マンション購入時にかかる費用の内訳を徹底解説!新築マンションと中古マンションの違いとは?

公開日:2022年02月28日   最終編集日:2022年06月29日

マンション購入時にかかる費用の内訳を徹底解説!新築マンションと中古マンションの違いとは?
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目次

マンション購入時にかかる費用は、頭金や毎月の住宅ローン返済だけではありません。手数料や税金をはじめ、その他さまざま費用がかかります。


これからマンションの購入を検討している方は、特に現金で準備する必要がある初期費用や、購入後に継続的に支払う費用に関して、事前に把握することが大切です。


本記事では、それらマンション購入に伴う費用の詳細について分かりやすく解説します。


新築マンションと中古マンションの初期費用の違いについても触れていますので、ぜひ最後までお読みください。

1. 中古マンションの購入時にかかる初期費用について

中古マンションの購入時にかかる初期費用について

まずは、中古マンション購入時にかかる以下の初期費用に関して確認していきましょう。

  • 手付金
  • 住宅ローンの頭金
  • 住宅ローンの諸費用
  • 登記にかかる費用
  • 仲介手数料
  • マンションの取得による税金
  • その他の費用(引越し費用など)

1.1 手付金

中古マンションに限らず不動産の売買契約を結ぶときに、買主から売主に対して支払われるお金が手付金です。


この手付金は、簡単に説明すると「購入の意思を示すために支払う費用」であり、その種類には、解約手付・違約手付・証的手付という3つがあります。

1.1.1 手付金の種類

解約手付・違約手付・証的手付のそれぞれが持つ役割は以下のようになります。


【解約手付】
解約手付が持つ役割は、買主が支払った手付金を放棄することによって、一方的に売買契約を解約できることです。また、売主も同様に一方的に解約することが可能で、その場合はすでに受け取った手付金の倍額を買主に支払うというルールがあります。


【違約手付】
違約手付が持つ役割は、買主もしくは売主が契約違反をしたときに、違約金として機能することです。つまり、買主が契約違反をした場合は、手付金の没収をもって違約金とし、売主が契約違反した場合は、手付金を返還すると同時に同額の違約金を買主に支払うようになります。


【証的手付】
証的手付が持つ役割は、売買契約の成立の証です。これを支払うことによって、対象となるマンションの売買契約が締結されたことを意味します。


ちなみに手付金に対して、特に定めがない場合は「解約手付」の意味合いで用いられることが一般的です。

1.1.2 手付金の額と相場

手付金の上限額は、マンション価格の20%です。これは、宅地建物取引業法で定められています。


これを満たす限りは、買主と売主が合意した金額を設定できますが、一般的な手付金の相場は、マンション価格の5%〜10%です。


1.1.3 手付金の性質

手付金は基本的には返還されないお金です。ただし、予定通りに物件を購入することになった場合には、マンション購入代金の一部に充当されます。


つまり、気に入ったマンションが見つかり、購入を決断した場合でも、費用負担そのものが増すわけではありません。従って、安心して手付金の支払いを行うことができます。


1.2 住宅ローンの頭金

住宅ローンの頭金とは、マンションを購入するときに、住宅ローンの借入金からではなく、現金で支払うお金のことです。


頭金の相場は、マンション価格の10%〜20%が相場と言われていますが、頭金を準備せずに、フルローンでマンションを購入するケースもあります。


この頭金は、その有無や金額によって、住宅ローンの借入額や利息、また返済期間などにも密接に関係するため、よく考慮することが大切です


ちなみに先ほど説明した手付金は、本質は異なるものの、頭金とも呼ばれることがあります。これは、前述したように、手付金は返還されずマンション購入代金の一部に充当されるため、その手付金と同額をそのまま頭金とするケースがあるからです。

1.3 住宅ローンの諸費用

マンション購入時の初期費用には、利用する住宅ローンに関連する以下のようなものもあります。

  • 金融機関への事務手数料
  • 保証料
  • 金銭消費賃借契約の印紙税


1.3.1 金融機関への事務手数料

住宅ローン借り入れ時に、金融機関に支払う手数料が「事務手数料」です。


この事務手数料には、住宅ローンの借入額にかかわらず一定の金額を支払う「定額型」と、住宅ローンの借入額の数パーセントを支払う「定率型」があります。


それぞれの事務手数料の目安は、定額型が3万円~6万円、定率型は1.5~2.2%です。


定額型の方が条件が良さそうに見えますが、住宅ローン金利が高く設定されることになり、毎月の支払い額が大きくなるため、必ずしも得ということにはなりません。


どちらを選択するかは、住宅ローンの借入額や返済期間を考慮して決める必要があります。

1.3.2 保証料

通常、住宅ローンを利用するときには、金融機関から住宅ローン保証会社との保証契約を求められます。


住宅ローン保証会社の役割は、住宅ローン利用者である債務者の支払いが何らかの理由で滞ったときに、金融機関(債権者)に残債を代位弁済することです。


この住宅ローン保証会社に支払うお金が「保証料」となります。


保証料の支払い方法は2種類あり、それは「外枠方式」と「内枠方式」です。


前者は住宅ローン契約時に保証料を一括支払いし、後者は住宅ローンに保証料を上乗せする分割払いになります。


それぞれの費用の目安は、外枠方式が住宅ローン借入金額の2%、内枠方式が住宅ローン金利への0.2%の金利上乗せです。

1.3.3 金銭消費賃借契約の印紙税

金銭消費貸借契約は、住宅ローンを組むときに必要な契約で、借入金額、返済年数、借入条件(金利・担保等)を約定するために取り交わされます。


その契約書に添付して支払う税金が、マンション購入時の初期費用の一つである「金銭消費貸借契約の印紙税」です。


印紙税は、契約書に記載されている住宅ローンの借入額によって、以下のように一定の金額が定められています。

住宅ローンの借入額 印紙税
500万円超過~1,000万円以下 1万円
1,000万円超過~5,000万円以下 2万円
5,000万円超過~1億円以下 6万円
1億円超過~5億円以下 10万円

出典:国税庁より一部抜粋

1.4 登記にかかる費用

マンションを購入、取得したときには、法務局で不動産登記(所有権移転登記)を行う必要があります。その他にも、住宅ローンを組んだ場合には、抵当権設定登記も行わなければなりません。


この不動産登記や抵当権設定登記などの手続きにかかる費用を登録免許税と言い、基本的には以下のように算出されます。

所有権移転登記(理由:売買) 不動産の価額 × 税率(2%)
抵当権設定登記 債権金額 × 税率(0.4%)



なお、条件や登記のタイミングによっては、軽減税率が適用される場合があります。


ちなみに、これらの登記手続きは、不動産と法律に関する専門知識が必要になるため、通常は司法書士に依頼することがほとんどです。従って、その司法書士に対して支払う依頼料も必要になります。司法書士への依頼料の目安は、5万円~10万円です。

1.5 仲介手数料

仲介手数料とは、マンションの売買を不動産会社などの仲介業者を介し、その売買契約が成立したときに支払うお金のことです。


この仲介手数料は、不動産会社に対して支払われますが、その金額は宅地建物取引業法により、売買価格に応じて以下のような上限が定められています。

売買価格 仲介手数料
200万円以下 売買金額 × 5%
200万円超過~400万円以下 売買金額 × 4% + 2万円
400万円超過~ 売買金額 × 3% + 6万円

一般的な中古マンションの場合は、売買価格が400万円を超えることがほとんどですので、仲介手数料の上限は「売買金額 × 3% + 6万」となります。


不動産会社によって仲介手数料は異なりますが、通常はこの上限金額に設定されていることが一般的です。

1.6 マンションの取得による税金

マンション取得に伴う税金も、忘れてはならない初期費用の一つです。主に以下のような3つの税金が必要になります。

  • 不動産取得税
  • 固定資産税・都市計画税の精算分
  • 売買契約書の印紙税


1.6.1 不動産取得税

不動産取得税とは、マンションなどの不動産を取得したときに、一度だけ科せられる税金です。納税先は都道府県になりますので、地方税の一種になります。

不動産取得税 固定資産税評価額 × 税率(4%)

不動産取得税は上記のように計算されますが、納税時に特例措置が実施されていれば、税率が低くなることもあります。※2024年3月31日までは3%です。

1.6.2 固定資産税・都市計画税の精算分

マンションを購入し、不動産所有者となった場合は、固定資産税と都市計画税の支払いが毎年必要になります。


なお、都市計画税に関しては、購入したマンションが課税対象地域である「都市計画区域」内の「市街化区域」と呼ばれる場所にある場合にのみ、納税が必要です。

固定資産税 固定資産税評価額×税率1.4%(標準税率)
都市計画税 固定資産税評価額×税率0.3%(上限)

※税率は地域によって異なります。



この2つの初回の納税額は、引渡し日から翌年の起算日の前日までの日割りで計算されます。従って、マンション購入時の初期費用の一部として考えておくと良いでしょう。


ちなみに、中古マンションの場合は、市区町村の役所で固定資産税台帳を閲覧することで、購入したい物件の固定資産税評価額を容易に知ることができます。

1.6.3 売買契約書の印紙税

マンション購入時には、売主と買主の間で売買契約書が締結されます。


この売買契約書には、前述した金銭消費貸借契約書と同様に印紙税を納め、収入印紙の貼付が必要です。売買契約書の印紙税額は、以下のようになります。

売買契約書に記載された売買金額 印紙税
500万円超過~1,000万円以下 1万円
1,000万円超過~5,000万円以下 2万円
5,000万円超過~1億円以下 6万円
1億円超過~5億円以下 10万円

出典:国税庁より一部抜粋

1.7 その他の費用(引越し費用など)

マンション購入時の初期費用には、引っ越し費用なども含めて考える必要があります。


引っ越し費用は時期によっても異なりますので、なるべく負担を減らしたい人は、1月・2月・3月などの繁忙期を避けるのがおすすめです。


また、引っ越しに伴って、家具や家電を新調したい方は、その費用も忘れずに初期費用に含めるようにしましょう。

2. 新築マンションの購入時にかかる初期費用との違い

新築マンションの購入時にかかる初期費用との違い

ここまでは、中古マンション購入時にかかる初期費用についてお伝えしました。
ここからは、新築マンションと中古マンションの初期費用の違いについてお伝えします。

2.1 仲介手数料はかからない

新築マンションは中古マンションとは異なり、仲介手数料がかかることはありません。


仲介手数料は、不動産会社などの仲介業者を介することにより発生しますが、新築マンションの場合は、売主から直接購入します。


ここで言う売主とは、主にマンションデベロッパー(不動産開発会社)です。


デベロッパーが直接販売まで手がけるケースと、販売会社が代理で行うケースがあります。


前者はもちろんですが、後者の場合でも、販売会社は売主の代理、つまり立場は当事者です。従って、仲介手数料の支払いは不要となります。

2.2 購入申込金(申込証拠金)・修繕積立基金がかかる

中古マンションを購入するときには不要でも、新築マンションの購入時に支払いが必要となる初期費用に、購入申込金(申込証拠金)と修繕積立基金があります。

2.2.1 購入申込金(申込証拠金)

購入申込金は、申込証拠金とも呼ばれ、マンション購入の意思を示す目的で売主に預けるお金のことです。


一般的な相場は1万円〜10万円で、支払いを行うことで売買交渉を有利に進めてもらえることが期待できます。ただし、法的な効力があるわけではありません。


前述した手付金と混同しそうになりますが、購入申込金は手付金とは異なり、契約に至らなかった場合でも返還されます。


一方、契約した場合は、手付金の一部に充当されることが一般的です。つまり、新築マンションの場合は、「購入申込金」が「手付金⇒ マンション購入代金の一部」へと段階に応じて変化していきます。


ただし、この購入申込金は、必ずしも必要というものではなく、最近では利用されないケースもあります。

2.2.2 修繕積立基金

修繕積立基金も、新築マンションの購入時に必要となる初期費用の一つです。


この修繕積立基金は、中古マンションでは不要となるだけではなく、戸建住宅などでも不要であるため、新築マンション特有の初期費用と言えます。


この修繕積立基金の目的は、後述する修繕積立金が一定額に達するまでの補完です。そのため、「修繕積立一時金」や「修繕積立準備金」と呼ばれることもあります。

3. マンション購入後にかかる費用について

マンション購入後にかかる費用について

ここからは、より具体的なマンション購入計画が立てられるように、マンション購入後に必要となる、主な以下の費用についても解説していきます。

  • 住宅ローンの返済
  • 管理費、修繕積立金、駐車場
  • 固定資産税・都市計画税

3.1 住宅ローンの返済

マンション購入後にかかる費用の中で、最も大きな割合を占めるのが、住宅ローンの返済です。


毎月の住宅ローンの返済額は、借入額や返済期間、頭金の有無や金額、金利などによって異なります。


住宅ローンの借入額を決めるときには、金融機関からの借入限度額に惑わされないことが大切です。


借入限度額と無理なく返済できる額は異なります。世帯収入や生活水準、また子どもの有無や将来の計画など、諸々の事情をよく考慮して、無理のない住宅ローンを組むようにすることが重要です。

3.2 管理費、修繕積立金、駐車場

マンションを購入後には、管理費や修繕積立金の支払いも毎月必要になります。


管理費の目安は1万〜2万円で、共用部の清掃や設備の維持管理などに充てられることが一般的です。


一方、修繕積立金は、大規模修繕のために積み立てられるお金で、一般的なマンションでは5,000円〜1万5,000円が目安になります。


その他にも、駐車場代や駐輪場代の支払いが必要になることもありますので、利用予定の方は注意しましょう。

3.3 固定資産税・都市計画税

すでにお伝えしましたが、固定資産税と都市計画税も、マンション購入後に毎年支払いが必要な費用の一つです(※都市計画税は、市街化区域にマンションがある場合)。


支払い方法は、どちらも年1回の一括払いか、年4回の分割払いかを選ぶことができます。


具体的な納付時期や期限は、管轄の市町村により異なりますので確認しましょう。


マンション購入後にかかる、その他の費用の代表格に火災保険料があります。この火災保険についても、把握しておくことで、より正確なマンション購入計画を立てることができるでしょう。

4. それぞれの諸費用を支払うタイミング

それぞれの諸費用を支払うタイミング

ここまで紹介したマンション購入に伴う諸費用に関して、その支払いを行うタイミングを下記の表にまとめました。


新築マンションと中古マンション別に分けておりますので、マンション購入計画の参考にしてみてください。

新築マンション中古マンション、それぞれのマンション購入に伴う諸費用の支払いを行うタイミング

5. まとめ

今回は、マンション購入時の初期費用や購入後に必要となる費用、またその内約や費用の目安について解説しました。


これらを知ることで、資金計画の正確性をより高められるだけでなく、適切なマンション選びにもつながります。


ぜひ参考にしていただき、新たなライフステージへの一歩に役立ててみてください。

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