賃貸借契約書の読み方と見るべきポイントを解説。引っ越し後の生活で困らないために!

公開日:2022年02月01日   最終編集日:2022年06月28日

賃貸借契約書の読み方と見るべきポイントを解説。引っ越し後の生活で困らないために!
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目次

賃貸借契約書は不動産の専門用語が登場するため、不安に思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?また、賃貸借契約を初めて見る人にとっては重要事項説明書との違いも気になるところです。引っ越し後の生活に困らないためにも、賃貸借契約書の項目や注意すべきポイントについて紹介していきます。

1.賃貸借契約書とは?なぜ必要か?

賃貸借契約書とは?なぜ必要か?
賃貸借契約書は、アパートやマンションなどの不動産物件を借りるときに交わす契約書です。


賃貸借契約書は賃貸を契約するにあたり、最も効力を持つ書類であり、トラブルを防ぐために必要となります。トラブルになる可能性のある内容としては、家賃滞納、修繕費、敷金、更新などが挙げられます。また、貸主と借主の間で「言った、言わない」を防ぐためにも契約書は大切な書類です。賃貸借契約書は賃貸物件を借りるときに契約書を交わしますが、そもそも賃貸借契約にはどのような意味があるのかをお伝えします。

1.1 そもそも賃貸借契約とは?

物件を貸す人を「貸主・賃貸人」借りる人を「借主・賃借人」と呼びます。


賃貸借契約とは、貸主が建物などの使用を借主に対して行い、借主は賃料を支払い契約が完了したときに引き渡すことを約束するものです。


日本の民法第601条にて定められており、賃貸物件を借りるときは必ず賃貸借契約を結ばなくてはなりません。賃貸借契約には、「民法」と「借地借家法」があり、一般的に賃貸借契約は民法が適用されます。しかし、不動産会社や大家さんと賃貸物件を借りる借主では不動産に関する知識に差があるため、借地借家法にて借主が守られます。民法が一般法で借地借家法が特別法となり、似たような規定がある場合は特別法が優先となります。


賃貸借契約を結ぶ際には、不動産会社や大家さんから説明を受けて納得した上で署名・捺印を行いましょう。

1.2 賃貸借契約書とは?

賃貸借契約書は不動産会社や大家さん、物件によって内容や書式が異なります。基本的に物件に関する項目が記載されており、物件の契約期間や賃料、建物の名称や所在地が書かれています。


国土交通省がひな形として掲載しているのは「賃貸住宅標準契約書」です。


参考:『賃貸住宅標準契約書』について


このひな形の使用が法令で義務付けられている訳ではありませんが、賃貸借契約で紛争を防止する目的があります。賃貸借契約書は貸主の経営の合理化を図り、借主の居住の安定を守ってくれるでしょう。
賃貸借契約書や重要事項説明書のどちらも説明を受けることから、似ているイメージをお持ちの方も多いと思われます。どのような違いがあるのかを具体的に説明していきます。

1.3 賃貸借契約書と重要事項説明書の違いとは?

賃貸借契約書と重要事項説明書の大きな違いは、言葉通り「契約書」か「説明書」です。


重要事項説明書は、宅地建物取引業法第35条に基づいて作成され、賃貸物件の情報を借主に対して事前に説明するものです。宅地建物取引士の資格を持った人が「あなたが借りようとしている物件はこの状態ですが、問題ありませんか」と借主に問います。


賃貸借契約の流れとしては、不動産会社が重要事項説明書の内容を説明し、借主が署名・捺印します。まだこの時点では、契約は完了していません。重要事項説明書のあとに借主が賃貸借契約の説明を受けて署名・捺印することによって契約が成立します。


賃貸借契約をするまでに重要事項説明書の説明を受けることになりますが、基本的にすぐ賃貸借契約に進むケースが多いです。そのため、持ち帰ってゆっくりと重要事項説明書の内容を確認したい人は事前に書類を貰えるか不動産会社に確認するとよいでしょう。

2.賃貸借契約書の各項目ごとの読み方を解説!

賃貸借契約書の各項目ごとの読み方を解説!
参考:『賃貸住宅標準契約書』


賃貸借契約書は一見すると字が細かく、難しいイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、記載されている内容にはある程度決まりがあります。どのような内容を知っておくべきか各項目ごとに「賃貸住宅標準契約書」を参考にしながら詳しく解説していきます。

2.1 物件情報と設備情報

物件の情報は、「建物の名称」「所在地」について記載されています。自分が住もうとしてる物件で間違いないか確認しましょう。物件の建て方や構造、戸数、工事完了年も知ることができます。


住戸部分では、部屋番号や間取り、面積が記載されており、トイレやガスなどの設備の有無が記されています。


設備が「有」の場合は、設備が故障したとき大家さんや不動産会社の負担となります。
内見のときに備え付けられていたものが入居時になくなっているケースもあるので注意しましょう。
また、最初から設置されている設備だと思っていたものが前の入居者が置いて行ったものだったため故障したときに自己負担になってしまうケースもあるため気を付けてください。
付属施設として、駐車場や物置が利用できるかも確認できます。

2.2 契約期間

賃貸借契約には契約期間があるのをご存知でしょうか?
多くの賃貸借契約では、2年契約が一般的であり、契約期間が過ぎても住み続ける場合は更新する必要があります。


更新は「自動更新」と「更新料必要物件」の2種類です。
自動更新は、貸主と借主の間で家賃などに問題なく、合意があれば自動で更新されます。更新料必要物件は、契約期間が終了して更新をする場合に更新料が必要ですが、賃貸借契約書に記載がなければ支払う必要はありません。


賃貸借契約期間は、2年の物件が多いですが2年間住み続けなくてはならない訳ではなく、途中で解約することもできます。しかし、特約条項として半年・1年未満に解約する場合は、違約金が発生する可能性があるため、注意してください。

2.3 賃料・共益費・敷金・支払い情報

賃料等に関しては、支払い期限や支払い方法について記載されています。
共益費や敷金についても明記されているため、しっかりと確認しましょう。駐車場や駐輪場など別途費用が必要な場合は、附属施設利用料の欄に記載されます。家賃とは別にケーブルテレビ代や町内会費などはどのようになっているかも要注意です。費用の見落としがあると、後々トラブルになる可能性があるため、滞納時の延滞金と共に不明点がないかを見ておくことをおすすめします。

2.4 貸主・管理業者情報

貸主や管理業者の社名や所在地などが記載されており、貸主と建物の所有者が異なる場合は、別途記載するスペースがあります。
設備トラブルや近隣トラブルに関する問題が起きたときにどこに連絡したらよいかを知っておくことで、いざというときに焦らずに対応できるでしょう。「水漏れの場合の連絡先」「契約更新の場合の連絡先」「退去の場合の連絡先」と具体例を挙げてメモしておくと安心です。

2.5 借主・同居人の情報

借主や同居人の個人情報が記載されており、緊急時の連絡先も必要になります。電話番号や住所などに間違いがないか今一度注意して確認してください。

2.6 家賃保証会社または連帯保証人の情報

家賃保証会社か連帯保証人の情報です。家賃保証会社を利用する場合は、大家さんや不動産会社が提携しているところが多いため、事前に審査を受けることになります。自分が家賃を支払えなくなったときに代わりに保証してくれるものです。連帯保証人を記載するときには、本人確認のために連絡がいく可能性があることを伝えておきましょう。


家賃保証会社を利用するケースが年々増加傾向にあり、民法改正により連帯保証人が担保する債権の限度額が決まったため、さらに家賃保証会社の価値が高まっています。賃貸物件によって、家賃保証会社を利用するか連帯保証人が必要か異なるため、確認しておきましょう。





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2.7 条文

条文を見ると文字が多いため読み飛ばしてしまいたくなりますが、重要なことが記載されているためいくつかポイントを紹介します。

1. 更新が可能かどうか
2. 解約はいつまでに申し入れをする必要があるか
3. 違約金について
4. 楽器の演奏やペットの飼育などの禁止事項
5. 特約事項の確認

以上のポイントを必ず押さえるようにしておきましょう。

2.8 別表(退去時の原状回復に関する費用)

別表には退去時の原状回復に関する費用が記載されています。賃貸借契約で最もトラブルになりやすい点が敷金や退去時の原状回復についてです。


例えば、設備が故障したときに全額借主が負担するということは本来はありません。経年劣化や製品の寿命によるものは借主に非がないからです。しかし、契約書には特約として負担責任が記載されている可能性があるため、注意してください。


退去時の原状回復や敷金について借主に不利な内容が盛り込まれていないかを確認するための方法として、国土交通省が定めたガイドラインがあります。それと比較し、疑問点がある場合は、大家さんや不動産会社に質問して解決しておきましょう。
国土交通省のガイドラインはあくまで参考資料のため、契約書に署名・捺印をしてしまったら、契約書の内容が優先されてしまいます。トラブルにならないためにも要注意です。


参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)

3.賃貸借契約書における注意すべきポイント

賃貸借契約書における注意すべきポイント

賃貸借契約書における注意すべきポイントは金銭に関することです。やはり、トラブルのなかでも金銭問題が多い傾向にあります。想定外の金額が必要にならないように注意すべき点を紹介していきます。

3.1 更新時にかかる料金はいくら?

更新時に更新料と更新事務手数料が必要な場合があります。


更新料の金額は不動産物件によって異なりますが、2年契約の物件で家賃の1カ月から3カ月分の間が妥当です。更新料を支払わないと強制的に退去させられる可能性があります。しかし、賃貸借契約書に更新料に関する特約が記載していない場合は貸主は借主に対して更新料を請求することはできません。


更新事務手数料は、宅地建物取引業法で決まりはなく、料金も決まっていません。そのため、徴収の有無は大家さんや不動産会社に委ねられています。事務手数料は、家賃の0.25カ月分が妥当です。
賃貸物件の契約をする前から更新する可能性がある場合は、必ず賃貸借契約書で確認しておきましょう。

3.2 賃料などの支払い条件は?

賃料の支払い条件は物件によって異なるため、必ず確認しておく必要があります。


家賃の支払い日を間違えて把握してしまうと家賃滞納になる可能性もあります。


支払い方法は「自動引き落とし」「振込」「カード払い」「現金手渡し」の4種類があります。


「自動引き落とし」は、毎月自動で家賃の振込が完了する方法です。契約のときに大家さんや不動産会社が指定する引き落とし用紙に記入するだけで完了となります。注意すべき点としては、預金残高の管理です。自動で引き落としされるため、指定口座に残金がないと引き落としができずに家賃滞納となってしまいます。
「振込」はATMや窓口で指定日までに家賃を振り込む方法です。賃貸借契約では最も一般的な方法であり、手間や手数料が必要な点は注意しなければなりません。
「カード払い」はクレジットカードで家賃を支払う方法です。クレジットカードでの買い物も増えている影響から、家賃もカード払いで行う方法が増えつつあります。
「現金手渡し」は、家賃を現金で手渡しする方法です。近年ではあまり採用される支払い方法ではありません。


手数料の負担は支払い方法によって異なり、家賃滞納にならないためにも賃料などの支払い条件はしっかりと確認しておきましょう。万が一、家賃滞納をしてしまったときのことを考え、遅延損害金についても大家さんや不動産会社にチェックしておきましょう。

3.3 解約の申し入れを行う期限はいつまで?

いま住んでいるところから他の賃貸物件に住み替える場合は、解約の申し入れを行わなくてはなりません。一般的に解約する30日前のところが多いですが、賃貸物件によって異なるため注意してください。
30日前の解約申し入れだと思っていたけれど、実際は60日前だった場合、すでに引っ越しの準備をしていても家賃を1カ月余分に支払うことになってしまいます。そのような事態に陥らないためにも契約の時点で確認しておきましょう。

3.4 原状回復の負担割合はどのくらいか?

原状回復とは、賃貸物件に入居している間に、損傷させてしまった設備などがある場合は原状に復するという意味です。しかし、形あるものは経年劣化によって故障することもあります。
経年劣化や寿命によるものの故障の場合は、借主が修理代を負担する必要はありません。借主に過失があったとしても負担割合として、全額借主が負担することはなく、経年劣化分は貸主負担となることが一般的です。

3.5 特約事項にはなにが書いてある?

賃貸借契約の特約に関する条例文を参考に特約条項にはどんな内容が書かれているかを紹介します。


特約事項には、禁止事項が記載されています。例えば、ペットや昆虫、熱帯魚など生き物の飼育の可否について書かれており、ペットでは、大型犬禁止などのサイズ制限もあります。特約事項には、住むにあたって注意すべき点や金銭について記載されているため、確認を忘れないようにしてください。

4.賃貸借契約書をなくした時の対処法

賃貸借契約書には、更新に関することや金銭に関することなど住むために必要な情報が記載されています。そのため、確認したい内容があった場合、手元に賃貸借契約書がないと確かめることができません。


賃貸借契約書をなくしてしまった場合は、大家さんや不動産会社に連絡してください。適切な指示をもらい、コピーをもらいましょう。もし、コピーが断られてしまい、賃貸借契約書が手元にない状態が続いてしまうようでしたら、各都道府県庁に相談して公的な機関を利用することも可能です。賃貸借契約書をなくしてしまったとしても退去させられることはないため焦らずに落ち着いて対処してください。

5.まとめ

賃貸借契約の読み方やポイントについて解説してきました。重要事項説明が終わったら賃貸借契約書の説明が行われますが、署名・捺印をしてしまったあと、問題に気づいたとしても修正することが難しいです。トラブルにならないためにも賃貸借契約書の内容をしっかりと把握し、わからないところを発見した場合には必ず大家さんや不動産会社に質問して解決しましょう。

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