人気の中古マンションの販売価格の相場や推移を解説!東京の人気エリアも紹介!
公開日:2022年09月10日 最終編集日:2022年09月09日
目次
- 1. 中古マンションの価格の推移
- 2. 中古マンションの価格が高い理由
- 3. 中古マンションの価格はどう決まるの?
- 4. 購入したい中古マンションが相場よりも高い、安い場合はどうすればいい?
- 5. 中古マンションの価格相場の調べ方
- 6. 中古マンションのおすすめのエリア【東京23区】
- 7. まとめ
東京都内の中古マンション価格は近年上昇傾向にあります。23区内の人気エリアになると、平均価格が1億円を超えるケースも見られるなど、コロナ禍でありながら、高い人気を誇っています。
この記事では、東京の中古マンションの販売価格の相場や販売価格の決め方、相場の確認方法などについて解説します。また、東京23区内でおすすめのエリアも紹介しているため、中古マンションの購入を検討している人はぜひ参考にしてください。
1. 中古マンションの価格の推移
中古マンションの価格は一定ではなく常に変動しています。ここでは近年の中古マンションの価格の推移について解説します。
1.1 上昇を続ける首都園の中古マンションの価格
首都圏の中古マンション価格は、2013年以降上昇傾向にあります。東京カンテイによると2020年は新型コロナウイルスが流行したにも関わらず、中古マンションの平均価格は3,487万円で、2010年以降でもっとも高い価格となりました。
また、2021年10月時点の中古マンションの平均価格は4,360万円となるなど上昇傾向に変わりありません。
1.2 東京23区の中古マンションの平均価格
2022年3月時点における東京都全体の中古マンションの平均価格は5,335万円でした。東京都のマンション価格は上昇し続けていますが、エリアによって変動の幅に違いがあります。大きく価格が上がっているケースもあれば、前年同月と比べてマイナスになっているケースもあります。
また、東京23区の平均価格を見ると、もっとも高いのは港区の1億917万円でした。2位は千代田区の1億391万円で、1億円超えはこの二つの区のみです。3位以降は渋谷区、中央区、目黒区が続いており、もっとも安いのは足立区の3,265万円でした。
23区内でも1位の港区と23位の足立区では3倍以上の差があるなど、エリアによって平均価格にも大きな違いが見られます。
各区の2021年3月と2022年3月の中古マンションの平均価格は以下のとおりです。
2021年3月(万円) | 2022年3月(万円) | |
港区 | 10,137.40 | 10,917.19 |
千代田区 | 8,667.55 | 10,391.56 |
渋谷区 | 8,671.03 | 8,524.69 |
中央区 | 6,897.72 | 6,990.14 |
目黒区 | 6,347.43 | 6,704.76 |
品川区 | 5,755.37 | 6,062.00 |
新宿区 | 5,436.87 | 6,000.87 |
文京区 | 5,123.58 | 5,725.33 |
世田谷区 | 5,251.89 | 5,649.58 |
江東区 | 4,927.69 | 5,625.22 |
豊島区 | 4,434.92 | 4,907.16 |
大田区 | 3,696.39 | 4,886.50 |
中野区 | 4,219.20 | 4,820.58 |
台東区 | 4,419.14 | 4,585.03 |
杉並区 | 4,285.83 | 4,509.36 |
北区 | 3,857.07 | 4,416.71 |
墨田区 | 3,775.51 | 4,406.19 |
荒川区 | 4,112.76 | 4,304.85 |
江戸川区 | 3,695.93 | 4,250.77 |
練馬区 | 3,588.80 | 4,054.88 |
板橋区 | 3,326.00 | 3,707.06 |
葛飾区 | 3,119.07 | 3,396.03 |
足立区 | 2,792.88 | 3,265.95 |
引用:ARUHIマガジン|東京都23区内の中古マンション情報
2. 中古マンションの価格が高い理由
中古マンションの価格が高い背景にはいくつかの理由が考えられます。ここでは、具体的な理由を紹介します。
2.1 ①新築マンションの価格が高い
中古マンションの価格が高くなる理由の一つが新築マンションの価格が高いことです。中古マンションの価格は新築マンションの価格と基本的には同じ動き方をします。
一般的には、まず新築マンションの購入を検討し、価格面での折り合いがつかなかった人が中古マンション市場へと流れ込んできます。そのため、新築マンションの価格が安い一方で、中古マンションの価格が高いといったことはありません。
新築マンションの価格が高くなると、価格面で断念する人が増え、中古マンションへのニーズが高まるため、中古マンションの価格も高くなります。
2.2 ②相続税対策・投資目的の購入
マンションを購入する人のなかには、自身が住むのではなく相続税対策や投資目的での購入をする人もおり、そのような層からの需要によって中古マンションであっても価格が高くなるケースがあります。タワーマンションを相続税対策・投資目的で購入する人は意外と多く、価格の高い部屋からどんどん売れていくケースも珍しくありません。
2.3 ③富裕層の二次取得者に中古マンションが人気
すでにマンションを所有している人が、二つ目のマンションとして中古マンションを購入することもあり、中古マンションの価格に影響を与えています。二つ目以降のマンションを購入する人のことを二次取得者といいます。
マンションは、一戸建てと比べると二次取得者の数が多い点が特徴です。二次取得者は、二つ目のマンションを購入できるほど資金に余裕のある富裕層が多いと考えられ、新型コロナウイルスによる経済的な損害を受けた人が少ないと予想できます。そのため、コロナ禍の昨今でも中古マンションの価格は高い水準にあると考えられます。
2.4 ④リモートワークによって郊外のマンション購入者が増えた
新型コロナウイルスの感染拡大によって、リモートワークに取り組む企業が増えました。リモートワークへの以降に伴い広い部屋を求める人による郊外需要が高まり、中古マンションの価格向上につながっていると考えられます。
2.5 ⑤低金利の住宅ローンと住宅ローン控除
住宅ローン金利は、低金利状態が続いており、返済期間中にも金利が変動する変動金利は0.3%〜0.4%台で推移しているほどです。
また、2019年10月に実施された住宅ローン控除の特例措置によって住宅ローンを組んだ人は税負担が優遇され、高い節税効果を得られるようになりました。
このように低い金利と税負担の優遇によってマンションを購入する人が増え、中古マンションの価格にも影響しているものと考えられます。
3. 中古マンションの価格はどう決まるの?
中古マンションの価格は新築マンションとは異なる決め方をします。ここでは、中古マンションの価格がどのようにして決まるのか解説します。
3.1 販売価格は誰が決めるの?
中古マンションの価格は、一般的に売主と不動産会社が相談して決めます。この点は、定価が決まっている新築マンションとは大きな違いです。
マンションの価値は立地や築年数、広さなどで決まります。中古マンションの価格は、これらの要素を踏まえたうえで周辺のマンションの相場を参考に決定するケースが多くなっています。
一方で、マンションの内装や設備のグレードは価格に大きな影響を与えるものではありません。これは、中古マンション購入者は、購入後にリフォームをするケースが多いためです。
3.2 販売価格が決まる要因
中古マンションの販売価格が決まる要因の一つが、マンションの築年数です。新築時と現在とでどのくらいの違いがあるかによって価格が決まります。築年数が経過している物件は専有部分の劣化も進んでいると考えられるため、価格は安くなりがちです。
ちなみに、需要の高さに対して物件数が少ないエリアなどは、築年数が経過していても価格がそれほど下がらないことも珍しくありません。
また、築年数以外のスペックも販売価格に大きく影響します。具体的には、間取りや構造、階数、部屋の向き、駅へのアクセス、治安、周辺環境の利便性などです。
これらの要因はマンションと直接関係のあるものであるため、ある程度予想できるかもしれませんが、経済的要因・社会的要因・行政的要因などマンションには直接関係ないマクロ的要因も価格に影響を与えます。
例えば、経済状況が悪いと、物件の購入希望者も減るため、マンションの価格は下がります。また、社会全体の人口が少なくなると、不動産を購入する人の数が減るためやはり価格が下がってしまいます。逆に、資材価格の高騰や人材不足による工事費用の高騰などで価格が高くなることもあるでしょう。
そのほかにも、政府や自治体がさまざまな施策を行うことで価格が変動します。先ほどもあげている住宅ローン控除は行政的要因の一つといえます。
3.3 販売価格の成り立ち
販売価格は、建物のスペックに加えてマクロ要員、不動産会社による査定などを踏まえて決まりますが、最終的に価格を決めるのは売主です。そのため、査定価格よりも高い価格となるケースや相場よりも高くなるケースも十分にありえます。
中古マンションは、新築マンションのように内装や設備が価格に影響することもなければ、賃貸マンションのように特定の季節になると高くなるといったことも基本的にはありません。
4. 購入したい中古マンションが相場よりも高い、安い場合はどうすればいい?
中古マンションの価格は、売主の判断によって決まるため、必ずしも相場価格に一致しているわけではありません。ここでは、相場よりも高い場合、安い場合の対処法について解説します。
4.1 中古マンションが相場より高くなる理由
中古マンションの価格が相場よりも高くなる理由は、売主が相場を気にせず、もしくは相場を把握せずに価格を設定しているためです。
中古マンションを売却する場合、不動産会社に物件を査定してもらいますが、査定結果に沿って価格を決めなければならないわけではありません。売主が査定価格よりも高い価格で売却したいと考えれば、相場よりも高くなることもあります。
4.2 相場よりも高い場合:値引き交渉をする
相場よりも高い場合は、値引き交渉を行いましょう。中古マンションを購入する場合、価格交渉をすることができます。中古マンションの価格交渉を行う場合、値引機額は5%程度が相場とされています。ただし、築年数が経過している物件であれば10%程度までは値引き交渉可能です。
価格交渉をするときは、周辺の中古マンションの相場を調べておきましょう。また、他の購入希望者の有無も確認しておくべきです。他にも購入希望者がいると、より高い価格で購入してもらえる人を売主が選ぶため、価格交渉自体に応じてもらえない可能性があります。
4.3 中古マンションが相場より安くなる理由
中古マンションが相場よりも安くなるケースも少なくありません。安くなる理由として考えられるのが、売主ができるだけ早く物件を売却したいと考えているケースです。何かしらの理由で早急に資金が必要になるケースもあるため、価格をあえて安く設定して早く売却し、早く手元にお金が入って来るようにしたいと考える人もいます。
その他にも、自殺や事故があった物件は相場よりも安くなる傾向にあります。これは、事故物件を避ける人が多く、価格を抑えなければ買主が見つからないためです。
4.4 相場よりも安い場合:安い理由を理解する
価格が安い=ワケあり・リスクがあると考える人もいるかもしれませんが、価格が安いからといって必ずしも悪いわけではありません。先ほども説明しているように、早く売りたいために安く設定しているケースもあります。また、物件自体のスペックは高いものの、線路が近い、歓楽街が近いなどの理由から価格が安くなっていることもあるでしょう。
相場よりも安い物件を見つけた場合、なぜ安いのか理由を把握し、その理由が受け入れられるものであれば購入を検討してみてください。
5. 中古マンションの価格相場の調べ方
中古マンションの価格相場は、さまざまな方法で調べることができます。ここでは具体的な調べ方を三つ紹介します。
5.1 国土交通省の「土地総合情報システム」
国土交通省では、「土地総合情報システム」を運営しており、一般の人でも利用することができます。
システムでは、過去の不動産取引に関するデータを四半期単位で調べることができ、具体的な取引価格や都道府県地価調査の結果なども検索可能です。物件別にエリアや築年数、広さなどの項目が記載されているため、自分が希望する物件に似た物件をいくつか調べることで相場をある程度把握することができます。
5.2 東京カンテイの市況レポート
東京カンテイはとは、全国のマンションの価格情報や図面などを配信しているWebサイトです。「70㎡換算価格推移」や「沿線別・駅別価格」などさまざまな方法で中古マンションの価格を調べることができます。
また、「価格天気図」というものもあり、価格が上昇傾向にある場合は晴れマークが、下落傾向にある場合は雨マークが表示され流など直感的に相場を把握することも可能です。
5.3 不動産ポータルサイト
不動産会社が運営する不動産ポータルサイトのなかには、中古マンションの価格相場を提示しているケースもあります。市区町村単位や最寄駅などで条件を絞り込んで価格を調べることも可能です。手軽に調べられるため、大まかな相場を知りたいといったときにも活用可能です。
6. 中古マンションのおすすめのエリア【東京23区】
ここでは、東京23区の中で中古マンションを購入するときにおすすめのエリアを紹介します。各区によって特徴や利便性は大きく異なるため、ぜひ参考にしてください。
6.1 新宿区
新宿というと新宿駅周辺の人混みをイメージする人もいるかもしれませんが、区自体は範囲が広く、繁華街やオフィス街だけでなく公園や住宅が多いエリアもあります。
また、新宿区内はJRをはじめとして私鉄や地下鉄が通っており、各地へのアクセスにも優れています。都心で働いている人であれば、通勤時間を大幅に短縮することも可能です。ショッピングや外食に困ることもないため、生活しやすいエリアだといえるでしょう。
6.2 港区
港区は、新築住宅よりも中古住宅の流通量のほうが多い点が特徴です。リーマンショックによって新築住宅の戸数が減った一方で、中古住宅は安定して増えているなど、中古マンションを購入しやすい環境にあります。
中古住宅が多い背景としては、もともとの物件数が多いことに加え、質の高い中古住宅が多いことなどが考えられます。数が多い分、選択肢も多くなるため、自分の理想とする中古マンションを見つけやすいでしょう。
6.3 中央区
中央区は、23区の中心に位置しており千代田区や港区などにもアクセスしやすいなど人気のエリアです。また、区内には銀座や築地などの人気スポットもあり、商業施設も充実しているなど、周辺環境は申し分なしです。
また、同じ中央区でも人形町や日本橋など古くから住宅が多いエリアもあります。月島の再開発によってマンションが増えており、今後は中古マンションの数もさらに増えると考えられます。
6.4 世田谷区
世田谷区は23区内のなかでも最も人口が多い区です。二子玉川や三軒茶屋、下北沢といった人気の街、成城のような高級住宅街なども世田谷区にあります。人口が多いこともあり、住環境も整備されており、治安も比較的いいとされています。
商店街が充実しているエリアもあるため、住みやすさを感じることができるでしょう。区内にはJR線こそありませんが、小田急線や京王線、京王井の頭線、田園都市線などが走っており、都心へはもちろんのこと郊外へのアクセスにもしやすくなっています。
6.5 江東区
江東区は、近年になって評価が上がってきているエリアです。都心からの距離が近い一方で、自然が多く、再開発による綺麗な街並みもあるなど魅力的なポイントが多くなっています。南砂町や大島などのエリアは物件価格が上昇傾向にあるものの、同じ江東区の豊洲周辺と比べると比較的割安であり、狙い目のエリアだといえるでしょう。
区内には、JR線、東京メトロ東西線、有楽町線、半蔵門線、都営新宿線、都営大江戸線、ゆりかもめなどさまざまな路線が通っているため、各地へのアクセスもしやすくなっています。
6.6 渋谷区
渋谷区は、渋谷駅周辺や代官山や原宿といった若い世代に人気のエリアが集まっている点が特徴です。買い物や通勤、通学など日常生活を送るうえで不便さを感じることはほとんどないでしょう。また、代々木公園や明治神宮など、自然に触れられるスポットも充実しています。
渋谷区はベンチャー企業があるなど、ビジネスパーソンも多く集まる町です。渋谷で中古マンションを購入して、区内の企業に勤務するといったこともできます。
6.7 目黒区
目黒区は、渋谷区、品川区、世田谷区、大田区に隣接している23区南西部に位置する区です。住みたい街としてよく名前が上がる中目黒や自由が丘も目黒区にあります。また、桜が一面に咲く目黒川も有名です。犯罪件数が少ないエリアでもあるため、女性居住者の割合が多い点も特徴です。
区内には京王井の頭線、東急東横線、東急大井町線、東急目黒線、東京メトロ日比谷線が通っており、都心や神奈川方面へのアクセスもしやすくなっています。
7. まとめ
今回は、東京の中古マンションの価格や価格が決まる要因、おすすめのエリアなどについて解説しました。東京都内における中古マンション価格は近年上昇傾向にあります。
港区や千代田区などの都心は中古マンションの平均価格が1億円を超えるほどです。一方で、23区内でも価格には大きな違いがあります。中古マンションの価格は売主の意向によって決まるため、相場よりも高い・安い物件も少なくありません。物件選びのときは、なぜその価格になっているのか理由を把握しておくことが大切です。