マンションの騒音トラブルとは?トラブルにならないための対策を紹介!

公開日:2022年05月12日   最終編集日:2022年11月01日

マンションの騒音トラブルとは?トラブルにならないための対策を紹介!
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目次

マンションでは多くの人が限られたスペースの中で生活しています。お互い気を付けていても生活上のトラブルは発生します。
できるだけトラブルは避けたいですが、マンションにはたくさんの世帯が住んでいるため些細なことからトラブルに発展してしまうケースがあります。


今回はマンションで発生するトラブルにはどんなものがあり、その場合にどのように対処したら良いかについて考えていきます。

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1. マンショントでおこるトラブルとは?

平成30年度マンション総合調査」が国土交通省から発表されました。この調査によると、全国のマンションの55.9%で住民トラブルが発生しています。
そのトラブルの具体的な内容としては「生活音」が38.0%と最も多くを占めていることがわかりました。生活音は多くのトラブルの原因となっています。マンションのトラブルの実態がどのようなものなのか調べてみました。
「平成30年度マンション総合調査」住民トラブル種類

1.1 マンションでのトラブルの第1位は「生活音」

人間は生活するうえで意外と多くの音を出しています。ただ歩くだけでも足音は下の階に響いてしまいます。物を床に落としてしまうと下の階だけでなく、他の住戸にも聞こえてしまうこともあります。
また、家電品の音は生活するうえで避けては通れないものです。生活の上で欠かせない洗濯機や掃除機などの家電品の音がトラブルの原因となることもあります。
生活音は、聞く人によって耐えられる限度が異なります。わずかな音でもうるさいと感じる人がいる一方で、大きな音でも気にならない人もいます。「これくらいならいいだろう」「まだ遅い時間じゃない」とテレビの音量を上げるとトラブルになってしまうこともあります。


このように、生活するうえで音はどうしても出てしまいます。そして音に耐えられる限度は人によって異なることが、より問題を大きくしています。

1.2 騒音以外のトラブル

先ほどの「平成30年度マンション総合調査」では騒音以外のトラブルも多く記載されています。まずは違法駐車です。多くのマンションでは駐車場は有料で駐車できるスペースは規約で決められています。本来は駐車できない場所や他の人の駐車スペースに駐車してしまうとトラブルになります。


ペットの飼育もトラブルの上位となっています。なかでもペットのしつけに関するトラブルが多く、価値観の違いからトラブルに発展することがあります。ペットの飼育についてはマンションごとに管理規約や規則で決められています。ペットを飼育する際は、マンションのルールを守ることが大切です。


共用廊下等への私物の放置等も問題となっています。マンションは敷地や建物を共同で利用する形態です。各住戸が利用できるスペースは限られています。また、共用部分である廊下やベランダは災害時の避難経路です。私物の放置が避難時の妨げにならないよう気をつけなければなりません。

2. マンションで騒音トラブルになる2種類の音

騒音トラブルになる2種類の音

騒音と言うとうるさい音、といったイメージがあります。ただ、それだけではないのが騒音問題の難しいところです。音を出している本人はそれほど気にならない音でも、騒音トラブルの元となるものはあります。音の伝わる性質を理解しておくとトラブルを防ぐことが出来ます。ここでは空気を伝わる音と固体を伝わる音について考えていきます。

2.1 空気音(空気伝播音)とは

音源から空気の振動を介して伝わる音を空気音または空気伝播音と言います。その代表例は話し声やテレビの音です。マンションの外を走る車の騒音もこれに分類されるでしょう。
こうした空気音はまだ対処のしやすい騒音と言えます。音は空気で伝わるため、その空気を遮断してしまうのが効果的です。
例えば窓を閉める、厚手のカーテンを閉めると言った対策でも効果を発揮します。可能であれば、吸音材を取り付けるとさらに効果的です。

2.2 固体音(固体伝播音)とは

空気を伝わる空気伝播音に対して、固体を伝わる音を固体音または固体伝播音と言います。固体は気体である空気よりも密度が高いことからその伝わるスピードも高速です。
材料にもよりますが、空気中を伝わる音の15倍に達することもあります。また、空気よりも伝わる距離も長く、その大きさも衰えにくいものです。
代表例としては床に物を落とした時の衝撃音、歩行時の音などが該当します。水を流した際の音は配管が振動して鳴る場合には固体伝播音です。
固体伝播音は、遠くまで音が伝わるため、発生源を特定することは容易ではありません。マンションで言えば躯体そのものが振動しているため、躯体に音が伝播することを防ぐ必要があります。効果的なのは床にカーペットを敷くことです。カーペットがあれば歩行音程度なら防ぐことができます。

2.3 生活音の大きさの目安

音の大きさはデシベルという単位で表します。


環境省では住居における騒音の基準値を、昼間では55デシベル以下・夜間では45デシベル以下と定めています。
環境省:住居における騒音の基準値




騒音の大きさのデシベルの目安は以下となっています。ぜひ参考にしてみてください。

騒音の大きさのデシベルの目安

これらのうち、60デシベルまではマンションでの生活に大きな影響はありません。マンションの持つ防音性能で防ぐことができるからです。実際には70デシベル以上が問題となります。

3. 知っておきたいマンションの構造と騒音の関係について

国内には多くのマンションがあり、これらのマンションは構造的には大きくRC造、S造、SRC造の3種類に分けることができます。これらは性能やコストの面でそれぞれ特徴のある構造です。ここではマンションに住む前に知っておきたい構造と騒音の関係について紹介します。

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3.1 RC造の特徴

RC造は鉄筋コンクリート造の略称となります。


鉄筋をコンクリートで包み込むため、高い剛性、耐久性を誇る構造です。コストはかかるものの、それを上回るメリットがあることから多くのマンションで採用されています。RC造に採用されているコンクリートは密度が濃い物質です。このため、高い防音性を発揮することができます。


このように防音性の高いRC造ですが、注意点もあります。同じRC造でも築年数によって防音性能には差があることです。一般的に築年数が経過している物件ほど防音性能は低くなる傾向にあります。
また、気を付けなければならないのが各住戸間の壁です。その壁が耐力壁ではない場合、壁が薄く防音性能が低いことがあります。

3.2 S造の特徴

S造とは鉄骨を使う構造です。


S造は厚さ6mm以上の鉄骨を使う重量鉄骨造と6mm未満の鉄骨を使う軽量鉄骨造に分類されます。マンションでは重量鉄骨造とするのが一般的です。構造的には防音性能に優れているわけではありません。重量鉄骨造は柱が太い分、壁も厚くなります。
このためそこに吸音材などを詰めておけば高い防音性能を発揮することが可能です。とはいえ重量鉄骨造は軽量鉄骨造よりは多少防音性能が高いものの、RC造には及びません。このため、どのような防音対策がなされているのか確認する必要があります。

3.3 SRC造の特徴

SRC造は鉄骨をコンクリートで包み込む構造のことです。


S造とRC造を組み合わせた構造と言えます。SRC造は建設コストもこれまで紹介した構造の中で最も高いものです。それだけのコストを投じても十分に販売できるような高層のマンションや高級なマンションで採用されています。建設コストをかけるSRC造だけあり、防音性能の面でもこれまでの構造の中で最も優れた構造です。もし防音性能を構造だけで選ぶならSRC造がおすすめです。

3.4 防音に優れているのはSRC造のマンション

防音性で選ぶならSRC造のマンションです。
構造上もSRC造は高い防音性能を発揮してくれます。それに加えてSRC造は優良なマンションで多く採用される構造となっています。
高級なマンションともなれば、構造の他にも吸音材や精度の高い施工などで防音性能をさらに高めているからです。このように構造と仕様の両面からSRC造は高い防音性能が期待できます。その一方で建築コストがかかることから、分譲価格や家賃はSRC造だと高くなってしまうのがデメリットとなります。

4. マンションの騒音トラブルを事前に防ぐ対策とは?

トラブルにならないための対策とは?

せっかく入居した新居で騒音が原因でトラブルになりたくはありません。
また、騒音が問題となるとわかっているマンションに入居したくはないものです。トラブルをできるだけ未然に防ぐには事前の対策が不可欠となります。
ここでは、大きく契約前と入居後に分けて個人でもできる防音対策のご紹介です。トラブルにならないための対策について考えていきましょう。

賃貸マンションの防音対策を解説!物件の選び方や防音対策で快適な暮らし

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4.1 契約前にマンションの構造や部屋の間取りを確認する

契約前の一番早い段階で防音性能を確認できるのは新築物件であればパンフレット、中古物件であれば物件概要書です。


新築物件の場合、防音性能は大きなアピールポイントとなります。
防音性能の指標としてよく利用されるのがL値です。
L-40やL-35といったように表示されます。この数字が小さいほうが防音性能は高くなります。中古物件の場合でも販売時のパンフレットやネットの情報が残っていることがあります。こうした情報を元に数値としての防音性能を把握することが可能です。


また、内覧の際に防音性能を確認しましょう。
窓を閉め切った状態で外からの音の入り具合を確認したり、壁を叩いてみて音の伝わり具合をチェックすることもおすすめです。中古物件であれば、そこで生活している人もいます。他の住戸からの生活音がどれくらい聞こえるのか、内覧はそれを確認する絶好の機会です。

内覧時やその後の交渉では販売会社の担当者、仲介業者の担当者が窓口となります。騒音や防音性能についての質問は忘れずにしましょう。中古物件の場合はそれに加えて管理組合や総会でどんな問題が話されているのか確認することも大事です。騒音に関する問題が少ないマンションなら、騒音に悩まされる可能性が少なくなります。内覧で内部を見学できるとはいえ、短時間で騒音をはじめすべての問題をチェックすることは困難です。わからないことや疑問に思ったことは担当者に質問してみましょう。

4.2 入居後は管理組合に確認してみる

入居後にできることもあります。
入居すると発生するのが管理組合との関係です。管理組合はマンションの居住者が中心となって組織しています。管理組合にはマンション内での多くの問題が寄せられるものです。入会時にそれとなくどんな問題があるのか聞いてみるのも効果的な方法となります。

4.3 床に防音マット・カーペットを敷く

子供やペットの足音には床に防音マット・カーペットを敷くことで足音が響きにくくなります。持ち家であれば床を音が響きにくいものに変更するのも一つの方法です。

4.4 生活家電は防音シート・防振ゴムを設置する

洗濯機や掃除機などの生活家電は音とともに大きな振動も響いて伝わります。防音シート・防振ゴムを設置することで振動を抑えることができます。
また生活家電は早朝や遅い時間の使用を避け、使う時間にも気を配るようにしましょう。

4.5 窓や壁に防音フィルムや遮音シートを貼る

室内の音は窓や壁を通しても外部へ伝わります。外部へ音を漏らさないために窓に防音フィルムを貼ったり、壁に遮音シートを貼ることで音が外部へ響くのを防ぐことができます。ただ遮音シートは、音が跳ね返るため室内で反響する可能性があります。遮音シートを使用する場合は、吸音材も一緒に貼り音の反響を防止するようにしましょう。

4.6 防音リフォームを施す

マンションを購入した場合は、自分の住戸内に防音リフォームを施すこともできます。例えば窓を二重窓化する、床を音が響きにくいものに変更する、といったことです。マンションのリフォームは管理規約その他のルールによってマンションごとに規制が異なります。
躯体に影響するようなリフォームは認められていません。こうした事情から何でも自分たちのやりたいようにはできないことが予想されます。
もし早い段階で騒音に関する問題がわかっていれば、防音リフォームを前提とした購入計画を立てることも可能です。リフォームが難しくとも家具の配置を工夫するだけでも騒音を抑えることもできます。専有部分は自分の判断や工夫で変更が可能です。

5. トラブルになったらどう解決すればいい?

トラブルになったらどうすればいい?

多くの人にとって我が家は憩いの場です。そんな自宅でトラブルを抱えたいとは思っていません。
ただ、自分たちが望んでいなくてもマンションで生活していると、騒音をはじめとして多くのトラブルに見舞われる可能性があります。
トラブル対策として重要なのは、一人で問題を抱えないことです。万一トラブルに巻き込まれた場合の対処方法についてご紹介します。

5.1 管理会社・管理組合に相談する

まずは管理会社や管理組合に相談してみましょう。
管理会社や管理組合はマンション内のトラブルの多くを把握しています。もし騒音がトラブルの元であれば、掲示板にその旨を張り出して注意を促す、原因となる住戸がわかっていればその住人に注意を与える、といったことをしてくれるでしょう。
管理会社や管理組合にできることは注意やお願いといったレベルなので強制力はありません。それでもこうした活動でトラブルが沈静化することもあります。

5.2 弁護士や警察に相談する

マンション内で問題が解決できない場合は、弁護士や警察に頼ることも一つの手段です。


騒音の原因となる人物や住戸がわかっている場合、弁護士に交渉してもらうことができます。
ただし、弁護士の出す手紙の効力は非常に大きなものです。その内容は「騒音を出すことを直ちにやめてください。もしやめない場合は法的な手段を取ります。」といった内容となります。この段階で損害賠償請求をほのめかすことも弁護士の手段です。この手紙に従わない場合には、裁判も視野に入れた対処に移行していきます。弁護士を利用するには相応の費用がかかるものです。ただし、手紙を出すだけであれば、数万円から10万円程度で済むこともあります。


もうひとつの手段は警察です。犯罪の抑止力である警察が登場すれば問題が解決することもあります。依頼をすれば、騒音の原因となる住人や住戸に注意を与えることはしてくれることもあるでしょう。ですが、それ以上は法律に抵触しない限りは積極的に介入してくれないこともあります。

5.3 どうしても解決しない場合は引っ越しを検討する

考えられる手段を尽くしても、それでも問題が解決しないこともあります。そんな場合に取れる手段は2種類です。まずは騒音の原因となっている住人や住戸に直接申し入れをすることが第一の手段となります。ただし感情的になって怒鳴り込むことは多くの場合解決にはなりません。むしろ感情的な対立を深めてしまう結果となります。穏便に話し合いができるならば、直接申し入れることも可能です。


しかし残念ながら、話し合いがなかなか進まないこともあります。この段階まで至ると、そのマンションからの引っ越しが視野に入ってきます。せっかく購入したマンションを退去するのは残念ですし、通勤や通学等の別の問題も発生します。ですが、引っ越しを検討するような段階ともなると、とても平穏な生活は期待できません。問題の解決にも時間がかかります。どうしても解決しない場合には引っ越しを検討するのも一案です。

6. まとめ

騒音問題については建物性能の向上やルールの整備で抑えることもできます。それでも多くのマンションで問題となっているのが騒音であることを考えると簡単には解決できない課題です。騒音に限らず、多くの住人が一つの建物に暮らすマンションは、どうしても多くの問題が起こってしまいます。リラックスして穏やかな暮らしのためにも音の問題を少しずつでも解決していきましょう。

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