マンション購入時の頭金はいくら必要なの!?頭金なしでも購入できる?

公開日:2022年09月29日   最終編集日:2022年09月29日

マンション購入時の頭金はいくら必要なの!?頭金なしでも購入できる?
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目次

マンションを購入するために頭金を貯金しようとしている人や既に貯めている貯金から頭金を捻出しようと考えている人は多いでしょう。
そこで今回は実際にどのくらいの頭金が必要なのかを分かりやすく解説していきます。具体的な金額だけでなく頭金を支払うメリットやデメリット、また頭金なしでのマンション購入についてもあわせて解説しますので、マンションの購入を検討している人はぜひ最後までお読みください。後半には分かりづらい手付金と頭金との違いにも触れています。

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1. マンション購入時の頭金とは?

 マンション購入時の頭金とは?

多くの場合、マンション購入時には住宅ローンを利用します。住宅ローンは金融機関からの借り入れになりますが、頭金とはマンション購入時に自己資金の中から現金で支払うお金です。
例えば1億円のマンション購入時に「1億円の住宅ローン」を組むのではなく、2000万円を頭金として現金で支払い、残りの8000万円を借り入れて住宅ローンを組むようなケースを考えると分かりやすいでしょう。
この頭金の有無や額は住宅ローンの借入額や返済期間に大きく関係しますので、マンション購入を検討している人は頭金の性質をよく把握すると同時にその額も慎重に決める必要があります。

1.1 頭金を払う理由

マンション購入を検討するときに大事な検討要素の一つとなる頭金ですが、その大きな理由には「住宅ローンの借入額が少なくなり返済の負担が減る」ことが挙げられます。
これに関しては後述する「頭金を支払うメリット」の項目で詳しく解説しますので確認してみてください。ちなみに頭金を準備せずにフルローンでマンションを購入するケースも少なくありません。

1.2 頭金を支払う時期

頭金は支払う時期が基本的には決まっており、一般的にはマンションの購入契約をしたときから引き渡しの間の期間です。
具体的にこの期間のどのタイミングで頭金を支払うかは個々のケースによって異なりますが、引き渡しと同時に支払うのが最も遅いタイミングとなります。このタイミングは車をローンで購入したことがある人であれば馴染みがあるでしょう。


先に頭金の支払いを済ませても現物がないと不安になります。そこで車でもマンションでも現物を引き渡すタイミングで頭金の支払いとローン実行が「同時決済」で行われます。
この同時決済であれば買主は現物を確認でき、売主も頭金とローンによって全額の支払いが行われるため双方とも安心して取引きできます。

2. 頭金の相場と目安は?

頭金の相場と目安は?

マンション価格の10%~20%を頭金として準備した方が良いと言われていますが、ここでは実際にマンションを購入した人のデータを基に頭金の相場を紹介します。
これからマンションを購入する人にとっては頭金の額を決める一つの目安になると思いますのでぜひチェックしてみてください。

2.1 新築マンションと中古マンションの頭金の平均額

住宅金融支援機構が行った2021年の調査結果を基に全国の新築マンションと中古マンションの頭金平均額などを表にまとめました。

2.1 新築マンションと中古マンションの頭金の平均額

フラット35利用者調査より抜粋


この表を見ても分かるように頭金の平均額は新築、中古ともに前述したマンション価格の10%~20%の範囲になっています。
ちなみにこの数字は全国平均ですが、地域別で確認しても頭金の平均額は同様に10%~20%の範囲内です。この調査を参考にするならば、頭金の額は物件価格の10%~20%が一つの目安になると言えるでしょう。

2.2 年齢ごとの頭金の相場

ここでは先ほどとは異なり「購入時の年齢別」で住宅購入金額の何割を頭金として準備したかという調査結果を紹介します。
マンションだけでなく一戸建てなども含まれていますが、どの世代がどの程度の頭金を用意して住宅を購入したかの参考になりますので確認していきましょう。

2.2 年齢ごとの頭金の相場

※三井住友トラスト・資産のミライ研究所「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」より抜粋

住宅購入時の年齢の高さに比例して準備した頭金の額が大きくなっていることが分かりますが、全世代で「頭金なし」で住宅を購入している人の割合も高いことが分かります。
先ほど頭金はマンション価格の10%~20%を準備するのが目安とお伝えしましたが、実際には頭金を用意せずに購入に踏み切る人は決して少なくありません。

3. マンション購入時に頭金を支払うメリットとデメリット

マンション購入時に頭金を支払うメリットとデメリット

頭金を準備せずにマンションを購入する人も多いことが分かりましたが、頭金を支払うことにはメリットとデメリットがあります。
それを把握した上で頭金を支払うかどうか、またどのくらいの金額を準備するかを検討すると良いでしょう。ここではそんな頭金のメリットとデメリットについて解説します。

3.1 頭金を支払うメリット

先ほど頭金を準備することで「住宅ローンの借入額が少なくなり返済の負担が減る」とお伝えしました。これは頭金を支払う最大のメリットであり、住宅ローンの借入額を減らすことができれば毎月の返済額を抑えることができ、さらに金利として支払う総額も少なくなります。
また金融機関はマンション価格の10%以上の頭金を準備している人には金利を下げる傾向にあるため、同じ価格のマンションを購入するケースでも頭金の有無とその額によって総支払額に差が出ます。
このようにマンション購入後の経済的負担が少なくなることが頭金を支払う最大のメリットです。

3.2 頭金を支払うデメリット

先ほど頭金のメリットをお伝えしましたが、必ずしも頭金を多く支払えばよいということではありません。頭金を支払うことにはデメリットもあり、それは手元の現金が減ってしまうことです。
例えば住宅ローンの借入金をできるだけ少なくするために貯蓄のほぼ全てを頭金として支払ってしまうと、予期せぬ出費や万が一の事態のときに対応できなくなる恐れがあります。
将来どんなことが起こるかは予測できませんので、頭金の額だけに固執するのではなく将来の不測の事態にも備えられるように現金を手元に残しておくことも大切です。
したがって頭金を支払う場合は無理のない範囲でその金額を決める必要があります。

3.3 頭金は多いほうがいい?

ここまでお伝えした内容では「手元に十分な現金が備えられる範囲であれば頭金は多ければ多い方が良い」と感じる人も多いかもしれませんが、実は必ずしもそうではありません。
なぜなら現在の低金利や住宅ローン控除の利用などを考えると、頭金をあまり支払わない方が恩恵を受けられる可能性もあるからです。
実際に「頭金は少なく、住宅ローンの借入額はできるだけ多く」と言われることもあるように、入念にシュミレーションし計画を立てることで、頭金を支払わなくてもマンション購入後の金銭的負担を軽減することはできます。
これに関しては次の項目に関係しますので続けて読み進めてみてください。

4. マンション購入時の頭金の金額を決める際のポイント

マンション購入時の頭金の金額を決める際のポイント

頭金の金額を検討するときには、以下の2つの点を考慮しましょう。

  • 住宅ローン控除
  • 繰り上げ返済

この2つは頭金の額を決める上でとても大事なポイントになります。

4.1 住宅ローン控除を考慮しておく

住宅ローン減税とも呼ばれる住宅ローン控除は、定められた条件を満たしている住宅ローン利用者に最大13年間に渡り住宅ローン金利から1%分の控除が受けられる制度です。
すでにお伝えしましたが現在の住宅ローン金利は非常に低い水準であり、1%以下で利用することもできます。
したがって1%分の控除を受けられる住宅ローン控除制度を利用することで、金利負担する分以上の控除を受けることも状況によっては可能になります。
これが頭金を少なく、もしくはゼロでマンション購入を検討する人が多い理由の一つです。ただしこれは低金利であることや制度が継続すること、また購入するマンションの金額や収入などさまざまな条件が整うことが前提となりますので、必ずしも全ての人にとって当てはまるとは限りませんので注意しましょう。

4.2 将来的な繰り上げ返済を考えておく

繰り上げ返済を計画し将来的に実行できる人は、現在の低金利の状況と住宅ローン控除を受けられるタイミングを活用し、少ない頭金でマンション購入することも選択肢の一つです。
頭金を貯めている間に金利が上昇してしまうとマンション購入が遠ざかってしまう可能性があります。そこで低金利の恩恵を受けられる今のタイミングでマンションを購入し、そのあとに計画的に貯めた貯蓄を繰り上げ返済するという考え方です。
ただし頭金を支払うことによって安心感が得られたり、実際にローン借入額を少なくできることは事実ですので、頭金の有無やその額によって総支払額がどのように変わるかよくシュミレーションするようにしましょう。

5. 頭金なしでもマンションを購入できる?

 頭金なしでもマンションを購入できる?

すでにお伝えした調査結果からも分かるとおり、頭金なしでマンションを購入している人は少なくありません。ここでは頭金なしでもマンション購入が可能な理由、また気になる住宅ローン審査への影響の有無などについて解説します。

5.1 頭金なしでもマンション購入は可能

繰り返しますが、頭金がゼロでもマンションの購入は可能です。頭金なしで組む住宅ローンをフルローンと言いますが、ひと昔前まではフルローンを組むことは非常に難しく、住宅ローンの借入額はマンション価格の7割~8割までが限度でした。
現在は住宅ローンを融資する銀行などの金融機関同士の競争も激しくなり、かつての頭金ありきの住宅ローンとは異なり、頭金を準備しなくても融資をしてくれるようになっています。

5.2 頭金なしだとローンの審査に影響する?

頭金なしだとローンの審査に影響するとよく耳にしますが、これは半分は事実で半分は誤りです。融資を行う金融機関が審査するのは将来に渡って無理のない返済が可能かどうかという返済能力ですので、頭金の有無に関わらず収入に見合わない融資は行ってくれません。
金融機関にとって重要なのは融資したお金が回収できるかどうかです。もちろん頭金の有無やその額はそれを検討する上で重要な要素であるものの、必ずしもそれだけで融資の可否を判断しているわけではありません。


もちろん頭金の支払いがあれば住宅ローン金利を低く優遇して毎月の返済額を減らし、融資の回収率を高めることも可能ですが、そもそも近年は超低金利局面が続いているため金利を優遇するにも限度があります。
したがって現在の金融機関は単に頭金がないという理由だけでひと昔前のように融資を断るということはありません。

5.3 頭金なしでマンション購入する場合の注意点

頭金なしでマンションを購入する場合には、以下の2つの点に注意しましょう。

  • 毎月の住宅ローンの返済額が大きくなる
  • マンションの売却が難しく可能性

前述したように頭金を支払う場合は借入総額が小さくなり、その額によっては金利が優遇されることもありますが、頭金なしの場合はマンション価格の全てが借入金になります。
同じ返済期間であれば借入金が大きくなるほど月々の返済額も大きくなり、無理な返済計画を立ててしまうと家計を圧迫したり収入が減ったときに支払えなくなることも考えられますので注意が必要です。


あと住宅ローンの借入金が多いと中古物件として売却するときに売りづらくなることがあることにも注意しましょう。これは何らかの理由でマンションを売ろうしたとき、そのローン残高がマンションの売却額を上回るオーバーローンの状態のときに起こります。
オーバーローンの場合はマンションを売却して得たお金だけでは住宅ローンを完済することができず、自己資金を使って不足分を補うか、それができなければ売却そのものを諦めざるを得ません。
特にマンションを購入して間もないときほどローン残高は多く残りますので、短期間でマンションを売却するようなケースでは特に難しくなります。

5.4 「頭金なしで買える=貯金なしで買える」ではない!

頭金なしでもマンションは購入できますが、まったく貯金のない状態で購入できるという意味ではありません。これはマンション購入時に手付金を現金で支払う必要があるからです。
手付金に関しては最後の項目で詳しく解説しますが、手元に現金がなければこの手付金を支払うことができません。
頭金はなくても住宅ローンを組むことは可能ですが、手付金なしにマンションなどの不動産売買契約を結ぶことはできませんので貯金はある程度必要になります。

6. マンション購入時の頭金と手付金の違い

 マンション購入時の頭金と手付金の違い

この最後の項目では先ほどお伝えした手付金について詳しく解説します。頭金との違いについても説明しますのでぜひチェックしてみてください。

6.1 手付金とは?

手付金とはマンションの売買契約を結ぶときに買主から売主に対して支払われるお金のことです。この手付金の支払いによって購入の意思や契約を明確にすることができます。
手付金には買主や売主の一方的な都合によって契約をキャンセルされないようにするという役割も持っています。具体的には買主が手付金支払い後に契約を破棄すると手付金は返金されず、逆に売主が契約を破棄した場合は受け取った手付金の倍の金額を買主に支払うというルールの存在です。
これによってマンションの安易な購入契約と契約後のキャンセルを防ぐことができ、買主と売主ともに一定の安心感を持って取引できるようになっています。

6.2 手付金の相場

買主と売主の双方にとってプラスに作用する手付金ですが、気になるのはその金額です。手付金は買主と売主が合意した金額を設定することができますが、相場はマンション価格の5%~10%になります。
買主と売主双方の合意があれば0%(手付金なし)に設定することもできますが、それでは手付金の役割がない状態での売買契約になるため特別な事情がない限りは0%ということはありません。
ちなみに手付金に下限は設けられていませんが、上限は宅地建物取引業法でマンション価格の20%と決められています。


そんな手付金ですが、予定通りマンションの引き渡しが行われた場合には購入代金の一部(頭金)に充当されます。
したがって気に入ったマンションが見つかって購入を決断した場合でも、手付金によって費用負担そのものが増すわけではありません。ただ前述したように現金で支払う必要がありますので手付金を支払うだけの貯蓄がなければ、頭金がゼロでもマンションは購入できませんので注意しましょう。

6.3 マンション購入のキャンセルで手付金は返金される?

先ほどお伝えしたように手付金は買主が契約を破棄したとき、つまりキャンセルしても返金されることはありません。一方、何らかの事情で売主がキャンセルした場合は手付金は倍額になって返金されます。
つまり買主は支払った手付金を諦めることで契約破棄が可能で、売主も買主と同額の金銭的負担を行うことで契約を破棄することができるという仕組みです。
しかしながらマンション価格の5%や10%となると安くても数十万円、通常は数百万円という大金になります。そんな大金を無駄にしないためにも、安易にマンションを契約したり契約後にキャンセルしないように注意しましょう。

7. まとめ

今回はマンション購入時の頭金についてお伝えしました。頭金の平均額はお伝えしたようにマンション価格の10%~20%というデータもありますが、頭金なしで購入している人も多く、必ずしも必要という訳ではありません。
マンションの価格や住宅ローンの金利、また返済期間や貯蓄の有無など、個々の事情をよく考慮し、自分にとって適切な頭金の額やその有無の必要性を考えると良いでしょう。
ぜひ今回の記事を参考にしていただき、マンション購入に役立ててください。

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