マンションの管理費の相場はどのくらい?修繕積立金との違いや適正な管理費の価格
公開日:2023年06月27日 最終編集日:2023年06月26日
目次
マンションの管理費とは、マンションの共用部分の維持・管理に使われるお金のことで、毎月支払う必要があります。
この記事では、マンションの管理の概要や相場などについて解説しています。相場はマンションのエリアや規模によって異なるため注意しなければなりません。これからマンションを購入しようとしている人はぜひ参考にしてください。
【関連記事】
1. マンションの管理費は何に使われるの?
ここではマンションの管理費の役割や混同しやすい修繕積立金との違いについて解説します。自分が支払うお金であるため、その用途をしっかりと理解しておきましょう。
1.1 マンションの管理費の役割
管理費とは、マンションの共用部分の維持・管理に使用するお金のことです。具体的には、マンションのエントランスを掃除したり、マンション全体の管理などを行ったりする管理員の人件費が当てはまります。
また、共用部分で使用する掃除道具や電球といった備品などの購入費用に管理費を当てるケースなどもあります。何に使うかは各マンションによって異なる可能性がありますが、共通しているのは、マンションをよりよくするための維持・管理に使われるということです。
1.2 「管理費」と「修繕積立金」の違い
管理費と混同してしまいやすいものに修繕積立金がありますが、両者は異なるものです。
管理費がマンションの日常的な維持・管理にかかる各種費用に使われるのに対して、修繕積立金は、マンションで数年に一度行われる大規模な修繕を実施するために毎月居住者から徴収するお金のことです。
管理費とは用途が異なるのはもちろん、経理計上する際も管理費と修繕積立金は分別される仕組みとなっています。管理費が余っているから修繕積立金に流用するといったことはできません。
管理費は日常的な部分のメンテナンスに使用されますが、修繕積立金は不測の事故、事情によって必要な修繕など、区分所有者全員の利益に必要な管理を特別に行う場合に使われます。
例えばエントランスのバリアフリー化、耐震工事、廊下や外壁の経年劣化修繕など、建物の資産価値向上を図る共用部分のリフォームなども、修繕積立金から出費されます。
2. マンションの管理費の相場
ここでは、マンションの管理費の相場を紹介します。エリアや総戸数、マンションの形態によって管理費の相場は異なるため、ぜひ参考にしてください。
2.1 マンション管理費の毎月の平均相場
マンションの管理費は、部屋の広さによって金額が決まります。これは、ルーフバルコニーのような特別な施設がついていなければ、どの階に住んでいても広さが同じであれば金額は変わりません。
ただし、地域によって管理費の相場は異なります。国土交通省の「平成30年度マンション総合調査」によると、以下のように、管理費は全国で相場が異なっており、北陸・中部地方がもっとも高くなっています。
引用:国土交通省
2.2 大規模マンションほど管理費は安い傾向にある
マンションの管理費は、マンションの規模によっても異なります。同じく国土交通省の「平成30年度マンション総合調査」によると、総戸数の多い大規模マンションの方が管理費の相場は安い傾向にあります。これは、戸数が少ないと1戸あたりで負担する金額が大きくなるためです。具体的な相場は以下の通りです。
引用:国土交通省
基本的には、規模が大きくなるほど管理費は安くなりますが、タワーマンションなど、戸数が多くても管理費が高くなるケースもあります。
これは、タワーマンションの場合、共用設備が豊富であり、さまざまなサービスを提供しているケースが多いためです。そのため、必ず購入前に管理費も確認するようにしてください。
2.3 タワマンの管理費は高い
先ほども触れているように、タワーマンションは管理費が高い傾向にあります。また、マンションの形態によって管理費の相場が異なります。具体的な相場は以下の通りです。
引用:国土交通省
特徴としては、単棟型の場合、階数が増えると管理費は高くなりますが、団地型は棟数が増えるほど安くなる傾向にあります。
2.4 マンション管理費は設備・共用施設も影響する
マンションの管理費は、マンションにどのような設備やサービス、共用施設が設置されているかによって変動します。
例えば、管理人が24時間常駐しているマンションは管理人の人件費がかかります。また、ジムやプールといった設備が備わっている場合、それらの維持・管理にもお金がかかるでしょう。
さらに、タワーマンションのような高層建築物の場合、非常用エレベーターの設置やヘリポートの設置なども必要となるため、さらに管理費が高くなります。
マンションの管理費は決して安いものではなく、毎月支払い続けなければならないため、管理費に影響するマンションの設備やサービスなどもしっかりと確認しておくことが大切です。
3. マンションの管理費が適正価格か見極めが大事!
ここでは、管理費の側面からマンションを選ぶ際のポイントを紹介します。マンション選びをしている最中の方はぜひ参考にしてください。
3.1 管理費の安さだけでマンションを選ぶのはNG
管理費は毎月の負担となるため、できるだけ管理費の安いマンションを探そうとしている人もいるかもしれませんが、そのような選び方はあまりおすすめできません。
マンションに関しては、管理が行き届いているかどうか、管理状態が良いマンションであるかどうかが非常に重要です。
例えば、管理が行き届いておらず、マンション内に清潔感がない、共用施設が壊れたままになっている、切れた電球をいつまでたっても交換してくれないといった状態だと、住んでいていい気分にはならないでしょう。
清掃が日常的に行われており清潔感がある、防犯設備がしっかりと設置されていて安心感がある、テキパキと働く管理人が24時間常駐していてホスピタリティがある、といった点は管理費こそかかるものの快適な生活を送る上では重要な要素となります。
また、このようなマンションは資産価値も高いため、将来的に売却するとなったとしても、買い手が見つかりやすいでしょう。
このような点から、管理費の安さだけでマンションを選ぶことは望ましくありません。もちろん安いに越したことはありませんが、総合的に考えて判断することが大切です。
3.2 管理費は管理内容で判断する
管理費が高いマンション=管理が行き届いているマンションとは限りません。そのため、気になるマンションがある場合、実際にマンションを見学して、管理状況をチェックしてみることをおすすめします。
管理費が高いものの、エントランスに清潔感がない、共用施設やサービスが少ないのに管理費が高いといったケースがあるかもしれません。実際に見学して、自分が納得できないようであれば、購入を見送るのも1つの方法です。
4. マンションの管理費を滞納するとどうなる?
マンションの管理費を滞納すると、管理会社や管理組合から督促されます。それでも滞納が続くようであれば、訴訟や差し押さえといった方的な手続きが行われることとなるでしょう。
マンションが差し押さえられてしまうと、マンションを出ていかなければならないため、支払いが滞らないようにしましょう。このような点から、毎月ちゃんと支払うことができるのかどうかは、購入前にしっかりと検討する必要があります。
5. まとめ
今回は、マンションの管理費の概要や相場などを紹介しました。マンションの管理費は、マンションの共用部分の維持・管理に使われるお金のことです。
管理費の相場は、エリアやマンションの規模、形態などによって異なります。管理費は毎月発生するものであるため、管理費の安いマンションを購入しようとする人もいるかもしれませんが、管理費が安いマンションは管理が行き届いていない可能性もあるため注意が必要です。
マンションの管理状態と管理費のバランスが取れているか、自分が納得できるか検討することが大切です。