注文住宅のキッチンの価格相場は?後悔しないキッチンの選び方

公開日:2022年06月26日   最終編集日:2023年03月24日

注文住宅のキッチンの価格相場は?後悔しないキッチンの選び方
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目次

自分の理想の住まいを実現しやすい注文住宅ですが、キッチンをどのようにするかで悩んでいる人も少なくないでしょう。
キッチンと言ってもその種類や仕様はさまざまです。
よく検討せずに選んでしまうと使い勝手やデザインに不満を持ち、あとでリフォームする場合にはお金も手間もかかります。


そこで今回はこれから注文住宅を建てる方向けに、キッチンの種類や選び方のポイントを解説します。
後半にはキッチンの価格相場も紹介しますので、ぜひ参考にしていただき「後悔しないキッチン選び」に役立ててください。

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1. キッチンの種類と構成

キッチンの種類と構成

まず最初にキッチンの種類と構成について解説します。
キッチンと一口に言ってもさまざまな種類がありますので、まずキッチンの種類とそれぞれの特徴を把握していきましょう。

1.1 I型キッチン

最初に紹介するのは、日本で最もよく採用されているI型キッチンです。
壁に向かって設置されている壁付けキッチンタイプの中で最もスタンダードであり、昔の日本の家や一人暮らしの賃貸物件などで特によく見かけます。
横に一直線上になっており、横幅を調節することによって注文住宅のキッチンスペースに合わせて設置することが可能です。
シンク、調理台、コンロなどが横一列に並んでいるため、調理中も横移動のみで余計な動きを最小限に抑えることができます。
スタンダードなキッチンが好みの方や、キッチンにあまりスペースが取れない方などにおすすめです。

1.2 II型キッチン(セパレート型キッチン)

II型キッチンとは、先ほどの一直線上のI型キッチンが並行に2つ並んでいるタイプのキッチンです。
片方にはシンク、もう片方にはコンロと分かれていることから、セパレート型キッチンと呼ばれることもあります。
キッチンのワークトップ(天板)が2つになりますので、その下に収納スペースを比較的多く取れることが特徴で、ビルトインの食器洗い乾燥機や多目的キャビネットなども設置することが可能です。


調理中は体を半回転させながら2つのスペース(シンク側からコンロ側)を行き来することになりますが、移動距離は短くて済みます。
ただし、シンク側からコンロ側へ調理器具や食材を移動させることも多くなりますので水などが床に落ちやすく、掃除の手間がかかるという点には注意が必要です。
またシンク側とコンロ側の間の通路幅が狭いと二人以上で一緒に調理する時に不便ですので、使い勝手を良くするにはある程度広いキッチンスペースが必要になることには留意しましょう。

1.3 L型キッチン

L型キッチンとは、その名のとおり90度のコーナー部分を持つL字の形をしたキッチンのことを指します。
壁に向かって設置することも(壁付けキッチンタイプ)、リビングルームやダイニングルームに向かって設置すること(対面キッチンタイプ)も可能です。
またワークトップの面積も二つ合わせると比較的広くなりますので、ゆとりあるスペースで調理することができます。


コンロとシンクはそれぞれ90度で位置しており、先ほどのII型キッチンのように振り返る動作をすることなく調理できる点も魅力です。
また、冷蔵庫の位置を工夫し、コンロ、シンク、冷蔵庫のトライアングルを作ればキッチン作業に効率的な動線を実現させることができます。
ただし、コーナー部分は奥まった形状になっているため、有効活用しづらいということは予め把握しておきましょう。

1.4 U型キッチン

次に紹介するのがU型キッチンです。
U型キッチンは、シンクやコンロ、調理台などがコの字型に配置されており、キッチン全体が、正面、後方、横で「ひとつながり」になっています。
このレイアウトによって収納スペースが多くとれ、キッチン全体にもまとまりがでて調理に集中することができます。


複数人での調理もしやすく、前述した冷蔵庫との位置関係「ワークトライアングル」も自然と完成しており、機能性の高いキッチンです。
ただし、デッドスペースになりやすいコーナー部分が2カ所あること、また設置には広いキッチンスペースが必要な点がデメリットになります。

1.5 クローズドキッチン

次に紹介するのはクローズドキッチンです。
これはキッチンの形状というよりは、家の中のキッチンの位置に注目して名付けられたキッチンの種類のことを指します。
クローズドキッチンはリビングルームやダイニングルームとは異なる独立した空間(部屋)にあるキッチンのことです。
そのため独立型キッチンとも呼ばれることがありますが、調理に最も集中しやすいタイプのキッチンと言えます。


匂いをキッチン内だけに留められることや、他の部屋からはキッチンの中の様子が見えないこと、さらに収納が多いことも魅力です。
ただし、一度キッチン内に入ってしまうと家族とのコミュニケーションが取りづらく閉鎖的な空間になりがちなこと、また配膳する手間がかかることには留意しておく必要があります。

1.6 アイランドキッチン

次に紹介するアイランドキッチンは、お洒落さが魅力のキッチンです。
カウンター対面タイプのキッチンの一種ですが、四辺の全てが壁から離れており、その名のとおり「島」のように配置されていることが最大の特徴になります。
そのため開放的な空間を演出してくれるのに役立つと同時に、同じ空間にいる家族などとのコミュニケーションも非常に取りやすいです。
360°どこからでもキッチンにアクセスできて複数人での作業に適しているだけでなく、配膳の手間もあまりかかりません。


デメリットはキッチンの様子がどこからでも見えやすく、こまめな掃除などの手入れが必要なことや、匂いが空間全体に広がりやすいことです。
また、収納スペースも限られているため、調理器具などが多い方には不向きかもしれませんので注意しましょう。

1.7 ペニンシュラキッチン

ペニンシュラキッチンとは、先ほどのアイランドキッチンの左右どちらかが壁に接しているキッチンのことです。
アイランドキッチンとは異なり左右両方に通路スペースを確保する必要がないため、設置場所の制限が少なく、自由度とお洒落さが高いことが特徴になります。
こちらもカウンター対面タイプのキッチンになりますので、ワークトップを広くすれば料理以外のスペースとしても活用できる点も魅力です。

1.8 システムキッチンとセクショナルキッチン

最後にキッチンの構成を説明します。
システムキッチンとセクショナルキッチン(ブロックキッチン)とは、キッチンがどのような形態で構成されているかを表した用語です。
基本的にシステムキッチンは、コンロ、シンク、調理台が一体となって最初からビルトインされています。
一方セクショナルキッチンは、コンロ、シンク、調理台が単体で、それらが組み合わさって構成されたキッチンのことです。
分かりやすく言えば、システムキッチンは一体型でつなぎ目がなく、セクショナルキッチンは単体同士の間につなぎ目があるキッチンと言えます。


システムキッチンは統一感がありデザイン性が高いと同時に、ワークトップでひとつなぎになっているので機能性も高く掃除がしやすいというメリットがありますが、値段が高い傾向があるのがデメリットです。
セクショナルキッチンは単体ごとの入替えが可能でカスタム性や拡張性が高いですが、隙間にゴミが入りやすく掃除に手間がかかります。


日本ではセクショナルキッチンが昔から主流でしたが、1980年前後に国内メーカーがシステムキッチンの開発、製造に力を入れ始め、それから広く普及していきました。
現在はシステムキッチンも進化し、お伝えしてきたようにさまざまな形状やデザインのものがあります。注文住宅のキッチンでは一般的にこのシステムキッチンを採用することが多いです。

2. 新築の注文住宅のキッチンの選び方のポイント

新築の注文住宅のキッチンの選び方のポイント

ここまではキッチンの種類などを中心にお伝えしましたが、ここでは実際に注文住宅でキッチンを選ぶときのポイントを具体的に解説します。
主に使い勝手に関係する重要な内容になりますので、ぜひキッチン選びの参考にしてみてください。

2.1 ①キッチンの高さ

まず重要視すべきなのがキッチンのワークトップの高さです。
ワークトップの高さが低い場合は腰に負担がかかり快適に調理することができません。
反対にワークトップが高すぎると包丁を持つ手に力が入りづらかったり、油が顔などに飛んできやすくなります。
自分の身長にあった高さを選ぶ必要がありますが、以下の計算式でその目安を知ることができます。

身長÷2+5cm

その他にも現在使っているキッチンの高さを測り、それを基準に最適な高さを決めたり、メーカーのショールームで実際のキッチンで確認する方法もおすすめです。
ちなみに標準の高さは85cmで、JIS規格では、80cm・85cm・90cm・95cmと5cm刻みにワークトップの高さが定められています。
もし既製品で自分の身長に適した高さがない場合はオーダーメイド(オーダーキッチン)で高さを指定して注文することも検討すると良いでしょう。

2.2 ②収納の量や位置

収納の量や位置もキッチン選びでは重要なポイントの一つです。
収納は多ければ多いほど良いと思いがちですが、必要以上に多い収納は結局使わずに無駄になってしまう可能性があるだけでなく、場合によっては見た目の圧迫感やデザイン性の低下にもつながります。


また収納は価格にも大きく影響しますので、まずは現在使っているキッチンを参考にしてちょうど良い収納の量を見極めるようにすると良いでしょう。
ちなみに先ほどキッチンの高さについてお伝えしましたが、キッチン上部の収納や吊戸棚の高さもしっかり確認することが大切です。
また、アイランドキッチンやペニンシュラキッチンなどのデザイン性の高いカウンター対面キッチンタイプでは上部の収納がないことがほとんどですので、収納力とデザイン性のバランスをよく検討した上で先にキッチンの種類を選ぶのも良いでしょう。

2.3 ③お手入れのしやすさ

キッチンは食材を扱う水回りですので、常に清潔さを保つことが理想です。
そのためには掃除やお手入れのしやすいキッチンを選ぶようにしましょう。
代表的なのはIHクッキングヒーターです。ガスコンロのようにバーナーリングがなく、表面が平らですので手間をかけずに掃除ができます。


最近のキッチンはお手入れしやすいようにさまざまな工夫がされていますが、清潔さと使いやすさの両方にこだわる方はオプションも検討するのがおすすめです。
具体的には生ごみなどを処理して隠せるダクトワゴンやビルトインゴミ箱などですが、タッチレス水栓も汚れた手で蛇口を触らずに操作できますので検討する価値はあるでしょう。

2.4 ④コンセントの位置

意外と失念しがちなのがコンセントの位置です。
キッチンでは炊飯器やトースター、また電子レンジや電気ケトルをはじめ、さまざまな家電を使う機会があります。
コンセントが使いづらい位置にあると手間がかかり、それが毎日ともなると大きなストレスになります。
あらかじめどんな家電を使用するか想定した上で、コンセントの位置やその数もしっかり確認しましょう。

2.5 ⑤生活に合ったデザインを選ぶ

自分の生活に合ったデザイン(種類)のキッチンを選ぶことも非常に重要です。
先ほどさまざまなキッチンを紹介しましたが、家族構成や生活スタイルによって適したキッチンは異なります。


例えば小さな子どもがいる家庭の場合、ペニンシュラキッチンなどのカウンター対面キッチンタイプを選べば、料理しながらでも子供の様子を確認できて安心です。
また自宅兼事務所や個人でワークショップを開くような場合は、来客者の視界にキッチンが入らないクローズドキッチンを選ぶと匂いや生活感を隠すことができます。
その他にもキッチン全体の雰囲気を決める色や素材などにこだわることができるのも注文住宅の大きなメリットですので、生活スタイルとのバランスを取りながら理想のキッチンプランを立てるようにしましょう。

3. キッチンの値段の相場と予算

キッチンの値段の相場と予算

注文住宅のキッチン選びで気になることと言えばその費用です。
ここでは値段の相場について解説しますので、ぜひ予算を決めるときの参考にしてください。

3.1 システムキッチンの価格相場

まずはシステムキッチンの価格相場ですが、当然メーカーやデザイン、また仕様によって異なります。
従って相場には幅がありますが、目安としては50万円~180万円です。
ニトリ製の安い製品だと20万円を切るものもありますが、パナソニック製の高い製品だと250万円を超えるものもあります。
基本的にはどのメーカーもスタンダードなI型キッチンが比較的安価な値段設定になっています。

3.2 オーダーキッチンの価格相場

オーダーキッチンの場合は、システムキッチンよりも高価になることが多いです。
ミドルグレードでも価格相場は70万円~、ハイグレードになると150万円~になります。
当然ですがオーダーメイドですので「自分だけのこだわり」をとことん追求できるメリットがありますが、こだわればこだわるほど価格は高くなっていきます。


高品質な素材を用いて最新のキッチン家電やオプションを付けると500万円を超えることも珍しくありません。
予算が豊富な方は自由度の高いオーダーキッチンにすると、理想のキッチンを実現できる可能性が高まりますのでおすすめです。

3.3 キッチンの取り付け費用

注文住宅にキッチンを取り付けるときの取り付け費用の目安は15万円前後です。
廃棄ダクト用の換気扇が必要な場合などは追加で20万円~の取り付け費用が必要になります。
ちなみに選んだオプションによっては、それを取り付けるために追加費用がかかることもありますので、オプションを選ぶときはその料金だけでなく取り付けにかかる費用も確認するようにしましょう。

4. まとめ

今回はこれから注文住宅を建てる方向けにキッチンの種類や選ぶときのポイントなどをお伝えしました。
自由に設計できる注文住宅は、キッチンも自分好みにできる大きなチャンスです。
ぜひ今回の記事を参考にしていただき、あとで後悔することのない「長く便利に、そして愛着をもって使えるキッチン」選びに役立ててください。

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