賃貸物件にエアコンを取り付けするには許可が必要?注意点や設置にかかる費用は誰が負担するの?
公開日:2022年12月27日 最終編集日:2022年12月26日
目次
- 1. 賃貸でエアコンがついていない場合はどうしたらいい?
- 2. 賃貸にエアコンを増設・取り付ける際に注意すること
- 3. エアコンの設置にかかる費用
- 4. 備え付けのエアコンを修理・交換したい場合はどうすればいい?
- 5. 失敗しないエアコンの取り付け業者の選び方
- 6. 高級マンションでよくみるビルトインエアコンって何?
- 7. まとめ
賃貸物件に引っ越したものの、エアコンがついていない、故障していて修理が必要といった事態になる可能性はゼロではありません。
この記事では、賃貸物件におけるエアコンの取り付けや修理について解説します。そもそも取り付けはできるのか、費用負担は誰がするのかといった点についても言及しているためぜひ参考にしてください。
1. 賃貸でエアコンがついていない場合はどうしたらいい?
賃貸物件によってはエアコンがついていないケースもあります。ここでは、エアコンがついていないときにどうすればいいのか解説します。エアコンなしの生活は現実的ではないため、対応策を把握しておきましょう。
1.1 まずは部屋の設備について契約書を確認する
賃貸物件の契約にあたっては、事前に契約書の内容をしっかりと確認しておきましょう。
これは、契約書には設備に関する「重要事項説明」が記載されているためです。エアコンに関しては、新たに取り付けることができるのかどうか、すでにエアコンがついている場合は、修理や交換に関する取り決めが書かれています。
ほかにも費用負担を誰がするのかといった点も記載されており、非常に重要なものであるため、必ず内容を確認しておきましょう。もし、契約書に具体的な内容が書かれていなければ、大家さんや管理会社などに確認するようにしてください。
1.2 エアコンの取り付けには大家さん・管理会社に許可が必要!
エアコンを新たに取り付ける場合、大家さんや管理会社から許可を得る必要があります。「もう部屋に1台付いているから増設してもいいよね」と思う人もいるかもしれませんが、無断での取り付けはルール違反となるため、しないようにしてください。これは、エアコンの取り付けをするには壁に穴を開ける必要があるほか、コンセントの増設も伴うなど物件を傷つけることがあるためです。
たとえエアコンを取り付けることが目的であったとしても、無断で取り付けたために、大家さんや管理会社とトラブルに発展する可能性があります。
なお、取り付けの許可を得た場合でも、壁のどこに穴を開けるかは重要なポイントとなります。どこに穴を開けてもいいのか、逆にどこに開けてはいけないのか、大家さんや管理会社に確認したうえで工事を行う必要があります。
2. 賃貸にエアコンを増設・取り付ける際に注意すること
ここでは実際に賃貸物件にエアコンを取り付ける際に覚えておきたい注意点について解説します。ここで紹介するポイントを忘れてしまうと、後々トラブルにつながる可能性もあるため、ぜひ覚えておいてください。
2.1 エアコンが設置できる場所か確認する
契約上はエアコンの取り付けができる場合でも、部屋の条件によっては取り付けができない可能性もあります。例えば、部屋のスペースや他の設備などによって取り付けができないケースです。
そのため、取り付けにあたっては、どこに取り付けができるのか確認しておく必要があります。また、エアコンの設置条件を把握しておくことも大切です。エアコンの主な設置条件は以下の通りです。
- エアコン用のコンセントが用意されている
- エアコンの上下左右に50mm以上のスペースがある
- 壁の下地がしっかりと補強されている(壁に直接設置する場合)
- ドレン排水がしやすい場所かどうか
- 室外機を安定して設置できる
契約上のルールはもちろん、設置にあたっての条件も重要であるため必ずチェックしておきましょう。
2.2 誰がエアコンの取り付け費用を負担するのか
エアコンを取り付けることになった場合、誰が取り付け費用を負担するのかは1つのポイントとなります。新たに取り付けるからといって、必ずしも借主が費用を負担するとは限りません。例えば、以下のような条件を満たしている場合、大家さん・管理会社が負担してくれる可能性があります。
- 賃貸借契約書に「契約期間中の修繕」に関する条項が記載されている
- 「設備」の項目にエアコンが記載されている
「契約期間中の修繕」には、古くなったエアコンの修繕費を大家さんや管理会社が負担するという取り決めが記載されています。また、「設備」項目にエアコンがあれば、何かトラブル等が発生した時の修繕設備対象となるため、工事費用を負担してもらえます。
なお、入居者都合によるエアコンの取り付けや修繕に関しては、工事費用は自己負担となるため注意してください。
2.3 退去時に修繕費用が発生するのか
取り付ける際に忘れてしまいがちですが、退居する際に修繕費用が発生するのかどうかもチェックしておきましょう。エアコンの取り付けにあたっては工事費が必要となりますが、それと同時に退居時には原則として原状回復をする必要があるため、部屋を元の状態に戻すための工事を自費で行わなければなりません。原状回復の工事に思ったよりも費用がかかる可能性もあるため、しっかりと資金を用意しておくためにも、修繕費用の有無は必ず確認しておきましょう。
2.4 退去時にエアコンを買い取ってもらえるか
新たに取り付けたエアコンは、入居者のものとなるため、賃貸物件を退去する際にそのまま残しておくことは基本的にできません。しかし、引越し先の物件にすでにエアコンが設置されているとなると、エアコンが不要になります。
このような場合、エアコンを買い取ってもらえるのかどうか確認してみてください。一般的にはエアコンの買取りは行っていません。契約書に買取りをしない旨が記載されていることもよくあります。
また、設置したエアコンをそのままにしておくことも基本的には不可能です。しかし、なかには買い取ってくれるケースや残置物としてそのまま置いていくことを許可してくれるケースもあります。このようなケースは大家さんや管理会社の意向によるため、まずは一度相談してみることをおすすめします。
3. エアコンの設置にかかる費用
エアコンの設置にあたっては、少なからず費用が発生します。また、先ほども説明しているように退去時の原状回復工事にも費用が発生することも忘れてはいけません。そこでここではエアコンの取り付けと撤去にかかる費用について解説します。
3.1 エアコンの取り付けにかかる費用
エアコンの取り付け費用は、エアコンの対応畳数によって異なります。一般的には6〜12畳に対応しているエアコンで1万円〜1万3,000円程度とされています。また、14畳以上に対応しているエアコンになると1万3,000円〜1万7,000円が相場です。ただし以下のように、場合によっては追加工事費用が発生するケースもあるため注意してください。
- エアコンを取り付ける壁の材質が特殊
- 配管パイプ・ドレンホースが長い(4m以上)場合
- 配管に伴い新たに穴を開ける必要がある場合
- 室外機の取り付けを通常とは異なる方法で行う必要がある場合 など
最終的に費用がどのくらいかかるかは、実際にエアコンを設置してみないとわからない部分もあります。そのため、追加工事費用が発生する可能性も考慮し、予算には余裕を持たせておくことが大切です。
3.2 退去時にかかるエアコンの撤去費用
賃貸物件を退去する際には、エアコンの撤去費用も発生します。ここでいう撤去費用とは、エアコンを取り外すために行う工事のほか、エアコンを解体して再利用する際にかかる費用も含まれています。
相場としては、取り外し工事にかかる費用が5,000円程度、再利用にかかる費用が運搬費も含めて数千円程度です。引越し先に持っていく場合は、再利用にかかる費用は発生しません。
なお、室外機が壁掛け式である場合、エアコンが故障している場合などは追加費用が発生する可能性があります。数千円〜1、2万円程度の費用が必要と考えておくといいでしょう。
4. 備え付けのエアコンを修理・交換したい場合はどうすればいい?
すでに賃貸物件にエアコンが設置されているものの、古いモデルである・故障しているなど、修理や交換をしたい場合もあるでしょう。ここでは、そのような時にどうすればいいのか解説します。
4.1 修理・交換をしていいのか大家さん・管理会社に確認をする
修理・交換をする場合も、取り付けを行う際と同じでまずは大家さんや管理会社に確認する必要があります。なぜなら、賃貸物件に付いているエアコンは貸主の財産であるためです。壊れたからといって勝手に修理や交換をすることはできません。
夏や冬などエアコンの稼働率が上がるタイミングで故障が発覚すると必要な時に使えなくなる可能性があります。このような事態を避けるためにも、大家さん・管理会社に確認する時間を踏まえたうえで、事前にエアコンが動くかどうか、交換するべきかどうかをチェックしておきましょう。
なお、管理会社によっては付き合いのある業者がいるケースもあります。付き合いのある業者がいる場合は、ほかの業者に依頼するよりも早めに修理・交換の対応をしてもらえるかもしれません。
4.2 借主判断でエアコンを交換する場合の費用は借主負担
エアコンが明らかに故障していて生活に支障が出る場合など、修理・交換が避けられない場合、契約書の条件に則って工事を行う場合は別ですが、借主の判断でエアコンを交換する場合、費用は借主が負担しなければなりません。
また、交換にあたっては当然ながら、事前に大家さんや管理会社に確認を取る必要があります。
5. 失敗しないエアコンの取り付け業者の選び方
エアコンを取り付ける場合、業者に依頼する必要がありますが、どのような業者を選べばいいのでしょうか。ここでは業者選びのポイントを紹介します。エアコンの取り付けに対応している業者はたくさんありますが、それぞれ特徴が異なります。後悔しないためにも、しっかりとポイントを押さえておきましょう。
5.1 エアコンの取り付け実績が豊富
エアコンの取り付け実績が豊富である業者なら、安心して依頼することができます。近年では、インターネットで検索すればたくさんの業者のホームページが出てきます。各社のホームページをチェックする際は、実績紹介のページをチェックしましょう。施工例が多いということは、たくさん依頼を受けている、つまり信頼を得ているということです。
検索にあたっては自分が暮らしている地域名を踏まえて検索することをおすすめします。「●●町1丁目 エアコン取り付け業者」など、地域を細かく指定することで、近所の会社を見つけることができるためです。
5.2 わかりやすい見積もりを出してくれる
見積もりのわかりやすさも業者選びにあたっては重要なポイントです。費用項目が細かく記載されており、不明点がないような見積書が理想的です。逆に見積書が大まかで不明点が多い場合は、齟齬が生じる可能性があるため注意しなければなりません。少しでも不明点がある場合は、必ず質問して解消しておく必要があります。
見積もりを取る際は、相見積もりがおすすめです。1度に複数者の見積書を取得できるため、手間がかからないほか、費用項目の比較もできるため、価格が異常に高い、他社にはないよくわからない項目があるなど、おかしな点にすぐに気づくことができます。
5.3 充実した保証がついている
保証の有無も、業者選びにあたってはチェックしておきたい部分です。実績が十分な業者であっても、人が作業をする以上ミスが発生する可能性はゼロではありません。そのようなときに保証がしっかりとしている業者であれば、万が一の事態が発生しても安心です。
エアコンの取り替えの場合、水漏れや空調機能の低下などが起こる可能性があります。もし保証がない業者に依頼してしまうと、たとえ工事が原因で先述のような不具合が生じたとしても修理費用を自己負担しなければならなくなります。業者によっては、エアコンの取り付け費用を安くしている代わりに、保証がないケースもあるため、しっかりと確認しておきましょう。
5.4 電気工事士の資格保有者である
エアコンの取り付けを行う作業員は、電気工事士の資格を所有している必要があります。そのため、電気工事士の資格を持っている作業員の数が多い業者の方が安心して任せることができるでしょう。また、電気工事士の人数がが多い分、スケジュールを決める際にも融通が利きやすいと考えられるため、仕事や家庭の都合などを踏まえたスケジューリングができる可能性もあります。
6. 高級マンションでよくみるビルトインエアコンって何?
近年では、高級マンションなどで「ビルトインエアコン」と呼ばれるエアコンが設置されているケースが増えています。ここではビルトインエアコンの概要について解説します。
6.1 ビルトインエアコンとは?
ビルトインエアコンとは、天井に埋め込まれているエアコンのことです。主にオフィスや商業施設などで使用されているタイプのエアコンですが、高級マンションに設置されていることもあります。
6.2 ビルトインエアコンのメリット
ビルトインエアコンの一番のメリットは、天井にエアコンが埋め込まれるため、室内がスッキリとすることです。コンパクトなエアコンでも、壁に設置すると目立ってしまうことは避けられません。
また、ビルトインエアコンは、通気口の影響を受けないため、壁掛けのエアコンのように設置場所を気にする必要がない点もメリットです。
そのほかにも、壁掛けのエアコンの場合、エアコンごとに室外機を設置する必要がありますが、ビルトインエアコンの場合は1つの室外で対応可能です。
6.3 ビルトインエアコンのデメリット
メリットの一方でデメリットも少なからずあります。まず、ビルトインエアコンは通常の壁掛けタイプのエアコンと比較すると商品の種類が少ないため、選択肢が限られてしまいます。また、エアコン本体の価格も高いため予算には余裕を持たせておく必要があるでしょう。商品にもよりますが、15万円以上かかるケースは決して珍しくありません。
そのほかにも、メンテナンスに対応できる業者が少ない点もデメリットです。そのため、修理費用やメンテナンス費用も高くなりがちです。
7. まとめ
今回は、賃貸物件にエアコンを取り付ける際のポイントなどを紹介しました。
賃貸物件にエアコンを取り付けたい場合、大家さんや管理会社の許可を取る必要があります。取り付けの可否に関しては契約書に記載されているケースが一般的です。記載されていない場合は、大家さんや管理会社に直接確認してみてください。費用負担は誰がするのか、退去時の対応はどうすればいいのかといった点も合わせて確認しておくことで後々のトラブルを回避することができます。