湿気に悩まされない!快適なお部屋探しのポイントとは?
公開日:2022年03月22日 最終編集日:2022年06月29日
目次
- 1. 快適に暮らすために知っておきたい賃貸物件の湿気について
- 2. 湿気に悩まされない快適なお部屋探しのポイントを紹介!
- 3. 湿気の多い部屋を見抜く!内見時に確認したいポイントとは?
- 4. 実践したい湿気対策5選
- 5. 気になる!タワーマンションの湿気対策はどうなってるの?
- 6. まとめ
賃貸物件のお部屋探しには、注意すべきポイントが数多くあります。
そのなかで忘れがちなのが、内見時に行うべき「部屋の湿気」に関するチェックです。
湿気は目に見えませんので失念しがちになりますが、内見のときにチェックを怠ると入居してから「湿気がすごくて住みづらい」と、その不快さに悩まされる事態になりかねません。
本記事では、湿気に悩まされない快適な部屋探しのポイントをお伝えします。
湿気を原因とするトラブルや内見時にチェックすべき項目、また入居後により快適な住まい環境にするための湿気対策についても解説しますので、ぜひ最後まで読んでいただき参考にしてください。
1. 快適に暮らすために知っておきたい賃貸物件の湿気について
賃貸物件選びで失敗したくない方は、湿気が引き起こすトラブルを甘く見てはいけません。
その理由は、湿気が快適な暮らしへの大きな妨げになるからだけではなく、健康面への悪影響や予期せぬ金銭的負担も負ってしまう恐れがあるからです。
この項目では主に以下の3つの点に注目し、湿気と賃貸物件に関するリスクを解説します。
- 湿気が引き起こすトラブル
- 湿気を引き起こすマンション特有の原因
- 退去時に負いかねない金銭的負担
部屋探しを行う前に知っておくべき重要な内容になりますので、しっかり確認して理想の部屋探しに役立ててください。
1.1 湿気が多いとどんなトラブルが起こるの?
湿気が引き起こすトラブルは主に2つあります。
一つめは、健康被害です。
湿気は健康に被害を及ぼすカビや細菌を発生させる大きな原因になります。
具体的な健康被害は、カビの場合は鼻炎や目のかゆみ、皮膚の炎症などのアレルギー疾患、細菌の場合はさまざまな感染症などです。
ちなみに室内のダニはカビを餌にして繁殖しますので、湿気が多いとダニによる被害を被る可能性も高くなります。
二つめは部屋の快適性の低下です。
カビの発生に伴う見た目の不快感や掃除の手間はもちろんですが、特に嫌なニオイが気になりやすくなります。
嫌なニオイは室内だけではなく持っている衣類などにも移りますので注意が必要です。
1.2 マンションの湿気の原因とは
マンションは構造上、もともと湿気を帯びやすいという性質があります。
これは隣の部屋と接していることや気密性の高さ、また窓が少ないことが主な原因です。
特に築年数10年未満の鉄筋コンクリート造りのマンションでは、コンクリートに含まれている水分が放出されている状態が続きますので、より湿度が高くなる傾向にあります。
木造建築であれば木が湿気を吸収してくれますが、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造の場合はそれがありません。
従って、部屋探しで失敗しないためにも、マンションはもともと湿気を帯びやすい性質ということを念頭におき、それがより顕著に出ないような物件を探すように意識する必要があります。
1.3 湿気対策をしないと退去時に思わぬ出費が発生する可能性も!
湿気はカビを発生させる原因であることは前述しましたが、場合によってはそれが原因で退去時に思わぬ出費を負うことになりかねません。
具体的には、原状回復に必要なクリーニング費用です。
一般的に、通常の生活を送る中で自然的に生じた物件の傷みや汚れである「自然損耗」や時間経過を原因とした「経年劣化」に関しては入居者の負担はありません。
しかし、カビを原因とした痛みや汚れに関しては、以下のような状況では入居者負担になってしまうことがあります。
- 発生したカビに対して適切な処置を怠った
- カビの発生を助長させる行為があった
ケースバイケースですので明確な判断基準については省略しますが、ポイントは湿気の多い部屋を選ばないように注意することです。
退去時に原状回復費として思わぬ出費を負ってしまうことを避けるためにも、湿気に関するチェックは怠らないようにしましょう。
2. 湿気に悩まされない快適なお部屋探しのポイントを紹介!
ここでは湿気に悩まされない快適な部屋探しのポイントを解説します。
専門知識がなくても簡単に理解でき、部屋探しに役立ちますのでぜひチェックしてください。
2.1 低層階よりも高層階のお部屋
湿気に関する不安を少しでも軽減したい方は、高層階の部屋を選ぶと良いでしょう。
基本的に高層階は低層階よりも湿気が少ないです。
特にマンションの1階部分は地面からの影響を最も受けやすく、湿気の問題に悩まされる可能性が高くなります。
低層階の部屋ほど湿気がこもりやすいということを踏まえて部屋探しを行いましょう。
ちなみに部屋の日当たりも湿気に影響します。
一般的には、北向きに窓がある場合は日当たりが良くありません。1日を通して一番日当たりが良いのは南向きの窓がある部屋になりますので、あわせて覚えておくと良いでしょう。
2.2 風通しが良く、複層ガラスや2重サッシのお部屋
先ほど窓の向きについてお伝えしましたが、窓の数や窓の種類も湿気に大きく関係します。
マンションの場合は部屋に窓が1つだけというケースも多いですが、できるだけ2つ以上の窓がある部屋を選ぶようにしましょう。
窓が2つあると日当たりが良くなるのはもちろん、風通しも良くなって湿気が発生しにくくなります。
また、窓も通常の1枚ガラスではなく複層ガラスや2重サッシが採用されている物件を選ぶのがおすすめです。
複層ガラスや2重サッシの窓は結露を抑えてくれます。完全に結露の発生がなくなることはありませんが、1枚ガラスと比較するとカビなどのトラブルを軽減することが可能です。
2.3 周辺環境も重要なチェックポイント
物件の周辺環境も湿気に関係する重要なチェックポイントです。
特に、近くに川や湖などの水辺があったり用水路がある場合は注意しましょう。水が蒸発することで周囲の湿度が上がります。
また、周辺と比較して低い位置に立っている物件も注意が必要です。
雨が降ったときに周辺の道路や隣地から雨水の一部が流入したり溜まったりして湿気の原因になる恐れがあります。
周囲に日差しを遮るような高い建物がないかもチェックしましょう。
日当たりと湿気に関してはすでにお伝えしましたが、周囲を高い建物で囲まれて陰になってしまう物件は、日当たりだけでなく風通しも悪くなるため湿度が高くなる傾向にあります。
その他にも草木が生い茂っていたり、土地の水はけが悪い場合も湿気の原因になりますので、内見するときには周辺環境もよくチェックするようにしましょう。
建物の外観や基礎部分にカビやコケが生えているかどうかを確認するだけでも、ある程度判断することができます。
3. 湿気の多い部屋を見抜く!内見時に確認したいポイントとは?
前述した建物の外観や基礎のカビやコケの有無のチェックも湿気の多さを判断する基準の一つですが、その他にも以下のようなさまざまな方法で湿気に関して確認することができます。
- 窓枠(サッシ)の結露
- 窓枠(サッシ)周りの木材
- 壁紙
- 収納スペースの臭い
- 水回り
内見時にはこれらをチェックし、部屋の湿気具合を確認することが大切です。
ではそれぞれを詳しくみていきましょう。
3.1 窓枠(サッシ)の結露
部屋の内側と外側の温度差は結露を発生させ、湿気の原因になります。
それが顕著に出るのが窓枠(サッシ)です。
内見時には窓枠やサッシに結露が出ていないか、もしくは結露が出ていた跡がないかチェックしましょう。
特に窓の下部分は、結露によって出た水滴が滴り損傷が見られることがあります。
また、先ほどお伝えしたように窓の種類もその時に一緒に確認するようにしましょう。
3.2 窓枠(サッシ)周りの木材
窓枠(サッシ)に木材が使われている場合は、結露による腐食や変色、また水シミやカビの跡の有無を確認しましょう。
その部分だけ再塗装して修繕されている場合もありますが、その場合は再塗装の必要があった、つまり湿気が多い部屋かもしれません。
窓枠周りが不自然に修繕されている場合は注意が必要です。
3.3 壁紙
壁紙が剥がれていたり凸凹している場合は、湿気が原因かもしれません。
もちろん下地への接着力が単純に不足していたり、施工に不備があったケースなども考えられますが、湿気が多くても壁紙は浮いてきます。
これは、壁紙が膨張収縮を繰り返し接着剤が剥がれることが原因です。
内見時には壁紙もよく観察してみるようにしましょう。
3.4 収納スペースの臭い
湿気が多い部屋は、特有のカビ臭さがあります。
それが最もよく分かるのが収納スペースです。
押し入れやクローゼット、また下駄箱などの収納スペースを開けて、内部の臭いを確認しましょう。
本来クリーニングされて無臭であるはずの内見時にカビの臭いがするということは、長年に渡ってカビの臭いが染みついている湿気の多い部屋である可能性があります。
3.5 水回り
水回りは部屋のなかでも最も湿気が溜まりやすいため、注意して確認するべきポイントです。
- トイレ
- 浴室
- キッチン
- シンク
- 洗面台
- 洗濯機置き場
上記の場所は、内見時には忘れずにチェックしましょう。
内見している時点でのカビの有無などはもちろんですが、水はけ具合の確認も行うことができれば理想的です。
キッチンやバスルームなど、何らかの原因で水はけが悪いと湿気の原因になります。
物件を案内してくれている不動産会社の担当者の許可を得て、可能であれば実際に水を出してみて水はけ具合を確かめてみましょう。
また、それと同時に換気扇がしっかり機能しているかどうかも重要な確認事項のひとつです。
特にバスルームの換気扇はカビの発生を防ぐのに重要ですので、換気する力が弱くないか、また不具合がないかなどを確認しましょう。
4. 実践したい湿気対策5選
賃貸物件の部屋選びをどんなに慎重にしても、湿気が全くない部屋を見つけることはできません。また、梅雨の時期など季節によっても湿気具合は変わってきます。
できる限り湿気の少ない部屋を探すのに加え、住んでいる期間中に積極的に湿気対策を行い、カビの発生などを防ぐことも大切です。
ここでは効果の高い湿気対策を5つ紹介します。ぜひ実践し快適な部屋を維持に役立ててください。
4.1 ①部屋を定期的に換気する
湿気対策で最も手軽に行うことができるのが、部屋の換気です。
窓を空けて部屋にこもった湿気を逃がすと同時に空気の入れ替えをすることで、室内と室外の温度差をなくし結露やカビの発生を防ぐことができます。
換気するときのポイントは、空気の通り道を意識することです。
窓を1箇所だけ開けるのではなく、2箇所開けて空気の通り道を作るようにすると短時間で効率よく換気することができます。
特に湿気の溜まりやすい浴室は、防犯上問題にならない程度にできる限り小窓を開けておくのがおすすめです。
もし窓がない場合は、定期的に換気扇を回したりするなど工夫しましょう。
4.2 ②家具の配置を工夫する
湿気対策は家具の配置を少し工夫することでも行うことができます。
湿気は家具と壁の隙間にこもりやすいため、壁から5cm以上空けて家具を配置するようにしましょう。
これは特に角部屋では有効です。
角部屋は一方の面が外に面していますので、壁を隔てた室内と室外の温度差が大きくなります。
従って、その壁に家具を密着させて配置してしまうと湿気の逃げ道がなくなり、知らない内にカビが生えてしまうことがあり注意が必要です。
湿気の逃げ道や壁の向こう側との温度差を意識しながら家具を配置するようにしましょう。
4.3 ③結露したときはこまめに拭き取る
結露したときにはできるだけこまめに拭き取るようにしましょう。
玄関のドアや窓は結露しやすい場所ですが、そのまま放置してしまうと水滴が下へ垂れて溜まり、その場所を傷めたりカビを発生させる原因になります。
特に窓の場合は、サッシの汚れと混ざってカビがひどくなるだけでなく、状況によってはカーテンや床などにも広がる恐れもありますので注意が必要です。
結露の拭き取りも習慣づければ短時間でできて面倒に感じることはありません。
忙しい方の場合は、定期的な部屋の掃除の延長線上に行うだけでも効果はありますので、快適な住居環境を維持するためにも忘れずに適時行うことをおすすめします。
4.4 ④収納スペースには除湿剤を置く
湿気は、空気の流れが滞っている場所にたまりやすい傾向があります。従って、クローゼットや靴箱などの収納スペースは湿気が多くなりますので、しっかり対策を行いましょう。
おすすめの対策方法は除湿剤の利用です。置いておくだけで効果を発揮してくれます。
除湿剤には、タンクタイプや詰め替えができるタイプ、またパックタイプなどさまざまな種類があり、自分の好みやライフスタイルにあった商品選びが可能です。
また湿気を吸収するだけでなく、脱臭効果のある商品もありますので収納スペースの臭いが気になる人にも重宝します。
4.5 ⑤除湿機を活用する
エアコンの除湿機能(ドライ)や除湿器を利用するのも湿気対策にとても効果的です。
この方法であれば、天候や防犯上の理由で窓を開けて定期的な換気が難しい場合にも手軽に行うことができます。
エアコンの除湿機能(ドライ)は冷房と比較すると消費電力が少なく、電気代もかかりません。
ジメジメした梅雨の時期などはエアコンの冷房を使わずドライを上手く使用することで、電気代も節約しつつ、湿度と温度の両方を下げることも可能です。
除湿器は安価な製品であれば1万円以下で購入することができます。
衣類の乾燥やニオイの原因菌の繁殖、また花粉を抑制したりする機能を持つ製品もありますので、除湿だけにとどまらない室内環境の向上も期待できるでしょう。
5. 気になる!タワーマンションの湿気対策はどうなってるの?
賃貸物件を探すときにタワーマンションを検討している人も少なくないと思います。
最後のこの項目では、一般的なマンションやアパートよりも規模の大きいタワーマンションの気になる湿気対策について解説しますのでぜひ確認してみてください。
5.1 24時間換気システム
湿気対策には換気が大切であると前述しましたが、実は建築基準法の改正により、2003年7月以降に建てられた全ての建造物に対して24時間換気システムを設置することが原則義務付けられました。
これはタワーマンションも例外ではなく、このシステムの設置が義務付けられています。
24時間換気システムは湿気対策が目的ではなく、主にシックハウス症候群に対する予防が目的です。
しかし、1時間で部屋全体の空気の半分以上が入れ換わる24時間換気システムは、結果的に湿気対策としても機能します。
これはタワーマンションに限ったことではありませんが、部屋を選ぶときには24時間換気システムがある物件にすると、入居期間中の湿気対策がより楽になるでしょう。
5.2 複層ガラス・断熱ガラス
多くのタワーマンションでは窓の性能を担保するために、複層ガラスや断熱ガラスなどが採用されています。
一般的な1枚ガラスは強度や安全上の問題もあることから、特別な事情や一部の例外を除いて採用されることはありません。
従って、複層ガラスや断熱ガラスといった構造を持つ機能的なガラスは、タワーマンションではほぼ標準採用されています。
すでにお伝えしましたが、これらの種類のガラスは1枚ガラスと比較すると結露しにくく、カビなどの湿気トラブルの発生を抑えることが可能です。
賃貸物件の部屋探しで湿気が気になる方にとっては、タワーマンションは少なからずメリットをすでに備えた安心できる物件と言えます。
6. まとめ
今回は、湿気に悩まされない快適な部屋探しのポイントを中心にお伝えしました。
湿気の全くない賃貸物件はありませんが、さまざまな要因によって湿気の程度は物件ごとに異なります。
ぜひ今回の内容を参考にして部屋探しの役に立ててみてください。
そして入居したあとは、紹介した湿気対策を行っていただき、快適な室内空間の維持をしていただければと思います。