マンション購入の共同名義について詳しく解説!夫婦で共同名義にするメリットとデメリットとは?

公開日:2022年11月02日   最終編集日:2022年11月04日

マンション購入の共同名義について詳しく解説!夫婦で共同名義にするメリットとデメリットとは?
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目次

マンションを購入すると、物件の権利関係を公示するために登記を行いますが、この登記には「単独名義」と「共有名義」があります。
この記事では、共有名義の概要や共有名義でマンションを購入する方法、共有名義のメリットや注意点などについて解説します。共有名義にすることで節税につながるなどさまざまなメリットを享受できますが、トラブルにつながるケースもあります。共有名義でのマンション購入に興味のある人はぜひ参考にしてください。

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1. マンション購入における共有名義とはどのようなもの?

マンション購入における共有名義とはどのようなもの?

マンションの共有名義とは、不動産登記の種類の1つです。ここでは共有名義の概要について解説します。

1.1 不動産登記には「単独名義」と「共有名義」2種類ある

不動産を購入すると、不動産の権利関係を公示するために名義を登記する必要があります。この登記には「単独名義」と「共有名義」の2つに分けられます。
単独名義とは、その名の通り、不動産を購入した本人一人の名義で登記することです。例えば夫の名義でローンを組んで購入した場合、不動産の登記名義は夫の単独名義となります。


一方の共有名義とは、不動産を共同出資で購入している場合、出資の割合に応じた持分によって登記することです。例えば、2,000万円のマンションを夫婦で1,000万円ずつ出資して購入した場合、共有名義となり、夫と妻のそれぞれの名義で登記することになります。
マンションを購入するとき、資金的に余裕がなく単独名義では購入できないケースは少なくありませんが、そのようなときに共有名義を活用できます。

1.2 共有名義のマンションの持分は原則出資割合によって決まる

共有名義で登記したマンションは、原則として出資割合によってそれぞれの持分が決まります。例えば、3,000万円の物件を夫婦で半額ずつ出資して購入している場合は、持分は1/2ずつとなります。一方で、夫が2,000万円、妻が1,000万円を出資して購入している場合は、持分は夫が2/3、妻が1/3です。


持分は自由に決められるものではないため注意してください。もし、出資割合と異なる割合で持分を設定してしまうと贈与税が課される可能性があるため注意しなければなりません。例えば、上記の夫2,000万円、妻1,000万円のケースで、持分を半部ずつにした場合、500万円分の贈与があったと見なされる可能性があります。

1.3 マンションの資産管理・運用方針は共有者と決める

マンションの共有名義となると、マンションを共有で所有することとなるため、資産管理や運用の方針は共有者と相談しながら決める必要があります。自分自身の判断でマンションを売る・貸すなど判断を下すことができません。

2. マンションを共有名義で購入する方法

マンションを共有名義で購入する方法

マンションを共有名義で購入する場合、いくつかの方法があります。ここでは具体的な購入方法を3つ紹介します。

2.1 頭金をだす人と住宅ローンを組む人を分ける

共有名義で購入する方法の一つ目が、一人が頭金を出してもう一人が住宅ローンを組むというものです。夫婦であれば、夫が頭金を妻が住宅ローンを組むといったイメージです。この形で購入すれば夫と妻の共有名義となります。

2.2 住宅ローンを組む際に連帯債務や連帯保証を利用する

住宅ローンを組むときに、連帯債務や連帯保証を利用しても共有名義になります。連帯債務や連帯保証を利用すると、夫婦の収入を合算することができるため、住宅ローンの借り上げ枠が上がります。

2.3 ペアローンの利用

ペアローンとは、1つの物件に対して夫婦がそれぞれ住宅ローンを契約することです。ペアローンを使っても共有名義となります。なお、ペアローンを利用すると夫婦の収入が合算されるため借入枠を増やすことができます。金融機関によっては親子間でのペアローンも利用可能です。

3. マンションを共有名義で購入するメリット

マンションを共有名義で購入するメリット

マンションを共有名義で購入することでさまざまなメリットを享受することができます。ここでは具体的なメリットを5つ紹介します。

3.1 住宅ローン控除を夫婦それぞれが受けられる

夫婦の共有名義でマンションを購入すると、夫婦がそれぞれ住宅ローン控除を受けることができます。住宅ローン控除とは、住宅ローンを活用して不動産を購入するときに納める税金が控除される制度のことです。年末時点での住宅ローンの残高1%が所得税や住民税から控除されます。


単独名義で購入するよりも減税額が大きくなる点は大きなメリットです。ただし、住宅ローン控除を夫婦それぞれが受けるためには、夫と妻がどちらも住宅ローンを組む、もしくはどちらかが連帯債務者になる必要があるため注意してください。

3.2 売却時に控除が二重に受けられる

共有名義にすることで、マンションを売却するときの控除が二重で受けられます。
不動産を売却して利益が出ると、譲渡所得とみなされるためその利益に対して税金が課せられます。夫婦で共有名義の場合、夫と妻それぞれが最高で3,000万円の控除対象となるため、税負担の軽減が可能です。譲渡所得に伴う税金は負担が大きいため、控除が受けられる点は大きなメリットだといえるでしょう。

3.3 借り入れ金額を増やせる

夫婦が連帯債務やペアローンなどを使って共有名義にすると、夫と妻の収入を合算してローン審査を受けられるため、単独名義よりも借入額を増やすことができます。単独名義では借入額が足りずに購入できなくても、共有名義にすることでマンションを購入できるケースもあるでしょう。

3.4 相続税の節税になる

共有名義と単独名義では相続税にも違いが生まれます。例えば、夫の単独名義の場合、夫が死亡して相続が発生すると、不動産の評価額がそのまま課税対象となります。一方で、共有名義の場合、夫の持分のみが課税対象となるため、単独名義よりも相続税を抑えられます。


ただし、実際には資金を出していないにも関わらず共有名義にする、支出金額以上の割合の共有持分で登記していると贈与とみなされ、贈与税が発生する可能性があるため注意してください。

3.5 贈与税の対策になる

共有名義は、贈与税対策としても活用可能です。例えば、子供がマンションを購入するとき、親が購入金額の一部を出資し、残りの金額を子供がローンを組む形で共有名義にすると親からの贈与ではなく共有名義となるため、贈与税に該当しません。
まとめると以下の通りです。

3.5 贈与税の対策になる

親が1,500万円出す点は同じでも、単独名義の場合は贈与となりますが、共有名義の場合は贈与とはみなされません。そのため、共有名義で購入すれば贈与税も発生しないため、贈与税対策となります。

4. マンションを共有名義で購入する際に注意すること

マンションを共有名義で購入する際に注意すること

さまざまなメリットがある共有名義でのマンション購入ですが、購入にあたってはいくつかの点に注意しなければなりません。ここでは、共有名義で購入するときの注意点を4つ紹介します。共有名義での購入を検討している人は、メリットと合わせてしっかりと理解しておきましょう。

4.1 売却がしにくい

共有名義のマンションを売却する場合、共有名義人全員の同意が必要となるため、売却しにくくなる可能性があります。例えば、夫婦の共有名義で購入したものの、離婚することになったときなどは売却に手間取ることがあるでしょう。これは、夫は売却したくても、妻は売却せずに住み続けることを希望するといったケースが起こり得るためです。


売却しやすくするために単独名義に変更しようとする人もいるかもしれません。ただし、単独名義への変更は金融機関への申請と承諾が必要となるほか、2人で組んでいた住宅ローンを1人で負担しなければならない可能性があります。

4.2 共有者が増えて複雑になる可能性がある

夫婦の共有名義でマンションを購入した場合、将来的に共有者が増える可能性があります。これは、夫もしくは妻が亡くなったときです。例えば夫が亡くなると、夫の持分は相続の対象となります。夫の相続人が何人かいると、その相続人が全員共有名義人になります。
繰り返しの説明となりますが、共有名義人が多いと売却時に手間取る可能性があるため注意しなければなりません。

4.3 贈与税が発生する場合がある

共有名義にすることで、将来的に贈与税の課税対象となる可能性があります。例えば、共有名義人の妻が仕事を辞め収入がなくなったとします。この場合、妻が組んでいた住宅ローンを夫が支払うことになるでしょう。夫が妻の住宅ローンを支払うこと自体は特に問題ありません。しかし、夫が妻の住宅ローンを支払うことが、妻から夫へ持分の贈与が行われたとみなされる可能性があります。贈与とみなされると贈与税が発生するため注意しなければなりません。


自己資金で出資している場合は特に気にしなくても構いませんが、住宅ローンを使っている場合は気をつけてください。
そのほかにも、夫の出資で購入したマンションを妻との共有名義で登記すると、夫から妻への贈与となり、妻に贈与税が発生するケースもあります。贈与税が発生することで結果的に損をする可能性もあることを覚えておきましょう。

4.4 離婚等でトラブルになる可能性がある

先ほども触れていますが、共有名義は離婚時にトラブルになるケースがあります。婚姻中に築いた財産は離婚すると、財産分与により夫婦で半分ずつ分けることとなります。
しかしこのとき、「マンションの購入資金の大半を自分が負担しているのに半分ずつになるのはおかしい」、「マンションを売却せずに子供とこのまま住み続けたい」などの意見の食い違いが生じる可能性があるでしょう。


また、住宅ローンが残っているために、さらに問題が大きくなるケースもあります。例えば、住宅ローンは夫婦それぞれが契約しているものの、妻と子供がマンションに残って住み続けるという場合、ローン返済をどうするのか決めなければなりません。話し合いがまとまらず、住宅ローンの支払いが滞ってしまうと、ある日突然マンションから出ていかなければならなくなる可能性もあるでしょう。
現在婚姻関係にある夫婦が将来離婚する可能性がある、と考えることは難しいかもしれませんが、共有名義にすることで離婚時にトラブルが発生する可能性があることは覚えておいてください。

5. 共有名義を変更する方法とは?

共有名義を変更する方法とは?

共有名義で登記した物件を単独名義に変更することができます。ここでは具体的な変更方法について解説します。離婚だけでなく、夫や妻の退職に伴い名義を変更する可能性はあるため、ぜひ参考にしてください。

5.1 離婚による共有名義の変更

夫婦の共有名義でマンションを購入したものの、離婚することになったときは、夫婦間の合意が取れていれば名義変更が行えます。変更は、申請用の書類に署名・押印を行って法務局へ提出するのみです。なお、夫婦間での合意がない中での名義変更は裁判をすることとなるため注意してください。

5.2 共有者の死亡による共有名義の変更

夫婦の共有名義でマンションを購入し、夫もしくは妻が死亡した場合、相続人がいればその相続人がそのまま次の共有名義人となります。相続人が複数人いる場合は共有名義人も複数人となるため注意してください。なお、相続人との共有状態を解除したい場合は、単独名義に変更することも可能です。
一方で、死亡した人に相続人がいない場合は、共有名義が解除となり単独名義での所有となります。

6. 共有名義と区分所有の違いとは?

共有名義と区分所有の違いとは?

共有名義と混同しやすいものに区分所有があります。共有名義は、不動産を共同出資で購入しているときに、出資の割合に応じた持分によって登記することです。一方の区分所有とは、分譲マンションなど2つ以上の部屋に区切られている建物で、各部屋を所有することです。


区分所有している建物全体のことを「区分所有建物」、区分所有している人のことを「区分所有者」と言います。区分所有建物は「専有部分」と「共用部分」に分けられる点が特徴です。分譲マンションを例にあげると、各部屋が専有部分、エントランスやエレベーターなどは共有部分に該当します。区分所有はこの専有部分を所有する権利です。

7. まとめ

今回は、マンションを購入するときの登記方法の1つである共有名義について解説しました。共有名義とは、共同出資でマンションを購入したときに、出資の割合に応じた持分によって登記することです。共有名義とは異なり、購入した本人1人の名義で登記することを単独名義といいます。
例えば夫婦で共有名義にすることで、住宅ローン控除を夫婦それぞれが受けられるほか、ローンの借入額が増える、贈与税対策になるなどのさまざまなメリットを享受できます。一方で、共有名義にすると離婚時などにトラブルになる可能性があるため、注意が必要です。共有名義でのマンション購入に興味がある人は、今回の内容を参考に検討してみてください。

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