工務店とハウスメーカーの違いとは?メリット・デメリットや選び方のポイントを解説!
公開日:2023年09月16日 最終編集日:2023年09月15日
目次
工務店でもハウスメーカーでも家を建てることはできますが、両者にはいくつかの点で違いがあります。
この記事では、工務店とハウスメーカーの違いについて解説しています。また、両者のメリット・デメリットやそれぞれに向いているのはどういう人なのか、といった点についても取り上げているため、家づくりを検討している方はぜひ参考にしてください。
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1. 工務店とハウスメーカーの違い
ここでは工務店とハウスメーカーの違いについて解説します。家づくりを検討している方はぜひ参考にしてください。
1.1 価格
ハウスメーカーと工務店では、家を建てる際にかかるコストに違いがあります。簡単にいうとハウスメーカーは比較的価格が高くなる傾向にあり、工務店は、安く抑えることが可能です。
ハウスメーカーは、提供する住宅を規格化しており、それによって材料費を安く抑えることができています。しかし、家づくりの際に最新技術を取り入れているため、トータルコストは高くなりやすいといえます。
また、設備面を充実させようとするとさらに価格が高くなってしまうでしょう。そのほかにも、ハウスメーカーの場合、会社の規模が大きいケースが多く、人件費や広告費なども発生していることからさらにコストがかかってしまうと考えることもできます。
ただし、ハウスメーカーの提供する商品はさまざまであるため、安価な住宅プランを選ぶことで費用負担を抑えることもできます。実際に、昨今ではローコストを強みとしたハウスメーカーも増えています。
工務店の場合、価格がやすい傾向にあります。これは、工務店はハウスメーカーほど広告費を抱えていないケースが多いためです。また、工務店の場合、規格化された住宅を建てるわけではなく、担当者と相談しながら家づくりを進めていくケースが一般的であるため、工夫次第でより価格を抑えることも可能です。
1.2 施工エリア・会社の規模
工務店とハウスメーカーでは、施工エリアや会社の規模にも違いがあります。先ほども触れているように、ハウスメーカーには上場企業も多いなど、企業規模が大きいケースが少なくありません。また、全国各地に支店や営業所を持っている企業も多く、広い範囲で施工することが可能です。
一方の工務店は、一部の大企業を除くと小規模経営をしているケースが一般的となっています。そのため、地元密着でサービスを提供することとなります。
ただし、工務店とハウスメーカーには、明確な違いが定義されているわけではないため、「工務店」と名乗っていても規模としてはハウスメーカー並みというケースも少なくありません。
1.3 工期の長さ
工務店とハウスメーカーでは、工期にも違いがあります。ハウスメーカーの場合、住宅が規格化されていることもあり、設計から施工までの流れはシステム化されています。そのため、効率よく作業を進めることができるため、工期は比較的短めです。
工務店の場合、設計をゼロから行い資材の加工なども自社で行うケースもあるため、ハウスメーカーよりも工期が長くなる傾向にあります。
1.4 アフターサービス
アフターサービスに関しては、工務店・ハウスメーカー共に行ってもらえます。ハウスメーカーには、規模の大きい企業が多く、経営基盤も安定しているケースが多いため、長期間の補償をつけることもでき、アフターサービスは充実しているといえるでしょう。
一方の工務店も、地元密着のサービスを提供している場合、トラブルが発生した時にすぐに対応してくれるなど、きめ細やかなアフターサービスが期待できます。「規模が小さいからアフターサービスは期待できないのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、心配する必要はありません。
なお、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」という法律によって、家の構造や雨漏りを防止する部分に対する保証は工務店・ハウスメーカー共に必ずついています。また、住宅設備に関するアフターサービスは、設備メーカーが対応するため、ハウスメーカーで家を建てても工務店で建てても大きな違いはありません。
1.5 設計の自由度
ここまでで説明しているように、ハウスメーカーの場合規格化された住宅、つまり事前に用意されているプランの中から自分の好きなものを選ぶ形となるため、自由度は低くなります。
工務店は、住宅の設計段階から検討することとなるため、間取りや設備などの自由度は高いといえるでしょう。
2. 工務店のメリット・デメリット
ここでは工務店を利用するメリットとデメリットを紹介します。工務店の特徴を理解したうえで、利用するかどうかを検討するようにしましょう。
2.1 工務店のメリット
工務店のメリットは、コストを抑えやすい点です。これは先ほども説明しているように、工務店の場合、広告費をあまりかけていないこともあって、ハウスメーカーよりも建築費を抑えやすくなっています。住宅の建築にあたっては、建築費以外にもさまざまなコストがかかるため、少しでも費用負担を抑えられる点は大きなメリットだといえるでしょう。浮いたお金を他のコストに回すことも可能です。
さらに、工務店は自由度の高さも特徴だといえます。工務店の場合、事前に特定の住宅プランがないケースが一般的であり、設計から検討することとなります。そのため、天井の高い部屋にしたい、子供部屋は2つ作りたい、仕事用の書斎が必要、など自分たちの希望を反映した住宅を建てることも可能です。
そのほかにも、コミュニケーションの取りやすさも工務店の特徴です。工務店は一部の大企業を除くと、地元密着のサービスを提供しているケースが多く、密なコミュニケーションが基本となっています。そのため、些細なことでも気軽に相談することができるでしょう。
2.2 工務店のデメリット
デメリットとしては、工期が長くなりやすい点が挙げられます。これは、ハウスメーカーとは違って、規格化された住宅プランが用意されていないためです。そのため、特定のタイミングまでに住宅を建てたいといった場合は、逆算して早めに動くことが大切です。
また、工務店によって技術力やサービスの品質に違いがある点にも注意しなければなりません。これは、工務店の場合小規模経営をしているケースが一般的であり、同じ工務店でも提供するサービスなどに違いがあるためです。そのため、工務店を利用する際は、事前に複数の会社を比較したうえで、自分にあったところを選ぶことがポイントとなります。
3. ハウスメーカーのメリット・デメリット
ここではハウスメーカーのメリットとデメリットを紹介します。工務店のメリット・デメリットと合わせて覚えておいてください。
3.1 ハウスメーカーのメリット
ハウスメーカーは、規格化された住宅が用意されており、施工もシステム化されているため、工期が短くなる点が特徴です。そのため、できるだけ早く自宅を建てたいと考えている人にとっては魅力的だといえるでしょう。
また、規模の大きいハウスメーカーが多く、経営基盤も安定しているため、倒産してアフターサービスが受けられないといったケースも起こりにくいでしょう。そのほかにも、将来的に売却することとなったとしても、ハウスメーカーのブランド力があれば、買い手が見つかりやすい可能性もあります。
3.2 ハウスメーカーのデメリット
デメリットとしては、コストがかかりやすい点が挙げられます。また、工務店と比べると住宅の自由度は低くなるため、自分のこだわりを反映させた住宅を作りたいといった人は注意しなければなりません。
4. 工務店とハウスメーカーの選び方
ここでは、工務店とハウスメーカーがそれぞれどのような人に向いているのか解説します。選ぶ際の参考にしてください。
4.1 工務店に向いている人
工務店は、自分のこだわりを反映させた住宅を作りたい人に向いています。これは工務店の場合、イチから設計を行うこととなるためです。ハウスメーカーではできないことでも、工務店ならできると言ったケースもあるでしょう。また、工期が長くなっても気にならない、時間がかかってもいいからコストを抑えたいといった人にもおすすめです。
4.2 ハウスメーカ―に向いている人
ハウスメーカーに向いているのは、住宅に関する知識をあまり持っていない人です。工務店の場合、設計段階から関わっていくこととなるため、ある程度の知識が求められます。
一方のハウスメーカーの場合、住宅が規格化されているため、住宅プランを選べばあとは任せることができます。また、安心感を求めている人にもハウスメーカーはおすすめです。これは、ハウスメーカーには大企業も少なくなく、経営基盤も安定しており、ブランド力も高いためです。
5. まとめ
今回は、工務店とハウスメーカーの違いやメリット・デメリットなどについて解説しました。工務店でもハウスメーカーでも住宅を建てることはできますが、コストや工期、施工エリア、企業規模などに違いがあります。それぞれメリット・デメリットがあるため、今回の内容を参考に、工務店に依頼するのか、ハウスメーカーに依頼するのか検討してみてください。