くてなかなか売却できない→時間が経過する→さらに売却できなくなるといった悪循環に陥る可能性もあるでしょう。
自分が生きている間にマンションを売却しなくても、子どもが売却する可能性はあります。売却するときのことを考慮して資産性の高いマンションを選ぶことが大切です。

3. 資産価値が「高い」「上がる」「落ちない」マンションの特徴とは

 資産価値が「高い」「上がる」「落ちない」マンションの特徴とは

資産価値が高いマンション、上がるマンション、なかなか落ちないマンションには共通した特徴があります。
ここでは、資産性が高いマンションの特徴について解説します。これからマンションを購入しようとしている人はぜひ参考にしてください。

3.1 住みたい人が多い人気のエリア "治安の良さ、交通利便、人口が多い

「住みたい街ランキング」などに掲載されるような人気のエリアにあるマンションは資産性が高いといえます。
不動産の価格は基本的に需要と供給のバランスによって決まります。つまり、多くの人が憧れる人気のエリアは需要が高いため、資産価値もなかなか落ちません。また、同じ理由からターミナル駅で交通の利便性に優れているエリアも資産価値が高くなっています。

3.2 最寄り駅からの距離が近い

最寄駅からの距離が近いマンションは、資産価値が高くなります。特に都心の場合は、日常生活で鉄道を利用する機会が多いこともあり、駅から徒歩圏内の物件に対する需要は高くなっています。特に、徒歩1分で駅にアクセスできる物件は、資産価値が落ちることはほとんどありません。そのような物件であれば、将来売却するとしても買い手がすぐに見つかるでしょう。


ちなみに、生活スタイルによっては駅を利用しないケースやバスを利用するケースもありますが、資産価値を考慮するのであれば、最寄り駅から遠くなることはリスクとなります。そのため、自分が駅を利用するかどうかに関係なく、購入するときは最寄り駅からの距離もチェックしておくことをおすすめします。

3.3 利便性が良く充実した周辺環境

一般的に、マンションの周辺環境が充実していて、利便性が高いと資産価値は高くなります。例えば周囲に保育施設や学校、遊ぶための公園があるマンションは子どもがいる世帯からの人気が高いでしょう。また、世代に関係なくスーパーやコンビニ、ドラッグストアなどがあり買い物がしやすいマンションも資産価値は高くなります。
一方で、パチンコ店やナイトクラブなどの遊び場、工場など稼働音が気になる施設があるエリアは資産価値が低くなる可能性があるでしょう。

3.4 需要の高い間取り

間取りも資産価値に影響を与える要素です。いくら立地面で好条件の物件でも、間取りが使いにくいと資産価値が下がる可能性があります。例えば、ファミリー世帯が多いエリアであれば、3LDKや4LDKなど比較的広い間取りの需要が高くなります。一方で、コンパクトマンションが多いエリアであれば、1Kや1LDKなど1人暮らし向けの間取りのマンションが人気です。
まずは自分にとってすみやすい間取りの部屋を選ぶことが大切ですが、余裕があれば周囲に住んでいる人を踏まえてどのような間取りの需要が高いのか考えておくといいでしょう。

3.5 高層階や人気の方角など眺望や日当たりが良い

高層マンションで眺望がいい部屋、南向きで陽当たりがいい部屋なども資産価値が高いといえます。
方角に関しては、日当たりの面から一般的に南→東→西→北の順番で人気があります。人気の高い南向きの部屋と北向きの部屋では、資産価値に10%程度の差が出るともいわれるほどです。さらに高層階の部屋であれば、周囲に眺めを遮るものがなく、日当たりもいいため住んでみたいと考える人は少なくありません。

3.6 マンションの管理体制が良好

管理が適切に行われており、築年数が経過していても綺麗なマンションは資産価値を維持しやすくなります。マンションは時間の経過とともに劣化するものであるため、メンテナンスが適切に行われていないと汚れが目立ったり、故障箇所が多くなったりします。
資産価値が高いマンションは、定期的に清掃が行われている、故障箇所はすぐに修繕してくれるといったケースがほとんどです。
これからマンションを購入する人は、マンションの清掃具合、外壁の汚れや日々、設備の破損などをチェックし、管理体制も把握するようにしましょう。

3.7 希少性がある "角部屋、最上階など

同じマンションでも希少性のある部屋であればさらに資産価値が高くなります。例えば角部屋は一つのマンションで数が限られていることに加え、2面採光となるため人気が高く資産価値も維持しやすいでしょう。また、最上階の部屋はそのマンションの中で最も眺めがいい部屋となるため、希少性があり人気も高くなります。

3.8 ブランドマンション

マンションにもブランドがあり、一般的に「ブランドマンション」と呼ばれるマンションは資産価値が高いとされています。新築時の売主が以下の不動産会社であれば、ブランドマンションとなります。

  • 住友不動産
  • 大京
  • 東急不動産
  • 東京建物
  • 野村不動産
  • 三井不動産レジデンシャル
  • 三菱地所レジデンス

上記の7社は「メジャーセブン」と呼ばれ強いブランド力を持っており、値崩れも起こしにくいとされています。
ちなみに、マンションを購入する人のなかには、ブランド力を重視している人もいるだけで、上記以外の不動産会社が販売するマンションが悪いわけではありません。

4. 資産価値が「低い」「下がる」「落ちる」マンションの特徴とは

資産価値が「低い」「下がる」「落ちる」マンションの特徴とは

資産価値が高いマンションに共通点があるように、資産価値が低いマンション、下がるマンションにも共通点があります。
一般的に、都心にあるマンションは、以下のような点から需要が高く資産価値も維持しやすいとされています。


・都心に引っ越して来る人が多い
・投資対象として不動産を購入する人が多い
・相続税対策にマンションを購入するケースもある


上記のような理由から、都心のマンションは資産価値が落ちにくく、比較的高額で売却できる可能性が高くなります。
一方で郊外のマンションは、郊外の人口が減少していることから都心のマンションと比べると資産価値が低くなっています。駅前のマンションなど一部の利便性の高いマンションを除くと資産価値はさらに低下する恐れもあるでしょう。
将来の売却まで考慮してマンションを選ぶのであれば、できるだけ都心に近いマンションがおすすめです。

5. マンションの資産価値を調べる方法

マンションの資産価値を調べる方法

マンションの資産価値はさまざまな方法で調べることができます。ここでは具体的な調べ方について解説します。
マンションを購入したいものの、資産価値がいまいちわからないといった人は参考にしてください。

5.1 類似性の高いマンションの取引情報を調べる

すでに希望するマンションがある場合は、そのマンションに似ているマンションの価格を調べることで資産価値をある程度把握することができます。
具体的には、フルリフォームを行っている売主業者の販売価格をチェックしてください。これは、売主が業者であるため、利益を得るためにも販売価格より大幅に値段を下げて販売する可能性は低いと考えられるためです。
例えば、フルリフォームを行う売主業者のホームページから2980万円の物件が消えた場合、以下のように考えて資産価値を推定します。


・割引を受けていると考える
・フルリフォーム費用を差し引く


割引額が80万円、フルリフォーム費用が700万円であれば、これらを差し引いた2200万円がマンションの資産価値と推定できます。割引額の80万円とフルリフォーム費用700万円はあくまでも想定ですが、大きなブレは生じにくい金額だといえるでしょう。

5.2 土地総合情報システム(国土交通省)

国土交通省が提供している「土地総合情報システム」でも資産価値を把握することができます。このシステムでは都道府県地価調査の価格をはじめとした各種不動産取引の情報を調べられます。四半期単位で過去の取引データを確認することも可能です。
物件単位でエリアや築年数、広さなどの項目が記載されているため、購入を検討している物件に似た条件の物件を調べることである程度の資産価値を把握することもできるでしょう。

5.3 不動産ポータルサイト(不動産会社)

不動産会社が運営しているポータルサイトを通しても資産価値を把握することができます。物件探しのときにポータルサイトを使用する人は多いかもしれませんが、サイトによっては相場把握に活用できるさまざまな機能を備えているものもあります。
例えば、サイトによっては市区町村や駅など対象エリアを絞り込んだうえでマンションの価格相場を調べることが可能です。また、不動産ポータルサイトは、販売中の物件も多数掲載しているため、似たような条件の物件も簡単に探すことができます。
ポータルサイトはパソコンやスマートフォンがあれば簡単に調べられるため、手っ取り早く大まかな相場を把握したいといったときにおすすめです。

5.4 不動産一括査定サイト(不動産会社)

不動産会社によっては、一括査定サービスを提供しているケースもあります。一括査定サイトでは、全国の不動産会社からまとめて査定を依頼することができます。査定自体は無料でできるものであり、複数の会社が行うため、相場をある程度把握することができるでしょう。

6. まとめ

今回は、マンションの資産価値について解説しました。マンションを購入するときは終の住処として考えていても、さまざまな理由からマンションを手放すこととになる可能性があります。そのようなときに備えて、資産価値を考慮してマンションを選ぶことが大切です。立地や周辺環境、間取り、部屋の向き、管理体制など、さまざまな要素が資産価値に影響を与えます。資産価値が低いマンションだと、将来売却できずに困ってしまう恐れもあるでしょう。
今回の内容を参考に、資産価値を踏まえたマンション選びを行ってください。

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