台風や地震が発生する前に!日常的に備えておきたいマンションの自然災害対策とは?
公開日:2022年07月26日 最終編集日:2022年07月26日
目次
- 1. マンションで備えておくべき自然災害とは?
- 2. 知っておこう!マンション自体の防災設備
- 3. 自分で対策!台風などの風水害に備える
- 4. 台風が来ることが分かったら
- 5. 強風域・暴風域に入ったら
- 6. 自分で対策!地震に備える
- 7. 二次災害への備え
- 8. まとめ
近年、異常気象が増えており、自然災害による建物への被害も増加しています。
災害の報道を見るたびに、不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?自然災害の被害を最小限に抑えるためにも、個人個人が事前に対策を行う必要があります。
今回は、日常的に備えておきたいマンションの自然災害対策についてご紹介します。
1. マンションで備えておくべき自然災害とは?
自然災害は、「気象災害」と「地象災害」の2種類です。
「気象災害」とは、洪水や強風、雷、大雪などの天候によって発生する自然災害のことです。「地象災害」とは、地震や土砂、津波、火山現象などの地下や地上などの自然災害です。
それぞれマンションで備えておくべき自然災害について詳しく解説します。
1.1 台風などの風水害
マンションで備えておくべき自然災害は、台風などの風水害です。
台風は、天気予報などを活用することで事前に備えることができますが、老朽化により建物自体が破損する可能性があるため、気を付けなくてはいけません。
「気象災害」で発生する被害は2段階に分かれています。
一次被害は、窓ガラスの飛散や浸水、落雷、壁の崩落、屋根の破損です。二次被害は、電気や水道に関するインフラ設備の遮断や道路や電車が使えなくなる交通遮断です。
一次被害と二次被害の対策を施す必要があり、自分でできる対策から取り組んでみましょう。
1.2 地震
マンションにお住まいの方は、「地象災害」にも備えておく必要があります。
地震は、地下や地上で起こる自然災害のため、いつ発生するか予想することはできません。そのため、常日頃意識を持って、備蓄や建物のメンテナンスをしておかなければなりません。
「気象災害」と同様に「地象災害」にも、一次被害と二次被害があります。
一次被害は、津波や土石流、地震による建物の倒壊や家具、窓ガラスの破損の可能性があります。二次被害は、電気や水道に関するインフラ設備の遮断や道路や電車が使えなくなる交通遮断や火災の発生です。
「地象災害」は、建物の状況や立地条件によっても被害規模が異なります。災害発生時は、心理状態も不安定になりやすいため、いざという時に備えて対策を施しましょう。
2. 知っておこう!マンション自体の防災設備
今、お住まいのマンション自体の防災設備について詳しく知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
マンション自体の防災設備を知っておくと、災害の発生時に焦らずに対応することができます。マンションの標準装備として、どのようなものがあるのかをご紹介します。
2.1 マンション自体の防災設備にはどんなものがあるの?
災害発生時には、ライフラインの遮断が想定されるため、マンション自体の防災設備には、「非常用飲料水生成装置」や「マンホールトイレ」があります。その他にも、ガスが止まることを想定して、「かまどスツール」も準備されています。
「非常用飲料水生成装置」は、ガソリンを燃料とする発電機を接続して動くタイプで、マンションの屋上から取り入れた雨水を利用するものです。
「マンホールトイレ」は、マンホールの上にセットして、非常時に簡易トイレとして活躍します。
「かまどスツール」は、通常はベンチとして利用し、ふたを開けるとかまどになっています。災害時には炊き出し用のかまどとして活用することが可能です。
マンションによって、装備している道具は異なるため、自分が住んでいるマンションの設備を確認しておくことをおすすめします。
2.2 今住んでいるマンションの防災設備はどうなっている?
マンション自体の防災設備は、住んでいるマンションによって差があります。
例えば、大きな規模のマンションには、世帯数に合わせた数のトイレが準備されている場合もあれば、マンションに1つしかないところもあります。
事業主の考えに沿って備蓄量を決めている場合が多いため、自分が住んでいるマンションの防災設備にはどのようなものがあるのかを知っておくと安心です。
マンションの隣に住んでいる人がどのような人なのかを知らない方も多いのではないでしょうか?現代は、居住者同士でコミュニケーションをとる機会が少なくなっています。
災害が発生した時は、周りの人との助け合いが大切です。地震が発生した時に、協力し合える関係性を築くためにも、今住んでいるマンションがどのような防災設備や防災訓練、対策を施しているかを知ることもポイントでしょう。
3. 自分で対策!台風などの風水害に備える
台風などの風水害に備えて、自分でできる対策を行う必要があります。
台風は、強風や大雨が予想され、外にものが出してある状態だと飛ばされてしまう可能性があります。そのため、台風対策として「バルコニーの片付け」に取り組んでください。
バルコニーに物干し金物や洗濯用品、植木鉢などを設置している方は強風によって、物干し金物や洗濯用品、植木鉢などが飛ばされてしまう可能性があります。
飛ばされたものが窓ガラスを突き破って、室内に侵入するケースもゼロではありません。
台風前は天気予報を確認し、自分でできる対策に取り組みましょう。
3.1 対策をしないと重大な責任を問われる可能性がある
台風の対策をしないと重大な責任を問われる可能性があります。
バルコニーの排水口にゴミや落ち葉などが溜まっていると、雨水が排出されず、排水管が詰まり下の階へ水漏れトラブルに陥ることもあるでしょう。その他にも、自分の家に置いてあるものが飛ばされて事故になってしまう可能性も否定できません。
トラブルを避けるためにも、災害の対策を行うことが重要です。
4. 台風が来ることが分かったら
台風が来ることが分かったら、被害が発生しないようにする必要があります。台風情報を確認し、早めに行動することがポイントです。
どのような対策があるのかを詳しくご紹介します。
4.1 バルコニーに設置しているものを室内へ移動
台風が来ることが分かったら、バルコニーに置かれているものを室内へ移動しましょう。
ベランダで家庭菜園やお花などの植物を育てている方は、台風によって植物が飛ばされてしまう可能性があるため、対策を施すことをおすすめします。
植物の鉢は少しの衝撃でも割れやすく、破片が凶器になってしまいます。プラスチックのプランターは重量感がないため、風で飛ばされやすく、ひっくり返ってしまうため、室内に取り込んで置きましょう。外履きのサンダルなどを置いている方は、玄関に移動するようにしてください。
4.2 バルコニーに設置しているもので移動できないものは固定する
バルコニーに設置しているものの全てを室内に移動することができる訳ではありません。
動かすことができないものは固定する必要があります。例えば、ベランダに大きな植木鉢を置いており、移動が難しい場合は、風が当たりにくい場所に集め、縛るなどして固定しておくことが重要です。
その他にも、物干し金物は一番低い位置までたたみ、物干し竿は固定しておきましょう。
台風はいきなり勢いが強まったりする可能性があるため、台風が近づく前に、時間に余裕を持って取り組むことをおすすめします。
4.3 バルコニーの排水溝を掃除する
台風が来ることが分かったら、バルコニーの排水溝を掃除しましょう。
植物は置いていないから、排水溝の掃除は関係ないとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。落ち葉やゴミが飛んでくることによって、排水溝が汚れていることもあります。
バルコニーの排水口を掃除していないと、台風で大雨が降ったときに排水ができず、部屋の中に水が入ってきてしまうケースも考えられるでしょう。
バルコニーに植物を置いている方は、枯れた葉が落ちて、排水溝に詰まりやすいので、特に注意してください。台風前だけでなく、定期的に排水溝の掃除をすることをおすすめします。
4.4 窓ガラスの内側に飛散防止対策をする
窓ガラスの内側に飛散防止対策を施すと、万が一、窓ガラスが割れた時に被害を最小限に抑えることができ、怪我の防止に繋がります。
後述でも詳しく解説しますが、「カーテンを閉める」ことも併せて行うようにしてください。
飛散防止対策として、「飛散防止フィルム」や「養生テープを米の形に貼る」、「段ボールを貼る」ことが挙げられます。
窓ガラスの飛散防止対策を行うときは、必ず内側から行うようにしましょう。窓の外側に段ボールなどを貼ってしまうと、強風で飛ばされてしまい、走行中の自動車の視界を妨げてしまうケースも考えられ、大変危険です。
4.5 車やバイク、自転車への対策も忘れずに!
マンションによっては、車やバイク、自転車の置き場所が地下フロアのところもあります。
地下浸水を防ぐための排水装置が付いている物件もありますが、全ての物件に設置されている訳ではありません。
浸水ハザードマップで水害が想定される地域にお住まいの方は、台風が接近する前に安全な場所に移動させておくことをおすすめします。
移動後は、バイクや自転車が車輪止めに固定されているか、カバーが飛ばされないかどうかをしっかりと確認しておきましょう。
5. 強風域・暴風域に入ったら
強風域・暴風域に入ったら、不要不急の外出は避け、屋内の備えを行いましょう。
海の様子を見に行ったり、河川や用水路に近づいたりすることは大変危険ですので、やめてください。また、屋外の作業は強風により転落の恐れもあるため、台風が来る前までに済ませておきましょう。
台風は、急に進路が変化することや進むスピードが変わることも多いため、最新の情報を取り入れる必要があります。
5.1 カーテンを閉める
強風域・暴風域に入ったら、カーテンやブラインドを閉めましょう。その他にも、雨戸を閉めておくと安心です。
万が一、強風によってガラスが割れてしまったとしても、カーテンやブラインドが破片の飛び散りを防いでくれます。
台風が接近しているときは、窓や壁から離れ、家の中央部分で待機することがおすすめです。全ての部屋のカーテンが閉まっているかを確認しましょう。
5.2 換気システムをオフにする
強風域・暴風域に入ったら、換気システムをオフにしましょう。
2003年7月以降に建築されたマンションは、改正建築基準法に基づき、24時間換気システムが設置されています。
「換気システム」とは、約2時間で室内の空気が入れかわるものです。各部屋の壁面には、スムーズな換気を促すために「給気口」が設けられています。強風域・暴風域に入ると、雨風が給気口から室内に吹き込んでくる可能性があるため、給気口を閉じてください。
その後、換気システムを停止します。換気扇も強風により、ファンが逆回転して故障する恐れがあるため、停止しておきましょう。
台風が過ぎたら、給気口を開き、換気システムを稼働させることを忘れないようにしてください。
6. 自分で対策!地震に備える
地震はいつ発生するか予測ができないため、常日頃地震に備える必要があります。
地震が発生した時に、対策を施しているかどうかによって、地震発生後の部屋の状態が変わってきます。
例えば、地震によって部屋が散らかった状態になってしまうと避難しようとしたときに逃げ遅れてしまう可能性もあるでしょう。
地震対策を施している部屋とそうでない部屋では、危険性が異なると言っても過言ではありません。
自分でできる地震対策をご紹介しますので、取り組んでみてください。
6.1 家具類に転倒・落下・移動防止対策をする
地震に備えて自分でできる対策は、家具などの倒れそうなものに転倒・落下・移動防止対策を行うことです。
地震発生時に家具類が転倒・転落・移動すると、避難するときに怪我をする恐れがあります。大きな家具には、突っ張り棒やL字を設置し、時計などは落下しないように固定してください。特にマンションの高層階にお住まいの方は、部屋が揺れやすいため、気を付けましょう。
6.2 避難時にはブレーカーを落とす
避難時にはブレーカーを落とすことを忘れないでください。
地震が発生し、停電してしまうと復電したときに配線のショートによって通電火災が発生する可能性があります。
通電火災は、ブレーカーを落とすことで回避することができますが、地震発生後は避難することで頭がいっぱいになり、忘れがちです。
地震を感知すると自動で落ちる感震ブレーカーもあります。通電火災を防ぐためにも設置を検討してみてはいかがでしょうか?
7. 二次災害への備え
二次災害へ備えて、困らないようにする必要があります。
例えば、水やレトルトカレーなどの食品ストックを増やしたり、日常備蓄しておくもの、スマホなどバッテリーを充電するものがあると便利です。
二次災害には何を準備しておくべきかを詳しくご紹介します。
7.1 災害時に備えた食品ストック
災害時には、食品が品不足になりがちです。そのため、食料品は、3日から1週間分準備しておくと安心です。
食品は、長期間保存できるものをストックしておくことをおすすめします。日常の食料品とストックする食料品を併せることで、備蓄の量を増やすローリングストックという方法もあるため、ぜひお試しください。
7.2 災害時にあると便利な日常備蓄
災害時にあると便利な日常備蓄は、「ラップ」と「ポリ袋」です。
災害が発生すると、断水する可能性があります。皿の上に「ラップ」を重ねると、食器が汚れずに済みます。また、包帯代わりにもなるでしょう。
「ポリ袋」の用途は多岐に渡り、手袋として利用することができるだけでなく、貴重品入れとしても代用できます。
7.3 停電に備えたバッテリーの充電
災害の発生時には、最新の情報を取り入れることが大切になります。
停電していると充電ができずに、電源が切れてしまう可能性もあるでしょう。充電用のバッテリーや災害時にも使用が可能なWi-Fi情報を調べておくことをおすすめします。
7.4 防災マップで避難場所の確認
防災マップで避難場所の確認をしておくことが重要です。また、避難場所だけでなく、避難場所までの経路も知っておきましょう。
避難場所を3つほど探し、避難経路も3コース想定しておくと安心です。
7.5 マンションの管理会社や管理組合(代表者)の連絡先の確認
災害発生時に、マンション内でトラブルが発生した時、すぐに管理会社に連絡することができるよう管理組合(代表者)の連絡先を確認しておくようにしましょう。
マンションで困ったことがあったときのサポート窓口も知っておくと役立ちます。
7.6 住まいに関する保険への加入
住まいに関する保険に加入していると、震災後頼りになります。
災害リスクへの対応を補償してくれる保険は、「火災保険」です。「火災保険」は、自然災害にも適用されます。「火災保険」に加えて、「地震保険」もあります。「地震保険」は、建物や家財が対象となり、「地震保険」のみの加入は認められておらず、「火災保険」に付帯するものです。
8. まとめ
日常的に備えておきたいマンションの自然災害対策について解説しました。
いつ発生するかわからない自然災害に対応できるよう、常日頃自分でできる対策を施す必要があります。自分の身を守るためにも、避難場所や避難経路を確認しておきましょう。