災害リスクの高いマンションとは?物件選びで後悔しないためにハザードマップを活用しよう!

公開日:2022年06月16日   最終編集日:2022年06月28日

災害リスクの高いマンションとは?物件選びで後悔しないためにハザードマップを活用しよう!
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目次

日本は災害が多い国であるため、防災を意識して住むところを選択する必要があります。
マンションの立地条件によっては、命に関わる可能性もあるでしょう。

万が一、災害が発生したときに、避難場所がわからないという事態に陥らないよう、日頃から対策を施しておくべきです。

今回は、災害リスクの高いマンションの特徴やハザードマップについて詳しく解説します。

1.ハザードマップとは?

ハザードマップとは?
引用:https://www.city.shibuya.tokyo.jp/anzen/bosai/bosai_manual_map/kozui_map.html




ハザードマップは、災害が発生する可能性のある地域や避難場所を色や記号を用いて表わした地図です。

ハザードマップを見ると自分の住んでいる地域は、どのような災害に気を付けるべきかを知ることができます。
事前に災害リスクに関する知識を身に付けておくと、避難する事態になったときでも焦らずに済むでしょう。


これからマンションを探す方は、災害が起こりやすい地域を避けるためにも、希望する物件がどの位置にあるか、ハザードマップで調べておくことをおすすめします。

すでに、マンションを購入された方は、発生率の高い災害に備えて、防災グッズを揃えたり、避難経路を確認したりするなどの対処が必要です。


災害に備えるために役立つハザードマップですが、種類があるのはご存知でしょうか?
ハザードマップの中でも災害の種類ごとに分かれています。
ハザードマップにはどのような種類があるかを詳しくお伝えします。

2.ハザードマップの種類

ハザードマップの種類
ハザードマップの種類には、「洪水」や「土砂災害」、「高潮」、「津波」、「地震」などがあります。

マンションに住むときに、「土砂災害」の地域に該当しているかどうかしか確認していなかったという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ハザードマップを確認するときは、あらゆる災害から身を守るために、災害の種類ごとに確かめておかなくてはなりません。

それぞれどのような特徴があるのかを具体的に見ていきましょう。

2.1 洪水ハザードマップ

洪水ハザードマップとは、水害に関する災害に関して記されているマップです。

水害には、洪水と内水氾濫があります。

洪水とは、台風など大雨の影響により河川の水かさが増し、堤防の浸食や決壊が発生する災害です。
堤防が決壊するなどして、一気に河川の水が流れ出すと、逃げ遅れた人たちが犠牲になる可能性があるため、大変危険です。


一方、内水氾濫とは、大雨が降ったときに、雨水の量が下水や排水路の雨水の処理能力を超えることにより、水が街中に溢れてしまう災害です。
雨水の処理ができなくなったことにより、本来は、河川や海に流れ出るはずの水がスムーズに行われず、内水氾濫が発生します。
内水氾濫が発生すると、マンションの機能が停止する恐れがあり、エレベーターが停止したり、下水が溢れてしまう事例もあります。
マンションの資産価値も低下してしまう可能性もあることから、水害は洪水だけでなく、内部氾濫にも注意しましょう。

2.2 土砂災害ハザードマップ

山が多い日本では、大雨の日が続くと、がけ崩れや土石流、地すべりなどの土砂災害が発生する恐れがあります。

土砂災害ハザードマップは、土砂災害が発生する可能性のある地域を知ることができます。

土砂災害は、一瞬にして家や財産、人の命を奪う危険性があるため、ハザードマップで「特別警戒区域」に指定されている物件は避けるようにしましょう。


マンションの高層階だから関係ないとお考えの方もいますが、通勤や通学時に土砂災害が発生しないとは限りません。
まだ、マンションを探している段階であれば、土砂災害が発生しないところを選択してください。

すでにお住まいの方は、崩れる危険性の高い斜面でないかどうかを確認し、被害に遭わないよう早期避難するなど検討し、身の安全を確保しましょう。

2.3 高潮ハザードマップ

高潮ハザードマップは、高潮により浸水が想定される範囲と浸水程度を示したものです。
高潮とは、発達した低気圧や台風などにより、うねりや高波が発生し、海面の高さが普段よりも高くなる現象のことです。


高潮ハザードマップは、高潮の影響を受ける沿岸部の地域しか公表されていないこともあり、日本全国が対象というわけではありません。

沿岸部にお住まいの方は、高潮ハザードマップを確認しておくと安心です。

2.4 津波ハザードマップ

津波ハザードマップとは、津波が発生したときに浸水する可能性のある範囲や深さが分かるものです。

海の近くにお住まいの方は、必ず津波ハザードマップを確認してください。


高層マンションに住んでいるから津波は心配ないというわけではありません。津波発生後にマンションに住み続けられる保証はないからです。

津波ハザードマップだけでなく、過去に津波の被害に遭った場所でないかどうかも確かめておきましょう。

2.5 地震ハザードマップ(ゆれやすさ、液状化しやすさ)

地震ハザードマップは、地震によって起こる液状化現象や建物全壊率を知ることができるものです。

地震ハザードマップには、「液状化しやすさマップ」や「液状化危険度マップ」、「揺れやすさマップ」などに分類されている場合があります。


「液状化しやすさマップ」とは、どの程度の揺れで液状化する可能性があるかを示したマップです。
揺れている時間が10秒から20秒の直下型地震の場合と、揺れている継続時間が2分から3分の巨大地震を想定した2種類があります。


「液状化危険度マップ」とは、将来、大きな被害をもたらすと考えられる地震を対象に地震発生時の液状化の危険度を示したマップです。


「揺れやすさマップ」とは、地表地盤の硬さを調査し、地震で揺れやすいかどうかを示したものです。
地震の揺れは、「地震の規模であるマグニチュード」や「表層地盤」、「震源からの距離」によって違いがあるため、場所によって揺れ方が異なります。
たとえ、揺れにくい地域であったとしても、近くで大きな地震が発生した場合には、揺れる可能性が高いため、気を付けなくてはなりません。


同じ都道府県内でも地域によって、揺れやすさや液状化しやすい場所は異なります。
そのため、地震ハザードマップを活用し、揺れやすい地域のマンションにお住まいの方は家具を固定するなど対策をしましょう。

3.ハザードマップはどこで確認できる?入手方法とは

ハザードマップはどこで確認できる?入手方法とは

ハザードマップは、紙媒体だけでなく、アプリなどの電子媒体どちらも利用することも可能です。
どこでハザードマップを入手したらいいのか具体的にお伝えします。

3.1 行政窓口(役所や役場など)

ハザードマップに直接書き込みたいとお考えの方には、紙媒体のハザードマップだと活用しやすいでしょう。
ハザードマップは役所や役場などの行政窓口で入手することが可能です。

多くの自治体がハザードマップを作成しています。
しかし、自治体によって、ハザードマップの閲覧のみのところやホームページ公開のみになっているところがあるため、窓口へ問い合わせてみましょう。

3.2 ハザードマップポータルサイト

電子媒体などインターネットでハザードマップを確認したい方は、「ハザードマップポータルサイト」を活用すると良いでしょう。

「ハザードマップポータルサイト」とは、ホームページでハザードマップが入手できるものです。
紙媒体とは異なり、自治体の役所や役場まで足を運ばなくても入手できます。

お住まいのハザードマップの検索方法は、インターネットの検索欄に「土地名ハザードマップ」と入力するとハザードマップが出てきます。

3.3 防災アプリ

防災アプリは、スマートフォンにアプリをインストールして取り込むことで災害情報を入手することが可能です。

防災アプリは、東京都や川崎市などの自治体の一部や、テレビやラジオなどメディア運営しているところが防災アプリをリリースしています。
お住まいの地域を指定することで、防災以外にも、防犯や避難に関する情報を提供してくれるものもあります。

防災アプリは、インターネットに接続していないと利用できないと思われがちですが、接続していなくても利用が可能な機能があるため、ぜひお試しください。

4. ハザードマップポータルサイトの使い方

ハザードマップポータルサイトの使い方
引用:ハザードマップポータルサイト


先述のとおり、ハザードポータルサイトを活用すると、どこにいても防災に関する情報を手に入れることができます。

国土交通省が公表しているハザードマップポータルサイトには、2種類あります。

ハザードマップポータルサイトの「重ねるハザードマップ」と「わがまちハザードマップ」についてご紹介します。

4.1 重ねるハザードマップ

「重ねるハザードマップ」とは、災害リスク情報を重ねて表示することができるものです。

「重ねるハザードマップ」の使い方を具体的に見ていきましょう。


1. 「重ねるハザードマップ」を開く

2. 日本地図が表示される
3. 住所検索をする


災害種別で選択することができ、「洪水」や「土砂災害」、「高潮」、「津波」、「道路防災情報」、「地形分類」の6種類を重ねて表示させることが可能です。

地図上に重ねて表示することで、災害発生時にどの場所が危険なのかやどこから避難したら良いかがわかります。
「重ねるハザードマップ」をさらに詳しく知りたい方は、マニュアルも活用してみてください。

4.2 わがまちハザードマップ

「わがまちハザードマップ」は、検索したい地域のハザードマップを表示することができます。
「わがまちハザードマップ」の使い方をご紹介します。


1. 「わがまちハザードマップ」を開く
2. 都道府県ごとに表示される
3. 市町村を選択


「わがまちハザードマップ」の災害種別は、「洪水」や「内水」、「ため池」、「高潮」、「津波」、「土砂災害」、「火山」、「地震防災・危険度マップ」の8つです。

それぞれの自治体によって、公開中のリンクと公開されていないものがあるため、全ての情報を知ることができるわけではありません。
自治体によって、外国語バージョンのハザードマップを掲載しているところもあります。

5. ハザードマップを確認するときのポイントを整理!

ハザードマップを確認するときのポイントを整理!
ハザードマップを見ると、自分が住んでいる地域が災害発生時に起こりうる事態を想定することができますが、その後の行動パターンを考慮しなくてはなりません。

ハザードマップを確認するときのポイントを整理しましょう。

5.1 地形と災害の危険性を確認する

ハザードマップを確認するときは、地形と災害の危険性を確かめる必要があります。
そのときに便利なマップが、国土交通省の「地理院地図(土地条件図)」です。
土地の成り立ちを知ることができ、地形分類を見ることで、土地が自然本来の地形なのか、人工的な地形かがわかります。


地形分類によって、災害リスクが異なります。
例えば、自然地形の扇状地にお住まいの方は、土石流の危険性があり、人工地形の切土地にお住まいの方は、地震や大雨による斜面崩壊の危険性があるでしょう。

どの地形分類に当てはまっているかを知り、災害リスクに備えましょう。

5.2 緊急避難先を確認する

ハザードマップを見るときは、緊急避難先を確認することを忘れないでください。

自分の住んでいるところから、一番近いところを知っておく必要がありますが、三カ所ほど候補を見つけておくと安心です。


災害の種類によっても選択すべき緊急避難先が異なります。

対応している災害の事例によって、緊急避難先が異なるため、注意してください。
例えば、台風など大雨による災害の場合は、「洪水」や「土砂災害」、地震による災害の場合は、「地震」、「津波」に対応しているかを確認します。

自宅だけではなく勤務先などの緊急避難先も確認しておくことも大切です。

5.3 避難経路を確認する

ハザードマップで避難経路を確認するときは、「浸水エリア内かどうか」や「近くの緊急避難場所の道」を見る必要があります。

マンションに住み始めたばかりだと、避難経路の確認ができていない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

避難場所の位置や地震による大規模火災が発生した時の避難経路を知っておく必要があります。


ハザードマップで確認するだけではなく、実際に自分の足で歩いてみることが重要です。

避難経路によっては、すでに浸水しているケースや暗くて周りが見えずに避難が危険な場合も考えられます。
震災時は、逃げることに必死になりがちですが、周囲の被害状況によって臨機応変に落ち着いて対応することが重要です。

避難経路先への避難経路が浸水エリアではないところから避難できると安心です。

6. 都市圏の災害リスクとは

都市圏の災害リスクとは
マンションに住んでいる方は、水害などの災害とは無縁なイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

災害が発生した場合、山間部とは異なり、大都市の構造によって都市圏ならではの災害リスクがあります。

「都市型水害」の特徴について見ていきましょう。

6.1 都市型水害

「都市型水害」とは、集中豪雨などで雨水を処理しきれなくなり水害が発生することです。

都市部では、地面がアスファルトやコンクリートで覆われているため、雨が降ったときは下水道や排水管で雨水を排水する仕組みになっています。
その仕組みは台風や大雨などで雨水が一定量を超えると処理しきれなくなり、地下鉄や地下街に流れ込んでしまうため、大変危険です。


都市部に建設されているマンションも例外ではありません。
地下に駐車場がある物件で都市型水害が発生した場合、車が被害に遭う可能性があります。
また、地下へ雨水が浸水することによって、電線の配管や水道管が破壊され、断水や停電が発生し、生活に影響を及ぼします。


タワーマンションなど高層階に住んでいる方は、停電するとエレベーターが機能しなくなるため、階段で上り下りしなくてはなりません。

高層マンションに住んでいるから災害リスクとは無縁だというわけではないことを覚えておきましょう。

7. 「水害ハザードマップ」は不動産契約時に不動産会社による説明が義務化

「水害ハザードマップ」は不動産契約時に不動産会社による説明が義務化
日本では、2010年以降ほぼ毎年全国各地で水害の被害に遭い、地球温暖化が進んでいることもあり、災害が増加しつつあります。

多くの犠牲者も出ており、少しでも水害による被害を減らすために「水害ハザードマップ」を知ってもらうことが課題でもあります。

そのような流れから、「水害ハザードマップ」は不動産契約時に不動産会社による説明が義務化されました。
どのような説明がされるのかを具体的に見ていきましょう。

7.1 2020年8月28日に水害ハザードマップが、不動産契約時における重要事項説明の対象に

2020年8月28日に水害ハザードマップが、不動産を契約するときに重要事項説明の対象となっています。
重要事項説明のときに行われる水害リスクの説明とは、「水防法に基づいて作成された水害ハザードマップにおける対象物件の所在地」です。


説明方法としては、宅地建物取引士が事前に水害ハザードマップを印刷します。
紙媒体で説明することが前提であり、電子媒体で説明することは想定されていません。
水害ハザードマップは、水防法の改正に伴い幾度もブラッシュアップされているため、最新の水害ハザードマップを活用する必要があります。
その水害ハザードマップを用いて、対象の物件がどこに位置するかを説明することが一般的です。

水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明が義務のため、ハザードマップに記載されている説明までは義務付けられていません。

8. まとめ

災害リスクの高いマンションの特徴やハザードマップについて詳しく解説してきました。
災害はいつ発生するかわからないため、普段から備えておく必要があります。
自分が住んでいるところがどのような土地でどのような被害に遭う可能性があるのかを調べておくことが大切です。
ハザードマップを活用し、いざという時に困らないように緊急避難場所や避難経路を確かめておきましょう。

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