保育しやすい街の条件とは?失敗しない保育園の選び方を紹介!
公開日:2022年06月10日 最終編集日:2022年06月29日
目次
- 1. 子育てしやすい街の条件とは
- 2. 東京23区で子育てしやすいのはどこ?
- 3. 失敗しない保活!保育園選びに重視すべきポイントとは?
- 4. 入園後に変化した重視ポイントとは
- 5. 子育てしやすい家の探し方
- 6. まとめ
小さな子どもを持つ家庭は、住む地域をしっかり選び「保育しやすい街」に住むことは非常に重要です。
入念にリサーチをし、子どもにも育てる親にも優しい街に住むことができれば子育ての負担は軽減します。
逆に「どこも一緒」だと考えて安易に住む場所を選んでしまうと、後々の後悔にもつながりかねません。
今回は「保育しやすい街」というテーマで、それを満たす街の条件を解説すると同時に、保育園の選び方のポイントもお伝えします。
その他にも東京23区で保育におすすめの6つの区も紹介しますので、お子様連れで都内エリアで引っ越しを予定している方はぜひ参考にしてください。
1. 子育てしやすい街の条件とは
街の環境は引っ越したあとに劇的に良くなることはありませんので、最初から子育てしやすい環境が整っている街を選ぶことが大切です。
ここではまず最初に「子育てしやすい街」の条件を5つ紹介します。条件を満たす街は、親と子ども両方に適した環境と言えますのでぜひ確認してみてください。
1.1 公園がある
住む場所を決めるときには、近くに子どもと一緒に出掛けられる公園があるかどうかをチェックしましょう。
公園は子どもが走り回ることができ、また歳の近い他の子どもと一緒に遊ぶこともできる場です。
子ども同士でのコミュニケーションを学びながら元気にすくすくと育つのに役立つだけでなく、親同士の交流の場にもなって情報交換なども行うことができます。
近くに気軽に行くことができる公園があるのとないのとでは、子育て環境に大きな違いが出ますので公園の有無はしっかり確認すると良いでしょう。
1.2 教育施設が充実している
教育施設が充実している街を選ぶことも大切です。
特に共働きで乳幼児を持つ家庭にとっては、その街に託児所や保育園、また認定こども園などの「子どもを預けられる施設」が不足していると思い描く仕事と子育ての両立は困難になります。
また子どもがもう少し大きくなったときのことも考え、小学校へのアクセスなども確認しておくとより良いでしょう。
その他には公共の図書館やスポーツセンター、また私塾などの有無もチェックしておくと、子どもの興味に合わせた選択肢が増え、柔軟な対応ができますのでおすすめです。
1.3 自治体の子育て支援の取り組みが充実している
自治体が行う子育て支援の取り組みは「どこも一緒」ではありませんので、よく調べるようにしましょう。
自治体が子育て家庭へのサポートに力を入れているかどうかを判断する一つの基準になるのは保育園や託児所の待機児童の数です。
もし入園したくてもできない子どもの数が多ければ、自治体の子育て支援やその対応が不十分であると判断せざるを得ないでしょう。
自治体の中にはその他にも、特定の条件を満たせば支給される給付金や手当、また医療費の負担が少なくなったりするような支援を行っているところもあります。
まずは自治体のWEBサイトを見て支援内容を確認し、気になるものがあれば直接担当窓口に連絡して詳細を聞いてみるのも良いでしょう。
1.4 医療機関が近くにある
病院やクリニックなどの医療機関が近くにあるかどうかも確認すべき重要なことの一つです。
規模の大きい総合病院がすぐ行ける場所にあるとさまざまな症状にも対応してくれますので万が一の時にも安心できます。
規模が小さくても「かかりつけ」の小児科医院として期待できるような病院やクリニックが近くにあれば、子どもの健康に関して気軽に相談できて不安も少なくなるでしょう。
休日や祝日、また夜間でも対応してくれるような体制が整っている医療機関があればさらに安心です。
医療機関は子供が不調を訴えたときに頼りになる大事な存在です。また、乳幼児の場合は予防接種などを受けに通う必要もありますので、近くの医療機関の有無はしっかり確認しておくようにしましょう。
1.5 治安の良さと街の安全性が高い
子どもを予期せぬトラブルや事件から守るためにも、街の治安や安全性も考慮すべき大事な条件の一つです。
例えば、夜賑わう繁華街が点在しているような街だと、治安や教育の観点から見ても子どもと一緒に暮らす場所として最適な環境であるとは言えません。
治安に関しては街の雰囲気やこれまでの犯罪発生件数などを参考にすると同時に、警察と自治体や学校などが連携して防犯対策に取り組んでいるかなども確認しましょう。
まちぐるみで犯罪抑止を目的としたパトロールなどがしっかり行われている街であればより安心です。
2. 東京23区で子育てしやすいのはどこ?
この項目では東京23区に焦点を当てて、子育てしやすいと評判の6つの区を紹介します。
小さな子どもと一緒に都内で引っ越しを予定している方はぜひ参考にしてみてください。
2.1 杉並区
もともと杉並区は家賃相場が低く、都心へのアクセスも良いため住宅街として人気がありますが、子育て世代にもおすすめの区と言われています。
緑や公園が多いこともその背景として挙げられますが、区の待機児童問題への取り組みが評価されているのも理由の一つです。
2018年から2021年の4年間で保育所に入所できなかった待機児童は一人もおらず、直近約10年間での認可保育所整備率は2倍以上にもなっています。
計画的に認可保育所の整備を行い、入所が決まらない子育て家庭への対応にも力を入れていることが子育てしやすい区として評判を得ています。
2.2 世田谷区
世田谷区は高級住宅街の印象もありますが、東京23区で2番目に面積が大きいこともあり、エリアによってさまざまな特徴を見せる区でもあります。
世田谷区が取り組む子育て支援で注目なのは「世田谷版ネウボラ」です。
ネウボラとはフィンランド語で「相談の場所」という意味があり、世田谷区は同国が取り組む「出産前から出産後、子どもが就学する前まで」の包括的な支援を参考にし、子育て世帯へのサポートをしています。
具体的には、せたがや子育て利用券の配布や専門家による相談窓口などを行っており、出産前からサポートが受けられるのが特徴です。
その他にも、世田谷区内の複数の警察署と区が協力して24時間パトロールを行うなど、地域の安全への取り組みも積極的で、子育て世帯にとっては安心して住める区と言えるでしょう。
2.3 港区
港区も子育て世帯に優しいと評判の区の一つです。
出産時には助成金が支給され、国の出産育児一時金と合わせることで出産費用を大幅に軽減することができます。
出産育児一時金(国) | 出産費用助成金(区) | 自己負担額 | |
1人を出産した場合(出産費用75万円) | 42万円 | 31万円 | 2万円 |
また、子どもの医療費を助成する取り組みも実施しており、15歳になった最初の年度末(3月31日)までの子どもの医療費自己負担分を助成してくれます。
その他にも「子ども家庭支援センター」の運営や子ども2人目の保育料が無料になるなどのさまざまな子育て支援が用意されています。
また子どもの教育に関しても、地域の学校の特色から判断して通学する学校を選べる学校選択制を実施するなど非常に積極的です。
待機児童も2020年と2021年はゼロを記録し、総合的に高いレベルで子育てしやすい区であるとの評判を得ています。
2.4 千代田区
千代田区はオフィス街や商業エリアが多く、東京23区で最も人口が少ない区です。
人口が少ないため相対的に子育てファミリー層の数も少なくなりますが、子どもの割合は高く子育て支援も充実しています。
子どもの医療費を助成する取り組みの対象となるのは、0歳から15歳になった最初の年度末(3月31日)までで、その年齢までの子供の医療費自己負担分を助成してくれます。
待機児童が非常に少ないことも特徴で、2011年から2021年の10年間の待機児童数は合計で8人のみです。10年間の内の8年間は待機児童は0人を記録しており、区民の保育需要にしっかり応えられていると言えるでしょう。
また、千代田区独自の次世代育成手当は所得制限がなく、16歳~18歳の対象となる子どもを持つ親に月額5,000円が支給されています。
2.5 目黒区
閑静な住宅街から高層マンション、また学生向けのアパートなどが立ち並び、さまざまな人から人気の目黒区も子育て世帯には注目の区の一つです。
中学3年生までの医療費の自己負担分を助成する「子ども医療費助成制度」の他、無料で受けられる5歳児健診などもあります。
また区民と区が協力して運営する「めぐろ子育てホッ!とナビ」というアプリもあり、子育て支援サービスや支援施設などのさまざまな情報収集が可能です。
また警察は「生活安全パトロール」と題して、幼稚園や小・中学校などの子ども関連施設への立ち寄りながら、毎日区内全域のパトロールを行っています。
2.6 渋谷区
華やかさと活気のある街並みで若者が集うイメージのある渋谷区ですが、子育てをしている若い世帯に優しい区でもあります。
近年の渋谷区の待機児童数は増減はあるものの2021年にはゼロを記録、今後も待機児童問題の解消を目的とした取り組みを継続的に行っていくようです。
ベビーホテルなどの認可外保育施設も充実しており、認可保育園で待機児童となった方を対象とした特別枠が設けられているところもあります。
また、認証保育所や認可外保育施設にかかった保育利用料の軽減制度もあり、認可保育園を利用できなかった人は条件を満たすことで経済的負担の軽減も可能です。
渋谷区の子育てに関する考え方は「チルドレン・ファースト」、子ども第一の環境整備で子育て世帯を支援しています。
3. 失敗しない保活!保育園選びに重視すべきポイントとは?
この項目では「保活」に関する以下のことに関して解説します。
- 保活を始める時期
- 保育園選びで重視すべきこととポイント
ちなみに保活とは「子供を保育園に入園させるために行う親(保護者)の活動全般のこと」です。
しっかりと保活を行い、安心して大切な子どもを預けることができる保育園を見つけましょう。
3.1 保活を始める時期
保活を始める時期は保育園の入園の時期を把握して行うことが大切です。
認可保育園の場合は、年度に合わせて入園するのであれば申し込みの時期は一般的に10月~11月になります。
認可外保育園の場合はそれぞれが独自のスケジュールで園児を募集していますので、気になる園があれば個別に確認するようにしましょう。
待機児童の問題もありますので認可保育園に応募しても必ず入園できるとは限りません。
したがって認可外保育園探しも並行して同時に行うと良いでしょう。
保育園の選定や見学など保育園選びには時間も労力もかかりますので、保活を始める時期は早ければ早いほど希望するところに入園できる可能性が高くなります。
子どもが産まれた直後は慣れない育児で手が回らないことも考えられますので、できれば妊娠中から少しづつ保活を始めるのがおすすめです。
大切な子どもを預けることになりますので、焦って行うのではなく日頃から情報収集を行い、いつでも具体的な行動に移せるような体勢を整えておくと良いでしょう。
3.2 保育園選びに重視すべきは「家からの距離」
保育園を選ぶときに特に重視すべきは「家からの距離」です。
近ければ近いほど送り迎えの負担は減り、毎日の生活に時間の余裕も持つことができます。
特に大雨や雪の日に小さな子どもと一緒に通園するのは大変です。なるべく家から近い保育園を選んで、できるだけ時間と体力を使わずに安全に通えるところを探すと良いでしょう。
ただし、家から近い保育園に確実に入園できるかは分かりませんのでいくつか候補をピックアップし、その中には家ではなく「職場から近い保育園」も選んでおくことをおすすめします。
3.3 保育園選びのポイントとは
家から近いことは保育園選びで重視するポイントですが、その他にも以下のような点もしっかり確認してから決める必要があります。
- 預かってくれる時間(定時の開園・閉園時間)
- 保育時間の延長への対応(定時以外の早朝や夜間の対応時間)
- 受入れ可能な年齢または月齢の下限や上限
- 保育方針(特徴)
- 子どもが持つ食事アレルギーへの対応方法
- 保育料(特に認可外保育園の場合)
上記のどれか一つでも希望する条件を満たさない場合は、その家庭にとっては最適な保育園とは言えません。
しっかり情報収集を行うことで内容を把握することができますので、保育園の場所だけに捉われずに丁寧に調べるようにしましょう。
4. 入園後に変化した重視ポイントとは
失敗しない保育園選びは、子どもを保育園に通わせた人の実体験から学ぶと参考になる情報が得られます。
ここでは実際に子どもを保育園に通わせた親が入園後に気が付いた「重視ポイント」を紹介しますので、ぜひ保育園選びに役立ててください。
4.1 保育の質が大切
実際に保育園に通わせた方の経験談では「何よりも保育の質が大切だと感じた」という人は少なくありません。
これは保育園が「どこも同じ」ではないということを示していると言えるでしょう。
保育の質に関しては、保育士の質や保育方法を指摘する声は多い傾向にあります。
保育園を選ぶときには設備などの環境面に注目しがちですが、実際に大切な我が子と接するのは保育士です。
保育士の園児への接し方や対応次第で、園児に良い影響も与えれば、逆に悪い影響も与えかねません。
保育士や保育園の方針を中心に「保育の質」を確認すると適切な判断に役立つでしょう。
4.2 保育の質を見極めるためには
保育士の質や保育方法などの「保育の質」が大切であるとお伝えしましたが、入園を申し込む前にできる限りその良し悪しを見極めるようにしましょう。
保育士に関しては特に以下のようなことについて確認することが大切です。
- 経験豊富なベテランがいるかどうか
- 人数的にも余裕のある保育体制になっているか
- 時間的にも無理のない勤務体制が整っているか
- 経験の浅い保育士へのフォロー体制はどうなっているか
- 子どもへの接し方だけでなく、大人への接し方も社会人として適切かどうか
保育方法に関しては保育園を見学するときに以下の点に注目するようにしましょう。
- 園内の隅々まで隠さずに見せてくれるか
- 掃除が行き届いて清潔感があるかどうか
- 質問をはぐらかさずに明確な回答をしてくれるか
- 昼寝中の園児はあおむけの姿勢になっているか
- 園児を見守る体制が十分かどうか
上記以外にも、実際に子どもを通わせている近所の先輩ママなどから話を聞いたり、自治体が定期的に行っている立ち入り調査の結果を調べるなどの方法もあります。
大切な子どものためにも質の良い保育を行っているかをしっかり見極め、申し込む保育園を選ぶようにしましょう。
5. 子育てしやすい家の探し方
では最後に子育てしやすい家の探し方やそのポイントを解説します。
小さなお子様連れで引っ越しをするときの参考にしてください。
5.1 住むエリアを決める
まずはそれぞれの家庭の諸事情を踏まえた上で住むエリアの候補を具体的に決めるようにしましょう。
エリアによって家賃相場や治安は異なります。それらを考慮した上で、複数のエリアを「子育てしやすいかどうか」の候補として検討していきます。
住むエリアの候補はあまり多いと検討する精度が下がってしまいますので、2つか3つくらいに絞ると良いでしょう。
5.2 自治体のHPで出産・子育てに関する情報収集
住むエリアの候補が決まったら、その自治体のHPで子育て支援に関する情報収集を行います。そのときに忘れずに注目するのは以下の3つです。
- 出産支援の有無と内容
- 子どもの医療費助成の有無と内容
- 待機児童に関する情報や教育施設の充実度
先ほどお伝えした港区のように充実した出産支援体制がある自治体は、子育て支援に積極的な傾向にありますので、今後出産の予定がある人だけでなく予定のない方も確認することをおすすめします。
また、子どもの医療費に対する助成金の有無、またその期間は重要ですのでしっかりとチェックしましょう。自己負担額が実質無料になるような自治体は子育て世代にとっても魅力的です。
待機児童に関する情報も、これから子どもを保育園に通わせる人にとっては非常に大切です。直近数年間の待機児童数や今後の自治体の方針などもHPに掲載されていますので、よく把握しましょう。
5.3 周辺環境の確認をする
具体的なエリアや実際に気になる物件が見つかったら、周辺環境も忘れずに確認しましょう。
まずはインターネットを活用し、繁華街の有無や治安、病院や保育園の位置、また公園や学区など、子育てに関係することをチェックします。
その他にも、交通機関へのアクセス、スーパーやコンビニ、商店街や子どもと一緒に遊べる娯楽施設など、日々の生活に関係することも忘れずに確認するようにしましょう。
5.5 街の様子を実際に確認する
インターネットでも多くの情報を得られますが、最もおすすめなのは実際に現地に行って直接街の様子を確認することです。現地に出向くことで「その街の雰囲気」を肌で感じることができます。
インターネットで調べておいた情報を基に、気になる場所に出向いてイメージとの違いがないかをチェックしましょう。
せっかく現地に行くのであれば、道路状況もよく確認することをおすすめします。
引っ越し後は子どもを連れて歩く機会は必然的に多くなります。周辺の道路状況もチェックし、スピードが出やすい道路がないか、また信号や路側帯の有無など、安全に出歩ける環境かどうかを確認しましょう。
このように実際に周辺環境を確かめることができれば、より安心して引っ越しできますのでおすすめです。
6. まとめ
今回は保育しやすい街の条件や保育園の選び方など、子育てしている方向けに引っ越しに関する情報をお届けしました。
冒頭でお伝えしたように、街も保育園も「どこも同じ」ではありません。
しっかりリサーチすることが大切で、それによって家族全員が安心して快適に暮らせる住まいを見つけることができます。
ぜひ今回の内容を参考にしていただき、お子様と一緒の引っ越しに役立ててください。
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