住宅ローン控除の特例措置が2022年末まで延長。適用条件に一部変更がある点にも注目

最終編集日: 2021年02月14日
住宅ローン控除の特例措置が2022年末まで延長。適用条件に一部変更がある点にも注目

住宅ローン控除の特例措置が2020年末で終了する予定でしたが、令和3年度税制の大網により2022年末まで延長されることになりました。


住宅ローンとは、住宅を取得するために利用できるローンです。 居住用の土地・建物を担保に借入れることができ、大きく銀行ローンと「フラット35」が主流となっています。 借入れには、借入れする人・物件の両面からの審査があります。


消費税の救済措置として定められた住宅ローン控除特例が、新型コロナウイルスの影響で入居できない場合などを考えみて、2022年末まで延長することが決まりました。また、今から住宅を購入し2021年3月1日から2022年12月31日までに入居した場合、10年の控除期間が特例により13年間に延長されます。今回の税制改正の大網では住宅ローン控除の期間延長だけではなく、床面積や年収などの条件が変更されました。


そこで今回は、令和3年度税制改正の大網による住宅ローン控除の変更点や注意点まで、詳しく解説していきます。

住宅ローン控除とは、年末のローン残高の1%が所得税または住民税から10年間控除される仕組み

住宅ローン控除は、年末のローン残高の1%が所得税または住民税から10年間控除される仕組みです。


例えば、ある年の年末のローン残高が3,000万円の場合を例にしてみます。年末のローン残高が3,000万円であるため、その1%である30万円が所得税または住民税から直接差し引かれます。そのとき、所得税が1000万だった場合、1000万の所得税である330万円から30万円が引かれるということになります。


時間の経過とともにローン残高は減っていきますが、ローン残高の1%が所得税または住民税から直接差し引かれる住宅ローン控除は、多くの方にとって利用価値の高い制度といえるでしょう。


本来住宅ローン控除は10年間という期限が設定されていましたが、2019年10月の消費税増税の救済措置として、「消費税率の増税がなされた2019年10月1日から2020年12月31日までの期間に、住宅ローンを利用して一定のマイホームを取得し」かつ、「2020年12月31日までに入居した人」に関しては通常より3年長い、13年間の控除期間が認められます。


今般、新型コロナウィルス感染症の影響により、後半の「2021年12月31日までに入居した人」ですが、13年控除の対象となるマイホームを取得した後、そのマイホームへの入居が2020年12月31日までにできない事情が生じた場合には、2021年12月31日までの間に入居することで13年控除を適用することができる特例も設けられました。


なお、この延長の特例の適用を受けるには、新築の場合には2020年9月30日までに契約締結がなされている必要があり、建売住宅等の場合には2020年11月30日までに契約締結していることが必要となります。


また、加えてこれから住宅を購入をする方にも適用されます。新築の場合には2020年10月から2021年9月、建売住宅等の場合には2020年12月から2022年11月に契約締結をし、2021年3月から2022年12月までに入居した場合も控除期間が13年になります。


※住宅ローン控除適用期間の11~13年目は次のいずれか少ない金額が控除限度額となります


年末残高等(上限5,000万円)×1%

[住宅取得対価の額-消費税額](上限5,000万円)×2%÷3%


参考:国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1213.htm


住宅ローン控除の期間の延長以外にも変更点がある

今回の税制改正の大網では、住宅ローン控除の13年間の適用期間延長以外にも変更点がいくつかあります。


変更点を以下の2つにまとめてみました。


1. 控除期間13年の特例措置の延長分は床面積を40㎡に緩和

2. 住宅取得資金に係る贈与税非課税措置は2021年12月末まで延長


参考:国土交通省 https://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000164.html

控除期間13年の特例措置の延長分は床面積を40㎡に緩和

住宅ローン控除はどのような住宅でも受けられるわけではなく、原則として床面積が50㎡以上である物件が条件となっています。しかし今回の住宅ローン控除の特例措置の延長に伴い、床面積の条件が40㎡に緩和されました。


床面積の条件が緩和された背景は、単身や2人世帯の増加で小規模物件の住宅が増えていることから考慮されています。これにより住宅ローン控除の適用外であった、1LDKなどの住宅でも住宅ローン控除が適用されるようになりました。


ただし、適用条件に2点注意点があります。

  1. 床面積が40㎡以上50㎡未満の物件で住宅ローン控除を適用させるには、契約者の合計所得金額1,000万円以下であることが盛り込まれています。

  2. 今回の税制改正の大網で、契約日が2020年9月末または同年11月末の方は対象外となります。床面積の緩和はこれから住宅を購入される方のみが対象となる点にご注意ください。


参考:国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html


住宅取得資金に係る贈与税非課税措置は2021年12月末まで延長

住宅取得資金に係る贈与税非課税措置とは、住宅を購入する際に初期費用の負担を軽減する目的で、父母や祖父母などの直系尊属から住宅の購入・増築のために資金を贈与により受けた場合に一定金額が非課税になる制度です。


非課税になる金額は、契約日や住宅の種類によって変わりますので、詳細はこちらからご確認ください。


2021年4月からは住宅取得資金に係る贈与税非課税措置の金額が引き下げられる予定でしたが、今回の住宅ローン控除の期間延長に伴い2021年12月末まで引き下げが行われない措置が取られます。


特に「消費税率8%の適用を受けて住宅を取得、または個人間売買による既存住宅を取得した人」の場合、質の高い住宅で1,200万円、それ以外の住宅で700万円に引き下げられる予定でしたので、該当する住宅を購入された方の恩恵は大きくなるでしょう。


参考:国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000018.html


まとめ


住宅ローン控除は多くの方にとって、大きな節税対策となります。今回の税制改正大網により、住宅ローン控除の適用期間10年が13年に延長されています。


また床面積の条件も緩和され、これから住宅を購入検討される方にとってメリットも多くなってきているといえるでしょう。



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