駐車場付き賃貸物件の見るべきポイントとは?メリット・デメリットを解説!
公開日:2022年03月14日 最終編集日:2022年06月27日
目次
- 1. 駐車場付き賃貸物件を探す前に知っておきたいポイントとは?
- 2. 駐車場付き賃貸物件にはどんなパターンがある?
- 3. 駐車場の種類とメリット・デメリット
- 4. 駐車場付き賃貸物件を探すときのポイント
- 5. まとめ
車を所有する人にとっては、駐車場付き賃貸物件は魅力的です。
ただし、駐車場付き賃貸物件を探すときには、単に部屋だけを探すときよりも確認すべき点が多くあります。
これを怠ってしまうと、思っていたような駐車場を借りることができないだけでなく、新生活そのものも期待外れになりかねません。
駐車場付き賃貸物件は、有料や無料の契約形態はもちろん、平面、自走式、機械式と種類もさまざまです。
本記事では、駐車場付き賃貸物件を探す上で、知っておくべきポイントや注意点、またメリットやデメリットをお伝えします。
ぜひ参考にしていただき、理想の駐車場付き賃貸物件を探す際に役立ててください。
1. 駐車場付き賃貸物件を探す前に知っておきたいポイントとは?
駐車場付き賃貸物件を探しはじめる前に、まず知っておくべきポイントは以下の4つです。
- 駐車場利用料金がかかる
- 車種(サイズ)によっては駐車できない場合がある
- 契約できる台数が決められている場合がある
- 駐車場付き賃貸物件を借りるときに必要な書類がある
これらは基本的な知識としてはもちろん、実際に不動産会社への相談するときや、内見のときに把握しておく必要があるものも含まれます。
1.1 駐車場利用料金がかかる
駐車場付き賃貸物件は、家賃とは別に駐車場利用料の支払いが必要になることが一般的です。
つまり、住まいにかかる毎月の主な支出は「家賃+管理費(共益費)+駐車場利用料」を合計した金額になります。
家賃だけに注目してしまい、毎月の支払いに無理が生じることのないように注意しましょう。
ちなみに、家賃や管理費は非課税ですが、駐車場利用料には10%の消費税がかかります。
1.2 車種(サイズ)によっては駐車できない場合がある
駐車場付き賃貸物件を探す前には、所有する車のサイズを正確に把握しておくことが大切です。
各物件ごと、また駐車場の種類(平面・自走・機械式)によっても駐車できる車のサイズには制限があります。
気に入った物件が見つかって急いで契約したあとに、車のサイズの問題で駐車できなかったとしても後戻りはできません。
自分の車が駐車可能なサイズかどうかは最も重要な確認事項です。
従って、駐車場付き賃貸物件を探すときには、必ず所有する車のサイズ確認を忘れないようにしましょう。
実際に必要な車のサイズに関する情報は以下の4つです。
- 車幅
- 車高
- 全長
- 重量
また、実際に駐車場を確認するときには、駐車可能なサイズかどうかだけではなく、以下のような項目もチェックも行いましょう。
- 入出庫のしやすさ
- ドアの開閉のしやすさ
- 乗り降りのしやすさ
これらは主に駐車場のゆとりスペースです。
例えば駐車可能であっても、ドアの開閉スペースが狭いと毎回不便な思いをしなければならなくなります。
内見するときにメジャーを持参すると、具体的な数値を確認することができますのでおすすめです。
1.3 契約できる台数が決められている場合がある
駐車場付き賃貸物件では、契約できる台数が定められている場合もありますので注意しましょう。
駐車場の契約台数が定められているケースでは、通常1世帯につき1台までとしていることが一般的です。従って、複数台の車を所有している方は、特に注意する必要があります。
物件によっては、駐車場に空きがあれば複数台契約することも可能です。
ただし、他に借りたい人が現れたときには譲り渡すことを特約として定めていることも多いですのでしっかり確認しましょう。
1.4 駐車場付き賃貸物件を借りるときに必要な書類がある
駐車場付き賃貸物件を借りるときには、部屋だけを借りるときには必要のない書類を準備する必要があります。
主な必要書類は以下の2つです。
- 運転免許証の写し
- 車検証の写し
その他にも、住民票、印鑑証明書、保証人のサインなどが必要になる場合もありますので、スムーズに契約を進めるためにも、事前に確認しておきましょう。
ちなみに、駐車場付き賃貸物件を借りるときには、部屋の賃貸契約とは別に駐車場利用に対する契約書が取り交わされることが一般的です。
この駐車場用の契約書(駐車場賃貸借証明書)は、車を購入するときの保管場所使用承諾証明書(車庫証明書)として代用できるケースもあります。
もし代用できないケースは、あらためて保管場所使用承諾証明書を準備し、オーナーや管理会社にサインをしてもらえれば問題ありません。
2. 駐車場付き賃貸物件にはどんなパターンがある?
駐車場付き賃貸物件には、駐車場利用料金の有無や契約形態においてさまざまなパターンがあります。
ここでは、パターン別の特長や注意すべき点などを解説しますので、ぜひチェックしてみてください。
2.1 賃貸物件とあわせて駐車場の契約をする
前述しましたが、駐車場付き賃貸物件を借りるときには、部屋の賃貸契約とは別に駐車場利用に対する契約が交わされることが一般的です。
従って、駐車場付き賃貸物件だとしても、駐車場に空きがなければ、部屋の賃貸契約は結べても駐車場用の契約を交わすことができない事態も考えられます。
注意すべきポイントは、物件ごとに駐車場の規模は異なり、駐車場に収容できる車の台数も異なるという点です。
必ずしも物件の部屋数と駐車できる車の台数が同じではないことに留意しましょう。
もし駐車場に空きがなければ、順番待ちになることが一般的です。場合によっては長期間空きが出ない可能性もあります。
そんな予期せぬ事態を避けるためにも、駐車場付き賃貸物件を探すときには、駐車場の規模や現在の空き状況をしっかりと確認するようにしましょう。
2.2 有料駐車場付き賃貸物件
有料駐車場付き賃貸物件とは、駐車場を利用する場合に駐車場利用料金が必要になる物件のことです。
駐車場の利用を前提として部屋を貸し出しているケースや、駐車場を利用しなくても部屋が借りられるケースなど、物件によって異なります。
有料駐車場付き賃貸物件を借りるときに注意すべきことの一つは、駐車場を利用していたが途中で使わなくなったときの駐車場利用料金の支払いの有無です。
住んでいる間に車を手放すことも考えられますので、駐車場利用料金がどのように取り扱われるかは、必ず契約する前に確認しておきましょう。
考えられるパターンは主に以下の3つです。
- 駐車場の利用実態に関わらず駐車場利用料金がそのまま必要になるパターン
- 駐車場の即解約が可能で、駐車場利用料金の支払いは不要になるパターン
- 駐車場の契約期間が満了するまでは駐車場利用料金の支払いが必要で、そのあとは不要になるパターン
原則、特別な事情がない限りは契約書に記載されている内容が適用されます。
従って、有料駐車場付き賃貸物件を借りるときには、将来的に駐車場を使わなくなることも想定し、駐車場利用料金がどのようになるのかを契約書でしっかり確認することが重要です。
なお、駐車場だけを解約することができるケースでは、解約の意思を通達する方法やその期間に定めがある場合がありますので、それも一緒に確認しておくと安心です。
2.3 無料駐車場付き賃貸物件
無料駐車場付き賃貸物件と言い、駐車場の利用料金が無料の賃貸物件もあります。
車を所有する人にとっては魅力的に感じますが、以下の2つの点に注意しましょう。
- 家賃が相場よりも高くないか
- 駐車場の質は問題ないか
物件のなかには、駐車場利用料金が無料でも家賃が周辺の相場より高く設定されているケースもあります。
相場よりもどのくらい高い家賃になっているかにもよりますが、家賃に駐車場利用料金が含まれていると考えられるようなケースもありますので注意しましょう。
また、駐車場の質にも注意が必要です。
無料だからといって整備されていない荒れた土地に駐車することになると、大事な愛車が汚れたり傷ついたりすることも考えられます。
その他にも、管理がずさんで車上荒らしに狙われやすかったり、突然有料化される可能性もゼロではありません。
無料という言葉に惑わされずに、周辺の家賃相場を確認して本当に得なのか、また車を安全に駐車するのに適しているか、無料の期間などをしっかり確認するようにしましょう。
3. 駐車場の種類とメリット・デメリット
駐車場には主に以下の3つの種類があります。
- 平面駐車場(平置き駐車場)
- 自走式駐車場
- 機械式駐車場
この項目では、それぞれの駐車場のメリットやデメリット、また特徴を紹介します。
自分にとって利用しやすい駐車場かどうかを判断する材料になりますので、ぜひ確認してみてください。
3.1 平面駐車場(平置き駐車場)とは
平面駐車場(平置き駐車場)は、地面にそのまま駐車スペースが設けられているタイプの駐車場です。
平面駐車場の主なメリットとデメリットは以下のようなことが挙げられます。
【平面駐車場のメリット】
- 車道からそのまま入出庫ができる
- 車高や重量の制限がない
- 駐車中の荷物の出し入れが容易
【平面駐車場のデメリット】
- 屋根がない場合は汚れやすい
- 雨の日などは乗り降りが不便
- 天候の影響を受けやすい(台風など)
- 車上荒らしや悪戯(いたずら)に対する防犯性が低い
平面駐車場は、その利便性の高さが人気です。ただ車の保管場所としては、屋外ということもあり最適とは言えません。しかし、車にボディカバーを被せたりして工夫すれば、デメリットを軽減することは可能です。
3.2 自走式駐車場とは
自走式駐車場とは、機械を使わずに自分で車を運転して出入りする立体駐車場のことです。
大型スーパーやデパートでもよく見かけますが、マンションであれば地下や別棟にこの自走式駐車場が作られることがよくあります。
【自走式駐車場のメリット】
- 屋内環境なので天候の影響を受けにくい
- 雨の日でも乗り降りが便利
- 入出庫しやすい
- 駐車中の荷物の出し入れが容易
- 車両サイズによる駐車制限は比較的少ない
【自走式駐車場のデメリット】
- 最上階には屋根がないタイプもある
- スロープをのぼる分、時間がかかる
- 部屋から駐車場までの移動距離が比較的長い
- 防犯性は機械式より劣る
自走式駐車場は、部屋からどのくらいの距離にあるかが大きなポイントです。
もし近ければ、平面駐車場とさほど変わらない便利さが期待できるでしょう。
3.3 機械式駐車場とは
機械式駐車場には、簡易的なタイプから大規模なタイプのものがありますが、どちらも機械の力を使って車を収納します。
簡易的なタイプの機械式駐車場の多くは、2段もしくは3段程度の構造です。パレットと呼ばれる部分に車を駐車し、スイッチ操作で収納します。
一方、代表的な大規模機械式駐車場は、タワー式の駐車場タイプです。駐車室に車を入れ、昇降機を使ってタワー内に車を収納します。
【機械式駐車場のメリット】
- 悪戯や車上荒らしなどに対する防犯性は高い
- 雨や強い日差しにさらされることがない
- 他の車との接触の心配がない
【機械式駐車場のデメリット】
- 車両サイズによる駐車制限を受けやすい
- 入出庫に時間がかかる
- 駐車中の荷物の出し入れが困難
- 動作音が大きい
- 子どもにとっては危険な場所となる
- 災害時に正常に動作しなくなる可能性がある
機械式駐車場は、その構造や性能にもよりますが入出庫に時間がかかることが大きなデメリットと言えます。
また、子どもにとっては興味をそそられる場所であると同時に、大変危険な場所です。
事故防止のセンサーをはじめとした適切な安全対策が施されているかどうかもよく確認することをおすすめします。
これらが平面駐車場(平置き駐車場)、自走式駐車場、機械式駐車場それぞれの主なメリットとデメリットです。
駐車場付き賃貸物件を探す前に、どの種類の駐車場が自分と所有している車にとって最適かよく検討しておくようにしましょう。
4. 駐車場付き賃貸物件を探すときのポイント
ここでは、駐車場付き賃貸物件を探す上でのポイントを解説します。
よりスムーズな物件探しに役立ちますので、ぜひ確認してください。
4.1 最初に車種(サイズ)を伝える
駐車場付きの賃貸物件を探すときには、まず所有している車、もしくはこれから購入予定の車の車種やサイズなどを早い段階で伝えることをおすすめします。
また、前述した駐車場の種類に関しても、希望があれば一緒に伝えるようにしましょう。
具体的な車種やサイズ、また希望する駐車場の種類が決まっていると、不動産会社の担当者はそれを踏まえた上で物件を紹介してくれますので、物件探しがよりスムーズになります。
4.2 周辺エリアの相場を知る
駐車場利用料金は、主に地域によって大きく異なります。
東京23区の駐車場利用料金の目安は、月額3万円から5万円程度です。もちろん、郊外や地方だともっと安かったり、都心の一等地の場合はもっと高いケースもあります。
ポイントは、周辺エリアの相場を確認することです。相場が分かれば、高いか安いかの判断ができます。
相場を確認するときには、駐車場の種類にも注意しましょう。
一般的に平面駐車場は人気があり、自走式駐車場や機械式駐車場と比較すると高めに設定されています。
駐車場の種類に応じた周辺エリアの相場が分かれば、より理想的と言えるでしょう。
4.3 近隣の月極駐車場も検討する
気に入った駐車場付きの賃貸物件が見つかれば理想的です。
しかし、駐車場付き賃貸物件の数は限りがあるため、良い物件を見つけることが難しいケースもあります。
おすすめは、「駐車場付き」に過度に固執せずに物件探しをすることです。
駐車場付きではなくても、気に入った物件のすぐ近くに手頃な料金の月極駐車場が見つかるかもしれません。
当然ですが、「駐車場付き」ということにこだわり過ぎると、物件の選択肢は少なくなります。
選択肢が少なくなると、理想の部屋を探すのに苦労するだけでなく、本来出会えるはずの優良物件を逃してしまう恐れもあります。
理想の住まい探しを成功させるためにも、部屋と駐車場を分けて探すなど、ある程度柔軟な姿勢で物件探しを行うことをおすすめします。
5. まとめ
今回は、駐車場付き賃貸物件を探す人向けに、知っておくべき内容をお伝えしました。
特に重要な点を抜粋すると以下のようになります。
- 家賃だけでなく駐車場利用料金も毎月の支出として考える
- 車のサイズはよく確認する(車幅、車高、全長、重量)
- 駐車場には3つの種類(平面・自走式・機械式)があり、メリットとデメリットは異なる
- 部屋の契約と駐車場の契約は基本的に別
- 有料駐車場付きの場合は、周辺の駐車場相場をよく確認する
- 無料駐車場付きの場合は、周辺の家賃相場をよく確認する
- 近隣に月極駐車場があることもあるので過度に「駐車場付き」に固執しない
駐車場付き賃貸物件を探すのは、住む部屋だけを探すよりも少しだけ大変です。しかし、ポイントを抑えれば大きな心配をする必要はありません。
今回の内容をぜひ参考にしていただき、車も安心して駐車できる理想の部屋探しに役立ててください。